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SHOLL(しょる)
皆さまこんにちは。“SHOLLWORKS”運営者のSHOLL(しょる)と申します。

1987年、山梨県甲府市生まれ。国内デザイナーズブランドを経て、ファッションコングロマリットのブランドでデザイナー職を経験。

現在は東京都在住、ブランディングとマーケティングを涵養させる活動も行っています。
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ラグジュアリーブランドとは?プロが定義や戦略を解説

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ラグジュアリーブランドとは、その名の通り「贅沢(Luxury)」を体現するブランドのことです。

しかし、単に価格が高いだけではありません。歴史の深さと高品質、そして何より圧倒的なイメージの魅力を兼ね備え、多くの人々に「憧れ」を抱かせるブランドこそがラグジュアリーブランドと呼ばれます。

ファッション好きなら、自分のお気に入りのブランドがラグジュアリーブランドに該当するのか気になるところでしょう。

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本記事では、ファッションデザイナーである筆者がプロの視点から「ラグジュアリーブランドとは何か」を解説し、その定義や特徴、有名ブランドの例をご紹介します。

ポイントはイメージの力です。 歴史や品質といった要素に加え、「最高級である」というブランドイメージを世間に浸透させているかが重要です。

「このブランドは特別」「一流だ」と広く認知され、ファッションに詳しくない人から見てもその分野のトップと認められる。そんな権威性とクラス感こそがラグジュアリーブランドの本質です。

単に高額なだけのブランド(高“額”品)と、ブランドストーリーや希少性を伴い高級感を放つブランド(高“級”品)は異なります。後者だけが真のラグジュアリーブランドと言えるでしょう。

著者「SHOLL(しょる)」プロフィール

1987年生まれ。国内ブランドを経て、伊ラグジュアリーブランドのデザイナーとして4年間勤務。現在はデザイナーの他、日本の服飾産業を振興するため、マーケティング支援も行っています。

素材の機能性からパターンまで精通し、シンプルかつ素敵な服装の普及に努めています。


※当サイトのコンテンツは著者の知識と専門性、情報に基づき、完全に独自に制作しています。PRの有無に関わらず、メーカーはコンテンツや評価の決定に一切の関与をしていないことを宣言します。なお、この記載は景表法第5条第3号を遵守するためのものです。

目次

ラグジュアリーブランドの定義|歴史・価格・イメージが鍵

明確な定義は定まっていませんが、一般にラグジュアリーブランドとは「長い歴史があり、商品価格が高く、ブランドイメージが極めて高級」なブランドを指します。

欧州の王侯貴族に愛用された実績や伝統を持ち、現在も世界中の人々を惹きつけてやまない存在です。

例えばエルメスシャネルなど、多くがヨーロッパ発祥で長い歴史を持つのはこのためです。

特に重要なのが「イメージの高さ」。ラグジュアリーブランドには圧倒的なブランドステータスが求められます。

「そのブランドを持つこと自体がステータス」という憧れの連鎖が生まれ、一般層にも“一流”として認知されていることがポイントです。

ブランドの歴史や物語が醸成する格(ランク)の高さこそ、ラグジュアリーブランドを他と隔てる最大の特徴です。

例えば、ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)のモノグラム柄は1896年に考案されたものですが、日本の家紋から着想を得て誕生したと言われます。

当時からコピー品対策として導入されたこの意匠は、現在では品質と卓越性の象徴としてブランドの価値を高めています。

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このように歴史的な革新やアイコン製品を持つことも、ブランドイメージ構築に大きく寄与します。

ハイブランドとラグジュアリーブランドの違いとは

よく混同されるハイブランドとの違いも押さえておきましょう。両者とも「高級品」ですが、決定的な違いは「特別感(格)の有無」です。

ハイブランドには比較的歴史が浅かったり、店舗が多く流通量が多いブランドも含まれ、手に入りやすい傾向があります。

一方でラグジュアリーブランドは由緒ある歴史や皇室との関わり、長年築いた信頼があり、限られた店舗でのみ展開されることが多く、簡単には手に入りません。

言い換えれば希少性・限定性が高く、「いつの時代も誰もが憧れるトップブランド」がラグジュアリーブランドと呼ばれるのです。

また、「高額品」(単に値段が高いだけの商品)もハイブランドと称されることがありますが、それは高級品(ラグジュアリー)とは異なります。

ラグジュアリーブランドとは高“級”品のみを指し、ブランドの格や物語性が備わっているかが重要です。

ブランドイメージを高める戦略|マーケティングと希少性

現代のブランド戦略において、マーケティングによるイメージ作りはかつてないほど重要になっています。

「このブランドは最高級だ」という印象を消費者に持たせること自体がブランディングの要であり、ビジネスの成否を左右します。

多くのラグジュアリーブランドが広告や店舗デザインに巨額を投じ、SNSやイベントを通じて夢や物語を提供しているのはそのためです。

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ブランドビジネスは良くも悪くもイメージの力で成り立っており、商品の実態以上に憧れを創出・維持する仕組みが重要なのです。

例えば、ロレックス(ROLEX)は高級腕時計としての品質はもちろん、F1やテニス(ウィンブルドン)など世界最高峰のスポーツイベントのスポンサーを務めています。

これにより「一流の現場に常にロレックスあり」というイメージを確立し、ブランドの威信を高めてきました。

このようにマーケティング戦略によってブランドの格を演出し続けることも、ラグジュアリーブランドの地位を支える重要な要素です。

ラグジュアリーブランドと品質|必ずしも最高とは限らない?

ラグジュアリーブランドには「品質が高い」というイメージも付きまといます。

実際、多くのラグジュアリーブランド製品は素材や仕立てに優れていますが、品質だけが絶対条件ではありません。

なぜなら「品質が高い」という評価自体が主観的で、人によって基準が異なるからです。

大量生産せず職人が手掛ける製品こそ至高と考える目の肥えた人にとっては、ある程度の量産をするブランドは「真の最高品質ではない」と見なされることもあります。

事実、世界には知る人ぞ知る隠れた名ブランドが存在します。

本当に品質だけを追求するなら、ラグジュアリーブランドより優れた物作りをする小規模ブランドがあるのも確かです。

しかし、興味深いことに、先述のマーケティングの観点からも、純粋に品質が突出したブランドほど一般には知られにくい傾向すらあります。

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ラグジュアリーブランドの多くは高い品質を備えていますが、「最高品質=ラグジュアリー」と一概に言えない点には注意が必要です。

オートクチュールの有無と権威性

高級ファッションブランドの場合、オートクチュール(注文服)部門を持つか否かもブランドの格を左右します。

オートクチュールはファッションの伝統と歴史そのものであり、パリの選ばれたメゾンだけに許された最高峰の仕立てです。

現在では既製服(プレタポルテ)が主役ですが、かつてオートクチュールこそがファッションブランドの存在意義でした。

実際、1950年代まではエルメスやシャネルといった老舗メゾンも顧客ごとに服を仕立てていましたが、その後、高級既製服ラインが台頭し、多くのブランドがプレタポルテに注力するようになります。

現代ではオートクチュール部門を持たないブランドも多いですが、ディオール(Dior)のように伝統を守り採算度外視でクチュールを続けるメゾンも存在します。

逆にイヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent、現サンローラン)は創業者が引退した2002年にオートクチュール部門を閉鎖しました。

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このように対応はブランドごとに異なりますが、オートクチュールを維持することはブランドの権威付けにつながるため、ラグジュアリーブランドの歴史と格を語る上で一つの指標となります。

「もっとも影響力を持つ50人のファッションデザイナー」ノエル・パロモ・ロヴィンスキー (著) 朝日真 (監修)
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まとめ|ラグジュアリーブランドとは「誰もが憧れるトップブランド」

以上を総合すると、ラグジュアリーブランドとは単に高価なだけでなく、伝統と物語性、卓越したブランド力を備え“誰にとっても世界的に憧れの対象となるトップブランド”を指します。

下限の線引きは難しいものの、その頂点に位置する存在は明確です。

「これぞラグジュアリーブランド」と胸を張って言えるブランドは、時代や国境を超えて人々を魅了し続けています。

もっとも、好きなブランドがラグジュアリーブランドかどうかは二次的な問題です。

大切なのは自分自身のスタイル価値観

本記事を参考に世間一般の位置づけを知った上で、最終的には「自分にとっての最高のブランド」を見つけてください。それこそがファッションを楽しむ醍醐味と言えるでしょう。

世界の有名なラグジュアリーブランド一覧

ここからは、筆者が考える代表的なラグジュアリーブランドをいくつかご紹介します。

どれも歴史知名度イメージの高さを兼ね備えたトップブランドです。

エルメス(Hermès)

出典:https://www.hermes.com/jp/ja/

エルメス(Hermès)はファッションブランドの中でも最高峰に位置する存在です。

1837年に馬具工房として創業し、ナポレオン3世やロシア皇帝など欧州の王侯貴族に愛された歴史を持ちます。

馬具づくりで培った革加工の卓越した技術は、バッグや小物にも受け継がれています。

エルメスの代名詞である「バーキン」や「ケリーバッグ」、スカーフの「カレ」など時代ごとのアイコン商品を生み出し続け、伝統と革新を両立する姿勢で常にトップブランドとして君臨しています。

ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)

LOUIS VUITTON 公式HPより引用

ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)はラグジュアリーブランド界の王者とも称され、世界で最も知名度の高いブランドの一つです。

1854年創業のルイ・ヴィトンは、世界初の旅行鞄専門店としてスタートし、スペイン王室御用達となるなど早くから権威を確立しました。

水に浮くほど頑丈な防水トランクを開発し、1889年のパリ万博で金賞を受賞するなど、その革新性で名声を博しました。

現在ルイ・ヴィトンは巨大グループLVMHの中核ブランドであり、単体でも年間売上2兆円規模を誇る化け物ブランドです。

また世界で最も偽造品が出回るブランドとしても知られており、ある調査では偽造高級品全体の約3割がルイ・ヴィトン関連だったというデータもあります。

1896年発表のモノグラムは日本の家紋に着想を得たデザインで、コピー品との戦いから生まれた革新であると同時にブランドの象徴となりました。

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板垣退助が明治時代初期に欧州へ視察に赴いた際、ルイ・ヴィトンを購入したことでも知られます(現在も残っており、日本人が購入したルイ・ヴィトンとしては最古の現存物だそうです)。

 

シャネル(Chanel)

引用:https://www.chanel.com/jp/

シャネル(Chanel)は1910年にココ・シャネルが創業したフランスのメゾンで、「モードの女王」とも称されます。

ジャージー素材を高級ファッションに用いて女性に動きやすさを提供し、また香水「No.5」の大ヒットで莫大な富を築くなど、ファッションの歴史に革命を起こしました。

ただし第二次世界大戦中にナチス・ドイツ占領下のフランスで協力関係にあったことが戦後に問題視され、シャネル本人は一時スイスへ退避するなど物議を醸した過去もあります。

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それでも彼女は1971年に死去するまでデザイナーであり続け、現在もシャネルは「最高のモードブランド」の一角を占めています。

クリスチャン・ディオール(Christian Dior)

出典:https://www.lvmh.co.jp/

クリスチャン・ディオール(Christian Dior)は1947年、クリスチャン・ディオールによってパリで設立されたブランドです。

創立と同時に発表した「ニュールック」が絶賛され、戦後のファッションに新風を吹き込みました。

「バー」スーツに代表される曲線的なシルエットは女性らしさの復権を象徴し、ディオールは一躍トップブランドに躍り出ます。

ディオールは1957年に急逝しますが、その後を弱冠21歳のイヴ・サンローランが継ぎ、翌年には「トラペーズ・ライン」で成功を収めました。

以降、ディオールはオートクチュールからプレタポルテ、バッグ、香水に至るまで数々の名作を世に送り出し、特別な地位を保ち続けています。

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ちなみに1953年、ディオールは西側のオートクチュールブランドとして初めて日本でコレクションを開催したブランドでもあります。

グッチ(Gucci)

Image Photo by GUCCI

グッチ(Gucci)は1921年、フィレンツェで創業したイタリアを代表するラグジュアリーブランドです。

創業者のグッチオ・グッチ英国貴族の顧客からインスピレーションを得て、上流階級を彷彿とさせる皮革製品を発表しました。

やがて1930年代には製品にGGのロゴを入れる「シグネチャー戦略」を業界に先駆けて導入し、ブランドネームを前面に出した先駆者として知られます。

ハウス・オブ・グッチ(日本語字幕版)
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1970年代から80年代にかけて一時低迷しますが、90年代にトム・フォードらの手腕で見事に復活。

クラシックとモダンを融合させた高いデザイン性と、世界中に構築した洗練されたブティック網によって、現在も多くのファンを魅了し続けています。

プラダ(Prada)

Image Photo by PRADA

プラダ(Prada)は1913年にイタリア・ミラノでマリオ・プラダによって創業されました。

高品質な皮革製品で名を馳せますが、三代目である孫娘のミウッチャ・プラダの時代に大胆な革新が起こります。

彼女は祖父の使用していた工業用防水ナイロン生地「ポコノ」に注目し、1984年にナイロン製のバックパックを発表しました。

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それまで高級バッグ=革製が常識だった中、軽量かつ耐久・撥水性に優れたナイロン素材のバッグは瞬く間にヒットし、プラダは新時代のラグジュアリーブランドとして脚光を浴びました。

MIUMIUは「もうひとつのプラダ」とも言える

Image Photo by MIU MIU

またプラダは(現在は少数ブランドながら)複合企業でもあります。

同じく高級ブランドのミュウミュウ(MIU MIU)は三代目ミウッチャ・プラダの愛称にちなむセカンドラインですし、英国を代表する高級紳士靴ブランドチャーチ(Church’s)もプラダ傘下です。

90年代末にはジル・サンダーヘルムート・ラングといった“時代の寵児”も一時グループに収めていたものの、現在は両ブランドとも手放しています。

イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent / Saint Laurent)

イヴ・サンローラン(YSL)はパリを代表するラグジュアリーブランドです。1961年、長年のパートナーであったピエール・ベルジェと共に創業されました。

イブ・サンローランは「モンドリアン・ドレス」や女性用タキシードの「ル・スモーキング」など、女性ファッションにおける数々の革新を成し遂げ、高い評価を得ました。

かつてはオートクチュールの中心的メゾンでもあり、その功績からモード界に金字塔を打ち立てたデザイナーと評されます。

イヴ・サンローラン(2010)Yves Saint Laurent L’ amour Fou
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現在、同ブランドはグッチなどを擁するケリング傘下でサンローラン・パリ(Saint Laurent Paris)の名で既製服を展開しており、創業者イヴの引退後オートクチュール部門は閉鎖されたままです。

一方、化粧品事業は「イヴ・サンローラン・ボーテ」としてロレアル社が手掛けており、ファッションとコスメでブランド名称が異なる点も特徴です。

ロレックス(ROLEX)

Image Photo by ROLEX

ロレックス(ROLEX)は1905年に創業したスイスの腕時計メーカーで、高級時計ブランドとして世界屈指の知名度を誇ります。

パテック フィリップのように複雑機構の発明で名を残したわけではありませんが、1926年に世界初の防水腕時計「オイスター」を開発するなど時計史に残る技術革新も遂げています。

また前述の通りF1やテニスなど著名スポーツの公式タイムキーパーを担うことでブランド認知を向上させてきた点も特徴です。

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いずれにせよ、高級腕時計への“憧れ”を世界で最も喚起し続けているブランドの一つであり、デイトナサブマリーナーといったモデル名はロレックス抜きでも通じるほど有名になっています。

パテック フィリップ(Patek Philippe)

Image Photo by Patek Philippe

パテック フィリップ(PATEK PHILIPPE)は1839年、スイス・ジュネーヴにて創業した高級時計ブランドです。

オーデマ・ピゲヴァシュロン・コンスタンタンと共に「世界三大時計ブランド」として名高く、腕時計ブランドの中では最上級のラグジュアリーブランドでしょう。

19世紀に鍵なしで時計の巻き上げ・時刻合わせが可能な機構を発明してヴィクトリア女王に献上され王室御用達となりました。

また1889年に懐中時計向けの万年カレンダー機構、1902年にダブル・クロノグラフ(二重秒針)機構の特許取得など、今日の腕時計に欠かせない複雑機構を数多く創出しています。

ティファニー(Tiffany & Co.)

Image Photo by Tiffany & Co.

ティファニー(Tiffany & Co.)は1837年にニューヨークで創業したジュエリーブランドです。

女性の多くが憧れる「ティファニーブルー」のボックスで知られ、宝飾品ブランドとして世界随一のイメージ力を誇ります。

創業当初は文具などを扱っていましたが、欧州王侯貴族から買い付けた宝飾品で事業を伸ばし、アメリカを代表する宝飾ブランドとしての地位を確立しました。

Image Photo by Tiffany & Co.

ティファニーを語る上で欠かせないのがブランドカラーで、19世紀に流行したターコイズにちなむ「ティファニーブルー」高潔さの象徴ともされています。

扱う製品の価格帯も幅広く、数万円のシルバーアクセサリーから数千万円のハイジュエリーまで揃います。

あらゆる世代や購買層の顧客に向けて「頑張れば手が届く」商品を提供することで知名度を高めてきました。

オードリー・ヘップバーン主演の映画「ティファニーで朝食を」では、ニューヨーク五番街のティファニー本店前で朝食をとることが一つの夢として描かれています。

これはまさに、アメリカを代表するラグジュアリーブランドであるティファニーへの憧れを象徴する名場面と言えるでしょう。

カルティエ(Cartier)

Image Photo by Cartier

カルティエ(Cartier)は1847年にパリで創業した宝飾ブランドで、ティファニーと並ぶ世界的トップジュエラーです。

古くは欧州の王侯貴族に愛され、英国王エドワード7世から「王の宝石商にして宝石商の王」と称えられました。

1902年のエドワード7世戴冠式ではカルティエが27個のティアラを納品し、1904年に英国王室御用達認定(ロイヤルワラント)を受けたことでも知られます。

現在は宝飾だけでなく腕時計「タンク」シリーズや革小物、フレグランスに至るまで多彩に展開し、フランスの美意識を象徴するブランドとして世界中で支持されています。

Image Photo by Cartier

カルティエを代表するデザインには、イエロー・ピンク・ホワイトの3色ゴールドを組み合わせたリング「トリニティ」が挙げられます。

またタンク ウォッチは1919年にルイ・カルティエが第一次大戦の西部戦線に投入された戦車から着想を得てデザインした角型時計で、シンプルかつエレガントな意匠が今なお人気です。

芸術的なジュエリー制作に加え、現代ではアート支援や文化活動にも注力しており、総合的に「美」を提供し続けるブランドとして不動の地位を占めています。

デビアス(De Beers)

Image Photo by DE BEERS

デビアス(De Beers)は1888年に英国人実業家セシル・ローズによって南アフリカで創業された「ダイヤモンド王国」です。

「A Diamond Is Forever(ダイアモンドは永遠の輝き)」という誰もが聞いたことのあるスローガンを生み出し、20世紀で最も成功したマーケティングを展開しました。

結婚とダイヤモンドを結びつけ、「婚約指輪と言えばダイヤ」という常識を作り上げた立役者です。

設立者はセシル・ローズ、
「アフリカのナポレオン」と言われた人物

デビアスは長年にわたり南アフリカを中心とするダイヤモンド鉱山と流通を支配し、供給を調整して価格を維持してきました。

まさに「ダイヤモンド=高価」図式を作ったブランドと言えます。

一方で近年、ダイヤモンド市場には大きな変化が訪れました。

デビアス支配下にない鉱山の発見や、中国を中心とした人工ダイヤモンドの技術向上によって合成石が台頭し、天然ダイヤの価格が下落傾向にあるのです。

デビアスは2018年に人工ダイヤブランドを立ち上げましたが、供給過多による価格崩壊を受け2023年に事業撤退を発表しました。

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今後の市場動向次第では、ダイヤモンドの価値図式にも変革が起こるかもしれません。

です。また、ブランド名はデ=ビア兄弟という白人入植者が所有していた農場名に由来するそう。

ハリー・ウィンストン(Harry Winston)

Image Photo by HARRY WINSTON

ハリー・ウィンストン(Harry Winston)は1932年にニューヨークで創業した高級宝飾ブランドで、「キング・オブ・ダイヤモンド」および「ジュエラー・トゥ・ザ・スターズ」の異名で知られます。

創業者ハリー・ウィンストンは数々の伝説的な宝石を扱い、米『コスモポリタン』誌から「ダイヤの王様」の称号を贈られました。

またハリウッド女優にジュエリーを貸し出すという慣習を生み出し、レッドカーペットで最高の輝きを演出してきたことで「スターたちの宝石商」と称されています。

特に婚約指輪においてハリー・ウィンストンの名は絶対的です。

ウィンストンが扱うダイヤモンドはカラーグレード最高ランクのD〜Fのみに限定されるという徹底ぶりで、その煌めきは比類がありません。

世界三大ダイヤの一つ「ホープダイヤモンド」をスミソニアン博物館に寄贈したことでも知られ、正にダイヤモンドに人生を捧げたブランドと言えるでしょう。

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ダイヤモンドの“COLORLESS”は、D(最高ランク)~Zまであります。Dに近いほど光がスムーズに透過し、虹色に輝きやすいという特性があります。

ジョンロブ(John Lobb)

Image Photo by JOHN LOBB

ジョンロブ(John Lobb)「キング・オブ・シューズ(靴の王様)」と称される英国発のシューメーカーです。

1866年、ロンドンでビスポーク(注文靴)工房を開業し、その卓越した技術で欧州各国の王室御用達となりました。

1976年にフランスのエルメス社がロンドン本店以外の事業を買収すると、ジョンロブは高級既成靴ブランドとして世界展開する道を歩み始めます。

現在はロンドン本店の家族経営によるビスポーク部門と、エルメス傘下のパリ工房による既成靴部門が並立しており、伝統とビジネス展開を両立させています。

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ジョンロブの既成靴はエレガントで洗練された高級感が特徴です。「フィリップII」や「シティII」などのモデルが有名で、毎年秋に発表される限定モデル「イヤーモデル」は芸術品のような意匠として注目されます。

ジョンロブ(パリ)(JOHN LOBB)革靴 ビジネスシューズ
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ラグジュアリーの定義は視点によって異なる

最後に、「ラグジュアリーブランド」の捉え方について触れておきます。

ファッション愛好家の間でも「どこからどこまでがラグジュアリーブランドか」について意見が分かれることがあります。

例えば「プラダのナイロンバッグは高級と言えるのか」「ロレックスは世界三大どころか五大にも入らないのでは?」など、人によって基準が異なるのです。

また近年ではストリート発の新興ブランドがラグジュアリー化し、従来からの高級ブランドと肩を並べる動きもあります。

要するに、ブランドの格とは「議論の余地」に対する有無でもあるのです。

そうした議論の余地や一部のマイナスイメージがあるほど、「ラグジュアリーブランドの頂点」からは僅かに外れるという見方もできます。

絶対的な線引きが存在しないあいまいな概念だからこそ、ブランドの格付けには主観が入り込む余地があります。

ただし、本記事で繰り返したように、ラグジュアリーブランドかどうかより大切なのは自分が本当に良いと思えるものを選ぶことです。

何がラグジュアリーかを定義したからといってそのブランドを好きになる必要はなく、逆に定義から外れているからといって敬遠する必要もありません。

結局、自分にとっての最高のブランドは自分自身で探し決めるしかないのです。

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本当に良い、ブランドを。

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