CATEGORY
相互リンク

Zakさまのブログ「メンズノート」。

30代ビジネスマンのリアルなファッション・ライフスタイルblog

YOOX.COM(ユークス)

SHOLLWORKS(ショルワークス)は、プロの目線からファッションに関するレビュー&価値観をお届けします。

【英国靴】イギリスの革靴ブランド14選!おすすめ格付け&特徴【ノーザンプトン】

こんにちは。今回は、イギリスの革靴について有名&おすすめブランドをご紹介します。

今なお、革靴の中心地はイギリス(英国)です。スーツに関しては“イタリア勢”が優勢に思えますが、革靴に関しては有名ブランドの大半がイギリスとなっている勢力図は変わっていません。

2000年代になってクラシコブームが起こり、キートンやアットリーニなどのスーツが非常に有名になった一方、「スーツはイタリア、革靴は英国」というのが現在のメンズ服の流れでもあります。

ちなみに、日本のファッションに英国靴が本格的に“入ってきた”のは、1980年前後と比較的遅めでした。これは、戦後のメンズファッションの“お手本”が、アメリカから始まったことなどが理由。

しかし、決して「日本人に合わない」ということではありません。ブランド的な知名度からしても、英国靴ブランドは(国産ブランド同様に)チョイスの中心にあります。

この記事を読んでいただくことで、イギリスの主要な革靴ブランドについて抑えられる&英国靴の特徴についても分かります。ご自身にぴったりのブランドと出会えるかもしれませんので、ぜひ最後までお読みくださいね!

メンズ靴のレンタルサービス「靴男(クツダン)」

 

目次

イギリスの革靴ブランドの特徴:高級紳士靴の中心にして王道

20世紀初頭のジョンロブ。この頃には
現在とほぼ同様の靴が製作されていたよう

革靴のデザインに関しては19世紀末の1880~1889年頃、ジョンロブなどいくつかのヨーロッパのシューメーカーのコンペティションによって基礎が築かれました。

当時は、イギリスの他にフランス、プロイセン、そしてオーストリア・ハンガリー帝国といった国が“列強”で、当該諸国の有名シューメーカーが靴のデザインを“磨き上げていった”時代だったようです。

中でもイギリスは、当時から中心的なポジションでした。今回ご紹介するイギリスの革靴ブランドに関しても、この時期に誕生したメーカーが多くなっています。

既成靴はグッドイヤー・ウェルテッド製法が中心

イギリスは他国に先駆けて産業革命による機械工業化を図り、第一次世界大戦前後まで世界の“覇権国”となっていた国。

そんなイギリスの靴ブランドも、多くが工業化による機械式製法、つまりグッドイヤー・ウェルテッド製法が中心となっていることが特徴です。

グッドイヤー・ウェルテッド製法は、重厚な見た目や接着剤で圧着する廉価な靴とは異なる高級感、そして高い耐用年数を誇ります。

もともとは手縫いによる「ハンドソーン・ウェルテッド製法」が英国の伝統的な製法でしたが、機械による生産効率化を図ってブランドビジネスを行う&高級感も両立できる既成靴では、グッドイヤー・ウェルテッド製法が中心的な製法になりました。現在もビスポークシューズではハンドソーン・ウェルテッド製法による靴が多くなっています。

UNION ROYAL 公式HPから引用

グッドイヤー・ウェルテッド製法の構造としては、アッパー(甲革)とインソールを直接縫い付けず、ウェルトやリブと呼ばれるパーツなどを挟んで縫い合わせてあります。

したがって、靴底が傷んですり減った場合、(上記写真の出し縫い糸&すくい縫い糸を解くことで)アウトソールの張り替えが可能。

製法名は、米国のチャールズ・グッドイヤー2世という人名が(源流となっていた)ハンドソーン・ウェルテッド製法の機械化に成功したことで「グッドイヤー・ウェルテッド製法」と命名されました。

チャールズ・グッドイヤー二世の親であるチャールズ・グッドイヤーは発明家として高名な人物でした。グッドイヤー「1世」は加硫ゴムを発明したことで、世界的タイヤメーカー「GOODYEAR」の社名の由来となった人物です。

グッドイヤー製法とハンドソーン製法の違いは?

REGAL 公式HPより引用

(グッドイヤー・ウェルテッド製法の靴は、写真の白いテープの「リブ」を接着するため、ソールの返りがやや悪くなる)

ちなみに、グッドイヤー・ウェルテッド製法とハンドソーン・ウェルテッド製法の違いに関しては、

  • ハンドソーン・ウェルテッド製法にはリブがなく、ソールの返りが良好
  • ハンドソーン・ウェルテッド製法はリブを設けないため中物(コルク)が薄め
  • 木型の再現度(副次的な効果)

などが挙げられます。

機械による生産性重視のため、どうしてもフィット感の限界や履きならし時点での「硬さ」がある一方、履きならして自分のものにするチャレンジ精神を掻き立てられる世界。

なお、三番目の「木型の再現度」に関しては、こちらの記事にて詳しく解説しています。

正直、機能面ではグッドイヤー・ウェルテッド製法がハンドソーン・ウェルテッド製法に勝っている点はありません。造形&履き心地の両方において、ハンドソーン・ウェルテッド製法の方が「上」であることは間違いありません。

しかし、グッドイヤー・ウェルテッド製法の靴には、量産感と高級感を両立したグッドイヤー的魅力があることも確かです。量産品なんだけれど高級品でもあって、履きならしながら付き合っていく・・・。

さしずめ、「量産型ザクの隊長機」的な魅力でしょうか。

「靴の聖地」ノーザンプトンにて製造するブランドが中心

英国を代表する靴メーカーの多くは、19世紀にノーザンプトンという都市に居を構え、ファクトリーとして生産を続けていることも特徴。

ノーザンプトンはロンドンより100kmほど離れた都市でロンドンやバーミンガム、オックスフォードやケンブリッジといった都市の中間地点として物流の中心地となり、さらに皮を鞣(なめ)すタンニンが採れる樫の木(オーク)が多く自生していることが特徴。

物流拠点ゆえに食用肉も多く流通していたことから安定した革の供給が受けられ、皮革産業が発展したことで「靴作りの街」の土壌が育まれていきました。

また、歴史的なトピックとして、ノーザンプトンという都市を靴作りの街として知らしめたのがピューリタン革命(清教徒革命)でした。

1642年、革命の中心人物であったオリバー・クロムウェルが、革命軍の機動力アップのために、兵士それぞれに合ったブーツをノーザンプトンの靴職人に注文したことで、ノーザンプトン=靴作りの街として知られるように。

ノーザンプトンは、地理環境や歴史的なトピック、そして産業革命により靴の聖地となり、(80年代からの英国の製造業衰退のあおりも受けながらも)今でも靴好きが世界中から集まる地域です。

有名ブランドの既成靴だからこそ、有名モデルを共通言語として語れる

正直、有名モデルの“共通言語性”こそ、最も大きなイギリスの革靴ブランドの特徴だと思います。要は、他国の革靴ブランドとは「ブランドステータスや有名モデルの知名度が違う」ということです。

有名ブランドの既成靴だからこそ「有名モデルを共通言語として語れる点」は、圧倒的に英国の有名革靴ブランドが秀でている点といって良いでしょう。

例えば、エドワードグリーン「チェルシー」「ドーヴァー」といったモデル名を挙げるだけで、どんな靴か(靴好きの中では)共通認識があります。

日本の革靴ブランドの場合、(日本国内であれば)ブランド名やライン名で語ることは不可能ではありません。しかし、それでもモデル名で話すことは難しいですし、多くのイタリア靴ブランドでも厳しいと思います。

もちろん、英国の有名靴ブランドでも長くOEMや別注を手掛けているメーカーと、ブランドとして長く高い知名度を誇っていたメーカーとで、“共通言語力=ブランド力”は異なります。

とはいえ、今回ご紹介するブランドも(多かれ少なかれ)モデル名で語れるものが中心。英国の革靴がブランドとしてのステータスを確保しつつ、ある程度の生産性との両立が可能にしているといって良いでしょう。

【英国靴】イギリスの革靴ブランド14選!おすすめ格付け&特徴【ノーザンプトン】

それでは、具体的に有名&オススメの英国靴ブランドを14選ご紹介します。

また、ある程度サイズ感の目星がついていた方が試しやすいと思います。私の場合は人差し指の長いギリシャ型で、踵~人差し指の先端までが27.5cm、親指までが27cm、足幅の一番長い部分が10cm。大体の英国靴ブランドではUK8.5E程度がジャストサイズです。

スタンスミスで27.5cm、クラークスのデザートブーツやワラビーでUK8.5(US9)、ドクターマーチンでUK9(ちょっと緩い)。特記事項があるブランドや木型に限り追記させていただきましたので、購入を検討される場合の参考にしていただけたら幸いです。

第一位:フォスター&サン(FOSTER&SON)

 

<参考価格>
154,000円

➡特徴&こんな人にピッタリ
・歴史ある名店の、非常にハイクオリティな既成靴を10万円台で展開
・英国らしいラウンドトウ×癖のない標準的なサイズ感の靴が中心
・現在は閉業中だが、探し回ってでも良い物を手に入れたい

フォスター&サン(FOSTER&SON)は、ロンドン・ジャーミンストリートで1840年に創業した英国老舗靴工房&ブランド。(正直、入れるか迷いに迷いましたが)私が最も良いと思う英国の既成靴ブランドです。

フォスター&サンの靴は、ラウンドトウの最も英国らしいベーシックなモデルが中心。素朴かつ上品な見た目だけではなく、グッドイヤー製法の既成靴にして、土踏まずに沿った上々の履き心地も提供してくれます。

私も現行フォスター&サンの既成靴を手に取った際、この時代に15万円前後でこのクオリティを実現できることに驚きました。ブランド力はもちろんのこと、クオリティや適正価格といった点からも非常に優れていると思います。

フォスター&サンはビスポークを中心に、後述のエドワードグリーンなどにOEM生産をさせて既成靴も展開していたジャーミンストリートの名店。2018年にはノーザンプトンに自社工場を設置し、ファクトリーブランドとして展開し始めました。フォスター&サンの自社工場設立は、ノーザンプトン地域で30年ぶりの新規参入ブランドとして英国内でも話題となりました。

フォスター&サンは、ビスポークのショップゆえに日本での知名度はそこまで高くありません。知る人ぞ知る存在で、伝説的な木型職人のテリー・ムーア氏や、日本人靴職人の松田笑子氏がキャリアを積んだショップ。

冒頭の「入れるか迷った」というのは、ノーザンプトンの自社ファクトリーが2020年にコロナ禍の影響を受けて操業を停止し、2021年にはジャーミンストリートのショップも閉店してしまっていたことが理由。

ノースロンドンにあるショップでは、傘下ブランドの「ヘンリー・マクスウェル」は残っているものの、一日も早い復活&安定供給が望まれるブランドです。在庫品は多少のプレミア値が付いててもオススメ。

フォスター&サン(FOSTER&SON)革靴 ビジネスシューズ
created by Rinker

第ニ位:ガジアーノ&ガーリング(GAZIANO&GIRLING)

<参考価格>
231,000円

➡特徴&こんな人にピッタリ
・英国靴界の革新的ブランドで、今回のNo.1クオリティ
・シェイプが効いたスタイリッシュなスクエアトウが中心
・細身×スクエアトウがお家芸のブランド

ガジアーノ&ガーリング(GAZIANO&GIRLING)は2006年に創業した新興ブランド。その実力から「老舗であることがブランドステータスの条件」であった英国靴業界の革命児的なブランドです。

エドワードグリーン再興の立役者であったトニー・ガジアーノと、高名なビスポークシューメーカーであったディーン・ガーリングによって設立され、僅か10年ほどでトップブランドのひとつに数えられるようになりました。

ガジアーノ&ガーリングは、既製品でありながらビスポークのような見た目の靴を展開していることが特徴。ウエストだけでなく足幅も細めでスクエアトウが中心、全体的なメリハリが効いた靴です。

歴史の長さよりも今の実力を重視しており、シャープでスタイリッシュな“カッコいい”靴を求めている方に最適。代表的なローファー「アンティーブス」や上級ライン「DECO」のラインナップは必見です。

その他、アッパーの革質が非常に高い個体が多いことも、ガジアーノ&ガーリングの強み。贅沢に普段使いも良し、ここぞという際のスペシャルシューズにしてもOK。

サイズ感に関しては、一般的には細身な木型が多く、通常の英国靴よりも若干サイズアップする方もいます。私の場合、代表的なTG73DG70などの木型はハーフサイズ上げる程でもありませんが、足幅が普通~やや広めくらいの方は、一般的な英国靴よりもハーフサイズ上げても良いくらいのサイズ感。

ガジアーノ&ガーリング(GAZIANO&GIRLING)革靴 ビジネスシューズ
created by Rinker

第三位:エドワードグリーン(EDWARD GREEN)

EDWARD GREEN 公式HPより引用

<参考価格>
189,200円

➡特徴&こんな人にピッタリ
・英国を代表する革靴のトップブランド
・カテゴリーを代表するようなモデルや、木型で語られるブランド力がある
・土踏まずの突き上げ感が強い履き心地が好き

エドワードグリーン(EDWARD GREEN)は1890年創業、英国靴を代表する&「英国靴らしさの中心」にあるブランド。ジョンロブと同様、世界最高峰の革靴ブランドのひとつです。

エドワードグリーンは多くの有名モデルを擁するブランドで、代表的なものはストレートチップの「チェルシー」、Uチップの「ドーヴァー」など。エドワードグリーンは、モデル名で語れる×英国靴らしさを追求するブランドとして間違いありません。

また、伝統的にラスト(木型)で語られることが多いブランドで、代表的なものは細身のラウンドトウである#82、英国靴らしい傑作と称されるラウンドトウの#202、ボールジョイント部分が細身のラウンドトウである#32、細身×スクエアトウで内振りの強めな#88(→#808/#888)など。私の場合、#32や#88はハーフサイズアップしています。

革のクオリティも高い個体が多く、履き心地に関しては独特の土踏まず(ウエスト)部分の突き上げが特徴。通常ラインの他、ヒールカップやウエスト部分を攻めたトップドロワーラインも存在します。

また、輝かしいブランドステータスとは裏腹に、エドワードグリーンは幾度となく経営危機や買収を経験したブランドでもあります。80年代の経営危機ではアメリカ企業に売却、後に買い戻すも90年代にはエルメスに株を持たれ、一度は木型や工場を失うこととなりました。

そして、現在のエドワードグリーンは、2004年にデザイナーに就任したトニー・ガジアーノが大きく影響しています。#82#888の木型などを手掛けたといわれ、のちにガジアーノ&ガーリングブランドの共同創業者となりました。

エドワードグリーンのエルメス買収前の「旧工場製」は、今以上の丁寧な造りから二次流通でも高値で取引される革靴です。

エドワードグリーンは元々、OEMメーカー的な要素が強いファクトリーでした。第二次世界大戦時は英国空軍のブーツを手掛けたり、80年代以降はラルフローレンやブルックスブラザーズといったブランドの靴を製造していました。その他、先述のフォスター&サン/ヘンリーマクスウェルといったビスポークブランドの既成靴も担当していたファクトリーでした。

エドワードグリーン(EDWARD GREEN)革靴 ビジネスシューズ
created by Rinker
 

第四位:アンソニークレバリー(ANTHONY CLEVERLEY)

MITSUKOSHI ISETAN 公式HPより引用

<参考価格>
264,000円

➡特徴&こんな人にピッタリ
・歴史ある名店から発売されているプレミアムラインの既成靴
・シェイプが効いたスタイリッシュなチゼルトウが木型の特徴
・「レイジーマン」で有名なブランド

アンソニークレバリー(ANTHONY CLEVERLEY)は、「ジョージクレバリー」創業者の甥であるアンソニー・クレバリーが、1990年代に立ち上げたプレミアムライン。

「チゼルトウ」というノミ(=チゼル)の刃先のような、つま先両サイドのエッジを効かせたシルエットが特徴。伝統的な英国靴とは一線を画する、色気と意匠性あるスタイリッシュなモデルが中心です。

アンソニークレバリーの既成靴は、エドワードグリーンによるOEM生産。ウエストのフィルドバック仕様やピッチドトールなど、エドワードグリーンの通常ラインにはないエレガントさも特徴です。

アンソニークレバリーもまた、ジョンロブガジアーノ&ガーリングエドワードグリーンなどと同様に、英国靴ブランドの中でも最高ランクの既成靴です。

写真は「チャーチル」というサイドエラスティックのモデルで、レイジーマン(レイジー=怠惰)とも呼ばれるもの。一見、紐靴に見せかけつつフロントのレースはフェイクになっており、実は靴べら一本で履けちゃうという“レイジー”な靴。

ラストの種類は少なめですが、チゼルトウのシャープさが気に入ったり、レイジーマンの靴にチャレンジがしたい方にはピッタリのブランド。

アンソニークレバリー(ANTHONY CLEVERLEY)革靴 ビジネスシューズ
created by Rinker

第五位:ジョンロブ(パリ)(JOHN LOBB)

JOHN LOBB 公式HPより引用

<参考価格>
277,200円

➡特徴&こんな人にピッタリ
・革靴ブランド力No.1の「キング・オブ・シューズ」
・モデル名や木型で語られる有名な靴が非常に多い
・「英国靴らしさ」よりエレガンスや洗練さが強みで、優雅さを求める人に

ジョンロブ(JOHN LOBB)は1866年、ロンドンのビスポークメーカーとして創業したブランド。紳士靴の中心にして英国を代表する王室御用達ブランドであり、世界の数ある革靴の中でも最高峰に位置する「キング・オブ・シューズ」です。

1976年に経営難に陥ると、展開していたロンドン本店以外の全ての店舗がエルメスの傘下に。結果、資本が二手に分かれ、ロンドンのビスポークのみを扱うジョンロブ(ロンドン)と、エルメス傘下のジョンロブ(パリ)に分かれました。私たちが普段、目にするのは後者のジョンロブ(パリ)です。

エルメス資本によるジョンロブ(パリ)は1982年にお披露目され、ビスポークシューズの技術を生かした既成靴を発売。ビスポーク同様、トップブランドとしての地位を築きました。

「パリ」と呼ばれるだけあって(同じく最高峰と称されるエドワードグリーンなどと比して)英国靴らしさより、エレガントで高級感溢れることが特徴。

代表的なモデルは、パンチドキャップトウの「フィリップⅡ」やストレートチップの「シティⅡ」など。ラストはシャープなラウンドトウの7000番(ハーフサイズアップでジャスト)、セミスクエアトウの8000番などが有名。

スタンダードラインコテージライン、上級ラインのプレステージラインなどに分かれる他、毎年秋に発表されるイヤーモデルの意匠性は特筆すべき点です。

ジョンロブ(パリ)(JOHN LOBB)革靴 ビジネスシューズ
created by Rinker

第六位:ジョセフチーニー&サンズ(JOSEPH CHEANEY & SONS)

CHEANEY 公式HPより引用

<参考価格>
68,200円

➡特徴&こんな人にピッタリ
・歴史ある英国の既成靴ブランド
・既成靴感がありつつ、癖のない木型の靴を選びたい
・モデルの有名さよりも、コストパフォーマンスや実用性を重視している

ジョセフチーニー&サンズ(JOSEPH CHEANEY & SONS)は1886年創業、いわゆる「コストパフォーマンスの高い英国靴」として日本でも見かけることの多いブランド。

伝統的には、定番モデルによる魅力というよりも、英国靴らしさを維持しつつ器用な靴作りが特徴。長らくブランドのOEMや別注品を中心に手掛けてきました。

一方、2009年以降は“モデル名で語れるブランド”化にも注力しており、代表的なモデルはストレートチップの「アルフレッド」やアデレードの「フェンチャーチ」、ミリタリーシューズの「ケンゴン」など。全体的に癖のない木型で、幅広い人に合わせやすいサイズ感です。

チーニーは英国軍への供給や、戦後は「ロイヤルツイード(Royal Tweed)」ネームなどで輸出業にも注力していたブランド。1966年には英国で最も栄誉ある賞のひとつ“Queen’s Award”の輸出部門で受賞しました。

その後、後述のチャーチの傘下となり、97年にチャーチごとプラダに買収され、プラダグループのブランドとなりました。そして2009年にはプラダ&チャーチから独立。

ちなみに、私は英国の既成靴に「そこそこ良いけれど既成靴感もあるもの」を求めているのでチーニー大好きです。履きやすい“そこそこの靴”は「機械式グッドイヤー製法の既成靴」を選ぶ意味になると思います。

現在のチーニーCEOはウィリアム・チャーチ。チャーチの創業一族です。チャーチ家がプラダ傘下にあるチャーチブランドからチーニーを買い取り、切り離して独立した格好です。

ジョセフチーニー&サンズ(JOSEPH CHEANEY & SONS)革靴 ビジネスシューズ
created by Rinker

第七位:サンダース(SANDERS)

 

<参考価格>
57,200円

➡特徴&こんな人にピッタリ
・官庁向けとして長年の多大な実績ある英王室御用達ブランド
・ミリタリー要素の強い革靴が好き
・モデルの有名さよりも、コストパフォーマンスや実用性を重視している

サンダース(SANDERS)は1873年、ウィリアム&トーマス・サンダース兄弟によって誕生したブランド。現存するノーザンプトンのファクトリーの中でも深い歴史を持ち、英王室御用達ブランドのひとつです。

ファクトリーの特徴としては、ミリタリー色の強いコレクションが中心であること。これは、サンダースが長らく英国国防省向けに革靴を供給している実績を基にブランド化した商品で、外羽根の重厚感あふれる短靴やブーツがお家芸。

現在も工場の製造ラインの内、約半分が官庁向けの製品に割り当てられているそう。ヤフオクやメルカリなどでも「UKオフィサーシューズ」として、サンダース製の革靴を良く見かけます。

SANDERS 公式HPより引用

サンダースは「ダークスーツに合わせるドレスシューズ」というよりは、ジャケパンやオフの日兼用のシューズ使いに最適。堅牢な英国靴を日常的に履きならし甲斐のある、スーツを着ない人にもオススメできるブランドです。

また、コンピューター制御システムを用いた量産化によるコストダウンにより、英国の中でも高いコストパフォーマンスを誇るブランド。

近年セレクトショップ等でも高い人気を誇っており、カジュアルシューズやレディースの靴も充実しています。日本でもオンライン/オフライン問わず入手しやすいブランド。

サンダース(SANDERS)革靴 ビジネスシューズ
created by Rinker

第八位:グレンソン(GRENSON)

GRENSON 公式HPより引用

<参考価格>
98,890円

➡特徴&こんな人にピッタリ
・日本での知名度よりは、“良い靴”を作る実力派ファクトリーが好き
・予算に応じてラインを選べ、レディースやカジュアルシューズも充実している
・武骨なフォルム×高耐久な靴が良い

グレンソン(GRENSON)は、ウィリアム・グリーンが1866年にラシュデンの小さな工房で靴製造を始めたブランド。代表的なモデルは内羽根フルブローグで、G-ONE/G-TWOといったネーミングでラインが分かれています。

グレンソンの場合、ダークスーツにも合わせられる革靴まで手掛けていることが特徴。それでいて、メンズのカジュアルシューズからレディースの革靴まで展開する総合的シューズブランドです。

木型や特定のモデル名が非常に有名というわけではありませんが、実力派のファクトリーであることは間違いありません。現在は生産中止となっている最高峰のG-ZEROラインはクロケット&ジョーンズのハンドグレード以上、G-ONEもチャーチやチーニー以上のレベル。

ラストは#73#103が比較的メジャーですが、いずれもミドルノーズ~ややロングノーズ程度のラウンドトウで、クセの少ない型が中心。ウィズも(E/EX/F/FX/Gと少し変わった表記ですが)細め~広めまで用意されています。

また、一昔前よりは聞かなくなった気もしますが、実は日本でもオンラインで買いやすいブランド。楽天市場やZOZO、ロコンドなどで積極的に販売されています。

その他、ラバーソールはビブラムソールが中心。ビブラムソールの方がダイナイトソールよりも耐久性に優れているため、体重が重めの方にもピッタリ。

グレンソン(GRENSON)革靴 ビジネスシューズ
created by Rinker

第九位:クロケット&ジョーンズ(CROCKETT&JONES)

TRADING POST 公式HPより引用

<参考価格>
119,900円

➡特徴&こんな人にピッタリ
・歴史ある英国の実力派既成靴ブランド
・中庸~ややエレガント程度の程よいバランス
・実力とモデル名の知名度、どちらも重視したい人向けのシューズブランド

クロケット&ジョーンズ(CROCKETT&JONES)は1879年創業、ジェームズ・クロケットとチャールズ・ジョーンズによって設立されたファクトリー。

英国靴の名だたるビスポークメーカーのOEM生産を担当しつつ、近年はストレートチップの「オードリー」など自社モデルでも頭角を現したブランドです。

1997年にロンドンのジャーミンストリート、1998年にパリに直営店をオープンし、2002年に発表した#337(パリラスト)がヒット。また、近年は#367ラスト(ハーフサイズアップ)という、#337のウエストを絞った&踵を小さくした木型も発売しており、個人的にはかなりの傑作だと思っています。

クロケット&ジョーンズは主にスタンダードラインハンドグレードラインの二種類に分かれ、ハンドグレードラインはオークバークソールにヒドゥンチャネル、半カラス塗りと高級感溢れる仕様です。

私が最初に買った英国の高級革靴ブランドは、クロケット&ジョーンズのハンドグレード(#337ラスト)でした。革質も良く、ソールの材質も良かったですね。アッパーのステッチがもう少し丁寧だと文句なしですが、革質やソールとブランドネーム両方を重視したい方にオススメできます。

また、ダニエル・クレイグ演じる「007」シリーズで、ジェームズ・ボンドが履いている靴もクロケット&ジョーンズ(以前はジョンロブやチャーチも履いていました)。ブランド力の面においても、同様にOEM中心であった競合より一歩リードしている印象。

クロケット&ジョーンズ(CROCKETT&JONES)革靴 ビジネスシューズ
created by Rinker

第十位:ジョージクレバリー(GEORGE CLEVERLEY)

BEAMS 公式HPより引用

<参考価格>
121,000円

➡特徴&こんな人にピッタリ
・歴史ある名店から発売されているスタンダードな既成靴
・エレガントなディテールの靴が好き
・クロケット&ジョーンズの造り×少し変わったモデルが良い

ジョージクレバリー(GEORGE CLEVERLEY)は、1958年創業のビスポークから始まった英国を代表するシューメーカー。1994年から既成靴をローンチしており、現在ではジョージクレバリー社のスタンダードラインとなっています(プレミアムラインは先述の「アンソニークレバリー」)。

既成靴はクロケット&ジョーンズがOEM生産しており、ハンドグレードライン相当の靴にフィルドバック仕様などを加え、よりエレガントなディテールとなって展開されています。

また、ビスポークブランドとしてのジョージクレバリーは、独特なエレガンスと「手袋みたい」と表現されるほどのフィット感が評判となったビスポークシューメーカー。帝政ロシア時代にトナカイの皮を鞣して製造されていた幻の「ロシアンカーフ」を使用したことでも話題となりました。

ジョージクレバリー(GEORGE CLEVERLEY)革靴 ビジネスシューズ
created by Rinker

第十一位:バーカー(BARKER)

BARKER 公式HPより引用

<参考価格>
49,500円

➡特徴&こんな人にピッタリ
・高級紳士靴のエントリー的ブランド
・軽量で対滑性に優れたダイナイトソール
・無難な通常ラインとは対照的な、特徴的な特別ラインにも興味がある

バーカー(BARKER)は1880年にノーサンプトンで創業した老舗ブランド。高級英国靴の中では比較的廉価な価格帯で展開されており、英国革靴初心者にもピッタリなメーカーです。

バーカーはダイナイトソールの採用率が非常に高く、レザーソールと比べて軽量で滑りにくいことが特徴。また、革質も3、4万円台の国産靴よりも優れている個体が多いです。

革質や踵などのフィッティングの点においては10万円クラスの革靴とは比べられないものの、十分良い靴に見えるレベルです。楽天市場などでお買い得価格になっていることが多く、サイズも標準的なのでトライしやすさも◎。

その他、バーカーブラック(BARKER BLACK)という、2005年にデリック&カーク・ミラー兄弟によってニューヨークで創業したブランドの製造も担当しています。

バーカーブラックでは、ドクロをモチーフにした面白いコレクションが見られます。特徴的なレースの通し方や、ローファーが代表的なモデル。

価格も10万円前後と高額になりますが、高級感もアップしていることも特筆事項。単なるスーツ用の革靴というより、ポイントとして取り入れるためのライン。

バーカー(BARKER)革靴 ビジネスシューズ
created by Rinker

第十二位:トリッカーズ(TRICKER’S)

TRICKER’S 公式HPより引用

<参考価格>
104,500円

➡特徴&こんな人にピッタリ
・現存するノーザンプトン最古の英王室御用達シューズブランド
・重厚感あふれるブーツやシューズが中心
・コラボや別注モデルも豊富で、日本でも入手性が高い

トリッカーズ(TRICKER’S)は1829年、ジョセフ・トリッカーが創業した現存するノーザンプトン最古のシューメーカー。チャールズ英皇太子の紋章が掲げられる英王室御用達(ロイヤルワラント)ブランドのひとつです。

トリッカーズはドレスシューズの展開もありますが、なんといっても写真のブストウストウ」や、プレーントウの「バートン」が有名。ベンチメイド(分業ではなく製造工程作業を一気通貫で1人の職人が請け負う製造方法)や頑強なグッドイヤー製法によって、タフな靴を作り上げています。

造りの精密さや凝り方よりは、有名モデルの独特な世界観による魅力を味わうブランドです。別注品が多すぎて把握しきれないブランドとしても有名。日本のブランドだけでも何十とあると思います。

トリッカーズ(TRICKER’S)革靴 ビジネスシューズ
created by Rinker

第十三位:ローク(LOAKE)

Madras 公式HPより引用

<参考価格>
56,100円

➡特徴&こんな人にピッタリ
・リーズナブルでコストパフォーマンスの高い英王室御用達ブランド
・価格に応じてラインを選びたい
・地味だが“そこそこの良い靴”は履きたい

ローク(LOAKE)は1880年創業、ノーサンプトンでトーマス、ジョン、ウィリアム・ロークの3兄弟により設立されたブランド。2007年には英王室御用達に認定された、そこそこの靴を比較的リーズナブルな価格で展開するブランド。

ロークはさまざまなラインを展開していることが特徴。たとえば、

  • LOAKE 1880 CLASSIC
  • LOAKE 1880 COUNTRY
  • PROFESSIONAL

などが挙げられ、CLASSICで日本国内販売価格6万円程度、リーズナブルなラインで3万円台と破格。「モデルに凄い魅力がある!」というわけではないのですが、ハードルの低さが魅力。

その他、バッグやベルト、革小物も展開している幅広いブランド。英国靴を気軽に試したい方にはピッタリです。

ローク(LOAKE)革靴 ビジネスシューズ
created by Rinker

第十四位:チャーチ(Church’s)

Church’s 公式HPより引用

<参考価格>
166,100円

➡特徴&こんな人にピッタリ
・英国靴の中でも特に知名度が高いブランド
・有名モデル×既成靴らしさのある独特の雰囲気に惹かれる
・コストパフォーマンス?そんなの関係ねえ!

チャーチ(Church’s)は、1873年にノーサンプトンで創業した英国高級靴の中でも代表的なブランド。インソックに“Famous English Shoes”と記載があるのは伊達ではなく、英国靴の中で最もどの時代も活躍したブランドかもしれません。

昭和後期の日本でも「憧れの革靴ブランド」として知名度が高く、代表的なモデルはストレートチップの「コンサル」、セミブローグの「ディプロマット」、フルブローグの「チェットウィンド」、プレーントウの「シャノン」など、枚挙に暇がありません。チェットウィンドはトニー・ブレア英元首相の愛用シューズとしても有名でした。

チャーチの靴に対する歴史的な貢献度はすさまじく、現在の革靴の基礎を作ったブランドです。チャーチは初めて靴に左右の違いを生み出したり、ハーフサイズ刻みのサイズ展開を行ったブランド。

その他、ポリッシュドバインダーという、革の表面に樹脂加工を施したレザーもチャーチの特徴です。ガラス革に抵抗ある革靴好きの方も多いと思いますが、雨の多い英国で水に強い&高級感も残る便利な仕様として誕生しました。この辺りも「あくまで日常使いできる既成靴ブランドです」感があって好きです。

私の中では間違いなく一番集めた靴ブランドで、今でも大好きです。(正直、造りはそこまで大したことないのですが)トリッカーズ同様、モデルの魅力で勝負するブランド。

(2021年には一夜にして約30%の値上げを行い、2022年にも更に15%ほど値上げするなど)「ブランドとは」を私たちに手厳しく教えてくれますが、私のように「有名モデル×あえての既成靴感」を求める変わった方にはオススメ。

私がこれまで確認しただけでも、CC41(第二次世界大戦中の物質統制商品)から筆記体、都市名表記ナシ、2都市(LONDON/NEW YORK)、3都市(+PARIS)、4都市(+MILANO、ここからプラダグループ傘下)、5都市(+TOKYO、現行品)と、時代ごとにインソックに記された都市などの表記が異なります。3都市も前期と後期で造りのレベルが大分異なるなど、ヴィンテージ品の年代も大まかに特定できることも特徴。

チャーチ(Church’s)革靴 ビジネスシューズ
created by Rinker

で、どの英国靴ブランドを選べば良いの?

英国靴は特徴も価格も多種多様。実際に選ぶ際には予算はもちろんですが、まずは「見た目や雰囲気が好きかどうか」だと思います。

価格と品質のバランスなら日本メーカーや東欧靴が最強なので、そもそも英国靴を選ぶ理由がありません。個人的には靴で最も重要なのは「サイズ感が自分に合っていること」だと思いますが、価値観はそれぞれ。

その中で、

  • 特定モデルやブランド色の強いタイプ
  • 既成靴らしいコストパフォーマンス重視タイプ
  • ハンドメイドスーツと合わせる造りのブランドを選ぶ

などに分かれると思います。

特定モデルやブランド色の強いタイプ

こちらは、ジョンロブやエドワードグリーン、トリッカーズ、チャーチなどが代表的。英国靴はブランドの長い歴史や格によって培われた、名作揃いであることは間違いありません。

例えば、スキンステッチの施されたUチップといえばエドワードグリーンのドーヴァーですし、カントリーブーツといえばトリッカーズのストウです。それぞれ、代名詞的な存在になっていることは間違いありません。

(エドワードグリーンのトップドロワーはさておき)、これらは価格に対して物凄く高品質な作りではないものの、愛すべきアイコンモデルによる魅力を発信しているブランド。

既成靴らしいコストパフォーマンス重視タイプ

一方、チーニーやサンダース、バーカーなどは「それなりの高級品で既成靴っぽい」ことが特徴。所有欲を満たしつつ、実用品としても使っていくパターンは既成靴を選ぶ理由にもなります。

私が英国の既成靴と接する際のスタンスは、こちらの方が近いと思います。私の場合はチーニーが好きでスーツを着る日にはよく愛用しています。以前はチャーチでした。

ちなみに、クロケット&ジョーンズは微妙なところで、やや「ブランドタイプ」寄りの「実力派タイプ」も少し入っているような塩梅だと思います。

ハンドメイドスーツと合わせる造りのブランドを選ぶ

ガジアーノ&ガーリングや、フォスター&サン、アンソニークレバリーなどは、ビスポークらしさを感じさせる靴。リングヂャケットマイスターや、クラシコイタリアなどのハンドメイドスーツと合わせるのに適しています。

ちなみに、あなたの好みや足形に合うかは別として、今回ご紹介している中で最も優れた造りの靴はガジアーノ&ガーリングだと思います。グッドイヤー・ウェルテッド製法ですが、革質は総じて非常に良いですし造形もかなり追求して作られています。

そして、フォスター&サンも(残念ながら生産停止していますが)、10万円台でこの造りは非常に優秀。

個人的にはモデル名でカッコよくなるわけではないと思っているので、どちらかといえば東欧靴や旧ボノーラ、シルバノラッタンジのようなハンドソーンの既成靴やビスポークの方が好きです。

しかし、ブランド力やコスパによる魅力も感じないわけではありません。ふとたまに英国靴も履いてみたくなるのは、やはり既成靴的な魅力や、英国靴的魅力が存在するからだと思います。

ぜひ、あなた自身の価値観をおさらいして選んでみてくださいね。

(良かったら、Twitterなどで拡散してくれると嬉しいです!)

↓他国のシューメーカーも見てみる!

SHOLL(しょる)
皆さまこんにちは。“SHOLLWORKS”運営者のSHOLL(しょる)と申します。

1987年、山梨県甲府市生まれ。国内デザイナーズブランドを経て、ファッションコングロマリットのブランドでデザイナー職を経験。

現在は東京在住、デザイナー含め様々な事業に携わっています。





シェアお願いします!
  • URLをコピーしました!
目次