- イタリアのスーツに定評&ラインナップの中心になっている21ブランドを厳選
- ブランド解説や、どんな人向けか&おすすめ度も掲載
- イタリアスーツの特徴やスタイルも解説しました
こんにちは、しょるです。今回は、イタリアのスーツブランドを21ブランド、一挙にご紹介させていただきます。
また、後半部分では、イタリア式のスーツの特徴&スタイルについても解説しました。合わせるべきネクタイやシャツなども記載したため、ぜひ参考にしてください。
個人的にも、好きなスーツブランドが多い注目のイタリア編。早速、参りましょう!
【2023年最新】イタリアのスーツブランド21選|【プロ視点】特徴やスタイルも解説
アットリーニ(Cesare Attolini)
ISETAN MENS net より引用
- <参考価格>
- 693,000円
➡特徴&こんな人にピッタリ
・イタリア製で最高のスーツブランド
・モノだけでなく、歴史への貢献度なども選ぶ基準にしている
・予算に糸目は付けないで、最高に触れたいレア度: (4.8 / 5)
クオリティ: (4.8 / 5)
おすすめ度: (4.8 / 5)
チェザレアットリーニ(Cesare Attolini)は、1930年創業。最高品質のフルハンドメイドスーツを手掛けるサルトで、「ナポリ仕立て」の生みの親でもあるブランドです。
バルカポケットやマニカカミーチャ(雨降らし袖)といったナポリ特有のディティールは、創業者ヴィンチェンツォ・アットリーニが考案したディテール。個人的には、イタリア系スーツの頂点だと思っています。
既製服でも並のビスポークを凌駕する作り&極端に扱いにくい素材のモデルも少ないため、極めてオススメ度の高いブランド。購入は、一部の百貨店やBEAMSで可能です。
キートン(Kiton)
- <参考価格>
- 682,000円
➡特徴&こんな人にピッタリ
・イタリア製で最高のスーツブランド
・素材や世界観や格においても、他のブランドとの違いをアピールしたい
・予算に糸目は付けないで最高に触れたいレア度: (4.8 / 5)
クオリティ: (4.8 / 5)
おすすめ度: (4.6 / 5)
キートン(Kiton)は1968年、7代に渡って続く服地卸商を家業とする、故チロ・パローネによって立ち上げられたブランド。同じくイタリアのアットリーニと並ぶ、世界最高のメンズブランドのひとつ。
「世界で最も美しい服を作る」というブランドコンセプトを、最高の素材と技術を以て実現します。ブランド料も高いブランドですが、クオリティ面でも非常に優れています。
価格帯は、通常のウールのスーツでも70万円程度~のレンジ。さらに、極細のウールやカシミアに加え、ビキューナなどの超希少素材を用いたものは、200万円に迫るものも。
イザイア(ISAIA)
ISETAN MENS net より引用
- <参考価格>
- 363,000円
➡特徴&こんな人にピッタリ
・高品質×ブランド力を両立したスーツを探している
・独特のブランドロゴ×柔らかい雰囲気
・ファクトリーブランドの中でも、モデル名で語られるような知名度のスーツレア度: (4.5 / 5)
クオリティ: (4.3 / 5)
おすすめ度: (4.5 / 5)
イザイア(ISAIA)は、1920年代にエンリコ・イザイアが始めたサルト。
「独特のブランド感」と「良いスーツ」の両方を提供してくれることが特徴で、「デザイナーズブランドよりもハイクオリティなスーツが欲しいけれども、ブランドイメージも重視したい」という方にオススメ。
スーツは、「グレゴリー」というモデルが特に有名。効率よくマシンメイドも取り入れた、ハンドメイドのハイブリッドスーツです。その他、「コルティナ」「セーラー」といった、ハンド率の高いモデルもメジャーなモデルです。
ジョルジオアルマーニ(GIORGIO ARMANI)
ARMANI 公式HPより引用
- <参考価格>
- 550,000円(マンハッタン)
➡特徴&こんな人にピッタリ
・誰もが知る高級スーツブランド
・予算に合わせたラインから選びたい
・モード性が高く、先進的×ラグジュアリーなクラス感あるスーツレア度: (4.0 / 5)
クオリティ: (3.8 / 5)
おすすめ度: (3.8 / 5)
ジョルジオアルマーニ(GIORGIO ARMANI)は、ミラノのトップブランド&イタリアおよび、世界を代表するラグジュアリーデザイナーズブランド。
メンズスーツといえば、「アルマーニ」を思い浮かべる人も多いブランド。「アルマーニのスーツ」というワードは、多くの方が聞いたことがあるのではないでしょうか。
1965年、ヒットマンのデザイナーに抜擢されたジョルジオ・アルマーニは、1975年に自身の名を冠するシグネチャーブランドを設立。以降、80年代のソフトスーツブームを経て、ミラノのトップブランドとして君臨しています。
ファーストラインのジョルジオアルマーニだけを切り取っても、スーツの価格帯が広いブランドです。SOHOラインなど、ベーシックなもので30万円程度、メイド・トゥ・メジャー(セミオーダー)のハンドメイドラインで70万円程度。
(上位ラインは)デザイナーズブランドとしては非常に優秀なクオリティで、ブランド力はいわずもがな。コストパフォーマンスが高いとは言えませんが、いわゆる、ハイブランドのスーツが欲しければ非常に良い選択肢です。
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ベルべスト(Belvest)
Belvest 公式HPより引用
- <参考価格>
- 324,500円
➡特徴&こんな人にピッタリ
・イタリア製で高品質×ブランド力を両立したスーツを求めている
・ファクトリーブランドの中でも、紳士服好きの中で有名
・モデル名で語られるような知名度のスーツレア度: (4.2 / 5)
クオリティ: (3.8 / 5)
おすすめ度: (3.8 / 5)
ベルベスト(Belvest)は1964年、アルド・ニコレットが立ち上げたファクトリーブランド。日本の服好きの中では、知名度の高いイタリアの高級スーツブランドです。
創業以来、オーダーメイドを維持しつつも展開した高級既製服(プレタポルテ)が欧州を中心に広まり、かつてはエルメスのスーツをOEM生産していたことでも知られます。
芯地を使用せず折りたためるほどの軽いモデル、「ジャケットインザボックス」が有名。マシンメイド箇所が多いのですが、ニットジャケット的な使用ができるため、オフィスカジュアルにも対応できる点が◎。
ラルディーニ(LARDINI)
BEAMS 公式HPより引用
- <参考価格>
- 144,100円
➡特徴&こんな人にピッタリ
・10万円台中盤×イタリア製のファクトリーブランド
・紳士服好きの中で名の通った“カッコいい”ブランドが好き
・ブランドのトレードマークが特徴的レア度: (3.8 / 5)
クオリティ: (3.4 / 5)
おすすめ度: (3.4 / 5)
ラルディーニ(LARDINI)は1978年創業、イタリアのフィロットラーノで創業したファクトリーブランド。10万円台のイタリア製スーツで、“カッコいいもの”を求めている方にピッタリです。
ラルディーニは、ドルチェ&ガッバーナやヴェルサーチェといった、イタリアのトップメゾンのOEMを担当していたことで有名になったブランド。現在は、ファクトリーブランドとして世界的に展開しています。
クオリティ的には、日本編で紹介した百貨店ブランドと総じて同じくらいですが、ブランド力やイメージには優れます。ラペルに刺されたウールの花とシャープなラインが特徴で、人気ブランドの地位を確立しました。
タリアトーレ(TAGLIATORE)
BEAMS 公式HPより引用
- <参考価格>
- 132,000円
➡特徴&こんな人にピッタリ
・10万円台中盤×イタリア製のスーツブランド
・紳士服好きの中で名の通った“カッコいい”ブランドが好き
・イタリアらしい、大胆で色気のあるブランドレア度: (3.8 / 5)
クオリティ: (3.4 / 5)
おすすめ度: (3.4 / 5)
タリアトーレ(TAGLIATORE)は1998年、ピーノ・レラリオが創業したファクトリーブランド。日本でもビームスなどセレクトショップを中心に見かけることの多いブランドです。
タリアトーレのジャケットは、大きなラペルと絞り込まれたドロップによる独特のセクシーさが特徴。こちらも、ラルディーニ同様、10万円台で“カッコいい”イメージを獲得したい人にオススメ。
ブランド名は、幼少からテーラーの道を志していたピーノが、祖父が靴の革を裁断する「タリアータ」であったことから命名。タリアトーレはその他、映画「バットマン」の衣装も担当しました。
コルネリアーニ(CORNELIANI)
ISETAN MENS net より引用
- <参考価格>
- 220,000円
➡特徴&こんな人にピッタリ
・10~20万円台前半の価格帯×イタリア製のスーツブランド
・紳士服好きの中で名の通ったブランド
・予算や嗜好に合わせたラインから選びたいレア度: (3.8 / 5)
クオリティ: (3.6 / 5)
おすすめ度: (3.4 / 5)
コルネリアーニ(CORNELIANI)は、1958 年創業。イタリアンクラシックをブラッシュアップしたコレクションが特徴のファクトリーブランド。
ファーストラインは、上述のラルディーニやタリアトーレよりもやや高価格帯で、クラシックさが強めなスーツを展開しています。よりクラス感を演出したい、大人の男性向き。
一方、セカンドラインの「CC COLLECTION」など、廉価×スタイリッシュなラインも展開されており、幅広いチョイスが可能になっています。こちらは、YOOXなどでかなりの廉価で販売されていることも特筆点。
ボリオリ(BOGLIOLI)
Boglioli 公式HPより引用
- <参考価格>
- 144,100円
➡特徴&こんな人にピッタリ
・10万円台中盤×イタリア製のスーツブランド
・紳士服好きの中で名の通った“カッコいい”ブランドにしたい
・アンコンジャケットにおける代表的なファクトリーブランドレア度: (3.8 / 5)
クオリティ: (3.4 / 5)
おすすめ度: (3.4 / 5)
ボリオリ(BOGLIOLI)は1974年創業。有名ブランドのOEMを担当してきたことで知名度を上げた、実績あるファクトリーブランド。
パッドや芯地を省略した、アンコンジャケットが代名詞となっています。特に、2000年に発売された「Kジャケット」や、2008年に発売された「ドーヴァー」は世界的にも有名。
10万円台の“カッコいい”イメージのあるブランドたちの中では、最も個々のモデルが有名なブランドではないでしょうか。ブランドイメージや見た目が好みであれば、YOOXなどで購入するとお得です。
サルトリア・ダルクオーレ(Sartoria Dalcuore)
ISETAN MENS net より引用
- <参考価格>
- 374,000円
➡特徴&こんな人にピッタリ
・非常に優れたハンドメイドスーツが欲しい
・独特なパターン×色気あるカッコよさ
・知る人ぞ知る超名門ブランドレア度: (5.0 / 5)
クオリティ: (4.8 / 5)
おすすめ度: (4.8 / 5)
サルトリア・ダルクオーレ(SARTORIA DALCUOLE)は、イタリアのスーツブランドの中でも、トップクラスのハンド率を誇るフルハンドメイドスーツが特徴。
故・ルイジ・ダルクオーレによって立ち上げられたサルトは、知る人ぞ知るブランドです。知名度こそアットリーニやイザイアといったブランドには譲るものの、非常に高い評価を獲得している“玄人向け”感も良いですね。
スーツは、一枚襟に身頃は二枚裁ちで製作されており、独特の切り替えラインが「ダルクオーレらしさ」を演出しています。カッコよさ、クオリティ、独自性を非常に高いレベルで持ち併せる、今回ご紹介する中でもイチオシのスーツブランド。
アルフォンソ・シリカ(Alfonso Sirica)
BEAMS 公式HPより引用
- <参考価格>
- 360,800円
➡特徴&こんな人にピッタリ
・非常に優れたハンドメイドスーツが欲しい
・外側も内側にも表れる上質なハンドメイド感
・知る人ぞ知る超名門ブランドレア度: (5.0 / 5)
クオリティ: (4.8 / 5)
おすすめ度: (4.8 / 5)
アルフォンソ・シリカ(Alfonso Sirica)は、非常に優れたハンドメイドスーツを少数生産している点が特徴。ダルクオーレ同様、知る人ぞ知るイタリアのサルトです。
縫い合わせはハンドメイドが中心で、外側も内側も手縫い感を演出しつつ、抜群の着心地を提供してくれます。一方、(ナポリのサルトには珍しく)CADによるパターンメーキングを起こしているそう。
販売はダルクオーレと同様、BEAMSで販売しています。BEAMSは他のセレクトショップと比べ、スーツのチョイスが抜きん出ていますね。
スティレラティーノ(Stile Latino)
- <参考価格>
- 352,000円
➡特徴&こんな人にピッタリ
・個性的で色気あるスーツが欲しい
・そこそこのハンドメイド率に、遊び心ある生地素材を使用
・派手でも上品という絶妙なバランスレア度: (4.5 / 5)
クオリティ: (4.3 / 5)
おすすめ度: (4.5 / 5)
スティレラティーノ(Stile Latino)は2004年、先述のアットリーニ経営一族である、ヴィンチェンツォ・アットリーニが立ち上げたブランド。
「ラテン式」を意味するブランド名の通り、イタリアらしい色気あるスーツやコートを展開。テキスタイルも、アットリーニなどでは見られないような、“攻めた”ものも楽しめます。
ハンドメイド箇所は“そこそこ”ですが、クラシック過ぎない意匠性×クオリティを両立したスーツが欲しい人にオススメ。
ガボ(gabo napoli)
BEAMS 公式HPより引用
- <参考価格>
- 165,000円
➡特徴&こんな人にピッタリ
・今、注目のイタリアスーツブランド
・「ナポリ仕立て」を10万円台という価格で実現
・華奢な日本人向けモデルも充実レア度: (4.5 / 5)
クオリティ: (4.3 / 5)
おすすめ度: (4.7 / 5)
ガボ(gabo)は2013年創業。10万円台というプライスゾーンにも関わらず、非常にハンドメイド箇所が多い注目のナポリのサルトリアです。
元々は、1925年創業の工房に端を発し、現在はジャンフランコ・アルトベッリ&ジュゼッペ・ニコーテラの二人によって経営されているブランド。ブランド名は、二人に共通するアルファベット「G」に、スーツを意味する「アビート(Abito)」を並べたことに由来するそう。
サイズ感においても、肩幅や胸囲が狭めのモデルが多いことが特徴。日本人の体型と相性が良い場合も多いと思います。BEAMSや楽天市場でも販売されている他、日本編で紹介したエストネーションなどでも購入可能。
デ・ペトリロ(De Petrillo)
ISETAN MENS net より引用
- <参考価格>
- 190,300円
➡特徴&こんな人にピッタリ
・イタリア製で“高コスパ”なスーツ
・ブランドとしての歴史の長さよりも造りの良さを重視している
・周りとあまり被らないブランドが好きレア度: (4.5 / 5)
クオリティ: (4.2 / 5)
おすすめ度: (4.6 / 5)
デ・ぺトリロ(De Petrillo)は、2006年に設立した新鋭サルト。ブランド化による拡大路線よりも、サルトの工房にて一枚ずつ丁寧に仕上げたウェアを提供していることが特徴。
デ・ぺトリロのスーツは、一枚襟で製作されハンドメイド率が高く着心地も良好。元々は「ガイオラ」というブランドでしたが、2014年に創業者ベネデット・デ・ペトリロの名を関したブランド名に変更しました。
リングヂャケット、アットリーニ、ダルクオーレ、ガボ、アルフォンソ・シリカと同じく、今回のイチオシブランドです。
パルジレリ(Pal Zileri)
PAL ZILERI 公式HPより引用
- <参考価格>
- 337,800円(セレモニアライン)
➡特徴&こんな人にピッタリ
・サルトのクラシックさ×デザイン的な特徴を両立している
・予算に合わせた多様なラインから選びたい
・ミラノコレクションの常連だが、周りと被らないブランドが好きレア度: (4.2 / 5)
クオリティ: (3.8 / 5)
おすすめ度: (3.8 / 5)
パルジレリ(PAL ZILERI)は、1970年創業。色気と堅実さを兼ね備えたコレクションを特徴とするサルト&ファッションブランドです。
現在はブランド的な要素が強く、スポーツ、カジュアルからサルトリアラインまで揃えたトータルブランド。ミラノコレクションの常連で、イタリアでも非常に知名度の高いブランドです。
とはいえ、上位ラインである「セレモニアライン」のスーツなど、決してクオリティも低くはありません。タキシードなどブラックタイの取り扱いも充実しています。
カナーリ(CANALI)
CANALI 公式HPより引用
- <参考価格>
- 291,000円
➡特徴&こんな人にピッタリ
・サルトのクラシックさ×デザイン的な特徴を両立している
・国内より海外での知名度を重視したい
・スーツが得意なトータルウェアブランドレア度: (4.5 / 5)
クオリティ: (3.8 / 5)
おすすめ度: (3.8 / 5)
カナーリ(CANALI)は1934年創業、イタリアンラグジュアリー&メンズエレガンスを軸にした、ミラノの名門ブランド。
バラク・オバマが米大統領に就任したとき、愛用していたスーツとしても話題となりました。
現在は、トータルファッションブランド化しており、スーツの品質は“まずまず”といったところ。日本ではあまり知名度が高くはなく、一時期は国内市場からも撤退していましたが、2018年に再上陸を果たしたブランド。
サルトリア・ラトーレ(SARTORIA LATORRE)
- <参考価格>
- 121,000円
➡特徴&こんな人にピッタリ
・比較的リーズナブル×イタリアらしさもある柔らかいスーツを手掛ける
・世界的ハイブランドを手掛けている実力派のファクトリーブランド
・とにかくリーズナブルで良いものが欲しい人にピッタリレア度: (3.8 / 5)
クオリティ: (3.4 / 5)
おすすめ度: (3.8 / 5)
サルトリア・ラトーレ(SARTORIA LATORRE)は1965年、イタリア南部のバーリにて創業したブランド。創業以来、スーツ専門ファクトリーとして、トム・フォードやエトロといった世界的ブランドのスーツをOEM生産してきたメーカー。
最大の特徴は、イタリアの有名ブランドの中で10万円余という圧倒的なコストの低さ。今回、イタリア編でご紹介する中でも最も安く、それでいて、イタリアらしい色気あるスーツを展開しています。
クオリティ面ではマシンメイド中心のスーツですが、デザイナーズブランドと比べると“お買い得感”はあります。日本でもそこそこ入手性が高いので、イタリア的カッコよさにトライしたい方にピッタリ。
エルメネジルドゼニア
Zegna 公式HPより引用
- <参考価格>
- 440,000円(トロフェオ生地)
➡特徴&こんな人にピッタリ
・世界的生地メーカーでもあるブランド
・自社の多種多様な生地でスーツを展開
・紳士服の世界であまりに有名なブランドネーム重視の方にレア度: (4.2 / 5)
クオリティ: (3.6 / 5)
おすすめ度: (3.4 / 5)
エルメネジルドゼニア(Ermenegildo Zegna)は1910年、テキスタイルメーカーとして創業したブランド。世界中のテーラーやブランドへ生地を供給する一方、自身もファッションブランドとして展開しています。
ゼニアのビスポークは、クラシカル×構造面でも拘ったスーツですが、既成スーツはいわゆる“ファッションブランド”。ファッション性を優先した作りになっています。
ちなみに、個人的にオススメなゼニアの生地は、日常使いなら「トラベラー」か「エレクタ」。どちらも、耐久性や防シワ性が高く、日々の相棒として優秀な生地。ダークスーツ用なら「トロフェオ」、夏用の「クールエフェクト」も悪くありません。YOOX.COMで「Ermenegildo Zegna」を覗いてみる!
ブルネロクチネリ
ISETAN MENS net より引用
- <参考価格>
- 649,000円
➡特徴&こんな人にピッタリ
・ラグジュアリーなカシミア製品が好き
・値段には糸目をつけない
・スーツの造りより、トータルファッションブランドの世界観を重視しているレア度: (4.5 / 5)
クオリティ: (3.8 / 5)
おすすめ度: (3.4 / 5)
ブルネロクチネリ(BRUNELLO CUCINELLI)は1978年の創業以来、最高品質のカシミア製品を生み出し続けるブランド。
1985年、創業者ブルネロ・クチネリの妻フェデリカの故郷、中部ペルージャのソロメオ村にある古城を購入し本社としています。さらには、村の住民を従業員として雇用し、村に職人学校まで建てる「町おこし」を実現しました。
ペルージャ地方は元々ニット産業が盛んでしたが、中でもブルネロはカシミヤ素材に注目。今では、ブランドを代表する素材となりました。
ブルネロクチネリは、世界観によるブランドイメージはもちろん、地場産業に根付いた展開も含めて美しいストーリーを描くブランドです。
柔らかでナチュラル、上質なコレクションが魅力のブランドですが、スーツに関しては非常に強気な価格設定。カシミアを代表するイタリアブランド×ブランドイメージが好きな人向けといえます。
YOOX.COMで「BRUNELLO CUCINELLI」を覗いてみる!
【プロが解説】イタリアスーツの特徴&スタイルは?【英国式との違い】
続いて、イタリアスーツの特徴やスタイルについて解説します。
日本編のスーツと比べ、イタリア編で紹介したブランドは高額なスーツが多いことが特徴。
一体、価格の+αは、どういった点にあるのでしょう?
これは、世界的なハイブランドが多いことや輸入品であること、あるいは、ブランドとしての付加価値が大きいことが理由として挙げられます。
とはいえ、ファッションは+αの付加価値に(も)お金を払う分野。付加価値自体にお金を払うことは悪ではありません。
“選ぶこと”は理屈ではなく、最終的には「あこがれに対する感性」の問題です。
だからこそ、イタリアのスーツに関して“知ること”で、あなたは日本のスーツを選ぶべきか、イタリアのスーツを選ぶべきか、他のスーツにするべきかが見えてくると思います。
英国式のスーツと比べ、柔らかくふんわりとしたナチュラルなスーツが多い
イタリア(式)のスーツの特徴として、まず、柔らかくナチュラルなラインが中心となっていること。
上記写真は、向かって左側が英国式、右側がイタリア式のスーツ。英国式のスーツは、肩のラインがパキッとして、袖と肩の繋ぎ目部分がガチっとしているのに対し、イタリア式(右)は、肩から袖に向かってなだらかで自然なラインを描いています。
英国式=ガンダム、イタリア式=エヴァと思ってください。ガッチリしている“モビルスーツ”が英国式、より人間らしい曲線を描いている“人造人間”がイタリア式です。
とはいえ、ひとえにイタリアといっても、(冒頭で触れたように)北部と南部で特徴も微妙に異なります。
具体的には、
- ミラノ(北部)・・・英国式にやや近い、中庸的なことが特徴
- ローマ(中部)・・・セクシーでエレガントなスタイルが特徴
- ナポリ(南部)・・・色彩豊かでハンド感が強く、特に柔らかい雰囲気
といった、大まかな違いがあります。
この中で今回、中心となっているのはナポリ式。アットリーニなどが中心として確立したスタイルを「ナポリ仕立て」と呼び、英国式と明確に差異化された、“最もイタリアらしい”スタイルといえます。
肩パッドなどが薄いor除いたアンコンジャケットが主流
上述の「印象の差」を生んでいる理由は、同じヨーロッパでも生じる「気候の差」「国民性や気質の差」から生まれる、“作りの差”が挙げられます。
例えば、英国は日本と同様に多湿で雨がよく降る&気温も低いため、スーツの生地に厚さが求められる環境。一方、イタリアは英国と比べれば温暖で湿度が低く、スーツの生地も軽さや通気性が重視される傾向にあります。
その結果、英国のスーツは総じて厚地で丈夫な生地が作られ、合わせるように芯地や肩パッドなどの副資材もしっかりしたものが入っています。比して、イタリアのスーツは、副資材が軽く、柔らかいものが使用される傾向に。
近年、世界中のブランドではイタリア式のスーツが多く、中でも、アンコンジャケットという、肩パッドなどが薄めor省略しているものが人気。
アンコンジャケットの普及には、スーツに対する需要の変化も大きな理由。都市部の空調完備や、それに伴い、軽くて動きやすい服が求められるようになったことが挙げられます。
いずれにせよ、イタリア式の「フォーマル感がある中にも軽くて動きやすく、自然な感じ」が、現在のスーツの中心となっています。
【スタイル】同じくナチュラルなシャツやネクタイと合う
あくまで、個人的な感覚ですが、イタリア(系)のスーツでナチュラルなモノは、日本人にも良く合うと思います。全体的に、英国式や米国式よりもオススメできることは間違いありません。
というのも、あまりガチっとしたスーツだと、「彫りの深さ」や「がっしりとした体格」とイメージが揃うため、アジア系の多くが確保するのが難しいからです。
(もちろん、あくまで一般論ですので、そういった特徴の方はガチっとしたスーツが似合うと思います!)
そして、シャツやネクタイなどコーディネートに関しても、ガチっとしたものよりは、ふんわりと柔らかい印象を持ったものがオススメ。
具体的には、立体的&柔らかな素材感で仕立てられたシャツや、芯地が薄いor省略されたスフォデラート仕様のネクタイなど。これらは、下記記事でも一部紹介しているので、ぜひ覗いてみてください。
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