クラークス「ワラビー」ラインナップ徹底紹介|歴史から派生モデル、選び方、コーデまで
こんにちは、しょる(@SHOLLWORKS)です。
「クラークスのワラビー」と聞いて、すぐにその独特のフォルムや、柔らかなクレープソールを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
半世紀以上にわたり愛されてきたこのシューズは、時代やカルチャー、世代を超えてファッションアイコンとしての地位を確立しています。


ワラビーの魅力は、どんな装いにも自然に馴染むシンプルな見た目と、スニーカーのような気軽な履き心地を兼ね備えている点にあります。
ハリウッドの俳優や音楽シーンのアーティストたちが愛用するなど、さまざまなカルチャーで支持されてきた背景もワラビーならでは。
日本でも1970年代から学生や若者を中心に一大ブームとなり、今では性別や年齢を問わず幅広い世代に親しまれています。
本記事では、ワラビーの歴史やモデルバリエーション、選び方やお手入れのポイント、さらにはコーディネートのコツまで、ワラビーの魅力をあますところなくご紹介します。
あなたにぴったりの一足を見つけるためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。
クラークスのワラビーとは?概要と特徴、歴史を解説
Image Photo by Clarks
ワラビーが誕生したのは1966年。
当時クラークス社4代目のランス・クラークが、デンマーク発祥のモカシンシューズに着想を得て開発したとされています。
同年に「第二のデザートブーツ」として北米市場で発売され、ユニークな足型に沿ったデザインと快適な履き心地が時代の気分にマッチし、アメリカでヒットを記録しました。
その名“Wallabee(ワラビー)”は、足を包み込む優しい履き心地が有袋類ワラビーの母親が子を袋で守る様子に似ていることから名付けられました。
Image Photo by Clarks
イギリス本国や日本でも徐々に人気が広がり、1971年には日本にもワラビーが上陸します。
特に、1970年代後半から80年代初頭にかけてはサーファーファッションの波に乗って大学生を中心に大流行し、多くの若者がワラビーを履いていました。
その後も90年代のブリットポップブームやヒップホップカルチャーの中で支持され、近年では著名アーティストとのコラボやストリートファッションのリバイバルにより再び注目を集めています。
発売から約50年以上経った現在でも4月26日が「ワラビーデー」に制定されるなど、ワラビーは世代を超えて愛され続ける、クラークスのアイコンシューズです。
ワラビーのラインナップ(定番モデル&派生モデル)
長い歴史の中で、ワラビーは基本のローカットデザイン以外にも、さまざまな派生モデルが登場してきました。
ハイカットのブーツタイプはもちろん、近年ではソール形状をアレンジした「ワラビーカップ」や、ローファーデザインを取り入れた「ワラビーローファー」、防水素材や新ソールを搭載した進化版など、ラインナップは実に多彩です。
また、素材やカラーも豊富で、定番のスエード(メープル)以外にレザー仕様や柄物テキスタイル、ゴアテックス搭載モデルなどバリエーションも多彩です。
ワラビーはメンズ・レディースともに展開されているモデル。
シーズンごとの新色や限定コラボモデルも多数リリースされていますが、本記事では代表的なモデルに絞って解説します。
ワラビー(Wallabee)
Image Photo by Clarks
価格:26,400円 (税込)
展開:メンズ/レディース(ユニセックス)
サイズ展開:メンズ UK6~12(24~30 cm)、レディース UK3~7(22~26 cm)
最も基本となるローカットのワラビーは、1960年代当時からほとんどデザインを変えていないクラシックモデルです。
アッパー(甲革)は1枚革を袋状に縫い合わせたモカシン構造で、足全体をソフトに包み込むフィット感を生み出します。
代表色のメープル(ベージュ)スエードは特に人気が高く、いわば「ザ・ワラビー」とも言える定番中の定番。
2018年春夏シーズンからスエードに撥水加工が施され、雨や汚れへの耐性も強化されています。
ワラビーブーツ(Wallabee Boot)
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価格:27,500円 (税込)
展開:メンズ/レディース(ユニセックス)
サイズ展開:メンズ UK6~11(24~29 cm)、レディース UK3~7(22~26 cm)
ワラビーブーツは、ワラビーのハイカットモデル。
基本スペックやデザインはローカットのワラビーと同じですが、履き口がくるぶし丈まであるチャッカブーツ型のシルエットです。
寒い季節には足首まで暖かく、春夏もおかしくない丈感がコーディネートのアクセントになります。
こちらも撥水レザー素材のモデルを選べば雪や雨の日にも安心。
木型は同じですが紐を結ぶ位置が高いため、ワラビーよりも甲高さんに合う傾向があります。
ワラビーカップ(Wallabee Cup)
Image Photo by Clarks
価格:26,400円(税込)
展開:レディース中心(限定でメンズ流通あり)
サイズ展開:レディース UK3~6(22~25 cm)、メンズ UK7~11(25~29 cm)※メンズは海外サイズ展開
「ワラビーカップ(Wallabee Cup)」は、ワラビーの定番スタイルにストリートテイストを融合させたモデル。
従来のクレープソールを厚みのあるカップソール(外枠状のソール)で包み込むことで、カジュアルなボリューム感をプラス。
厚底仕様はクッション性や安定感も向上しているため、履き心地もさらに快適に。
ワラビーのリラックス感はそのままに、足元に存在感を持たせたいストリートファッションと相性抜群です。
ワラビーカップ ロー(Wallabee Cup Lo)
Amazonより引用
価格:24,200円(税込)
展開:ユニセックス(主にメンズサイズ)
サイズ展開:UK7~9(25~27 cm)
「ワラビーカップ ロー(Wallabee Cup Lo)」は、ワラビーカップのスリッポン(紐なし)タイプとして登場したモデル。
踵部分が開いたミュールスタイルが最大の特徴で、よりラフに、スリッポン感覚でサッと履ける設計。
ストリートやカジュアルな日常スタイルに加え、リゾートや旅行先での使用にもおすすめできる、ワラビーの新しい可能性を広げる1足です。
室内外問わずリラックスして使いたいシーンに最適です。
脱ぎ履きのしやすさとカジュアルさが際立ち、春夏の軽快な装いにもマッチします。
ワラビーローファー
Image Photo by Clarks
価格:26,400円(税込)
展開:メンズ(レディースは2024AWより別注のみ)
サイズ展開:メンズ UK6~12(24~30 cm)
「ワラビーローファー」は、その名の通りローファーのディテールを取り入れた派生モデルです。
実は1970年代にも一度登場し人気を博した過去があり、約50年ぶりにオリジナルデザインのまま復刻された経緯があります。
甲部分にローファー風のストラップ(サドル)を備えつつ、ワラビー譲りのU字モカシンステッチとクレープソールを組み合わせたデザインで、スニーカー以上ローファー未満の絶妙なカジュアル感が魅力です。
復刻版はブラックとメープルの2色展開で、当時の雰囲気をそのままに楽しめます。
ワラビーEVO(エヴォ)
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価格:22,000円(税込)
展開:メンズ/レディース(木型はメンズベース)
サイズ展開:UK3~10(21~28 cm)
クラシックなワラビーのデザインをベースに、現代の快適性と耐久性を融合させたのが「ワラビーEVO」シリーズです。
見た目は定番ワラビーの雰囲気を残しつつ、ソールにはグリップ力と耐摩耗性に優れるラバーソールを採用。
従来のクレープソールに比べて滑りにくく削れにくい、雨の日やアウトドアシーンでも安心して履ける仕様となっています。
雰囲気とブランドアイデンティティに関してはクレープソールには敵わないものの、その分機能性に優れたモデルです。
ワラビーゴアテックス(GORE-TEX)
Image Photo by Clarks
価格:34,100円(税込)
展開:メンズ/レディース(ユニセックス)
サイズ展開:メンズ UK6~12(24~30 cm)、レディース UK3~7(22~26 cm)
全天候で快適に履きたいユーザーのニーズに応えるのが「ワラビー ゴアテックス(GORE-TEX)」モデルです。
防水透湿素材GORE-TEXを搭載することで、雨や雪の日でもシューズ内部が蒸れにくく、足元をしっかりドライに保ちます。
伝統的なワラビーの外観や履き心地はそのままに、防水・防塵性が大幅にアップしているため、天候を問わずタウンユースからアウトドアまで幅広く活躍。
さらにアウトソールにはビブラムソールを用いたモデルも展開されており、機能性を重視したい方におすすめのモデルです。
ワラビーのサイズ感について
定番モデルから派生モデルまで豊富なワラビーの中から自分に合った一足を選ぶ際は、いくつかのポイントを押さえておきましょう。
甲はローカットとハイカットで締め付け感が異なる
比較ポイント | ワラビー(ローカット) | ワラビーブーツ |
---|---|---|
ひも位置 | 甲の頂点 | 足首の付け根 |
甲への圧迫感 | 強め(ホールド感◎) | 弱め(高い甲に◎) |
踵/足首のホールド | やや甘い | しっかり締められる |
向きやすい足型 | 甲低〜普通/細足 | 甲高/幅広 *細足でも脱げにくい |
まず、「ローカットかブーツか」というシルエットの違いです。
ワラビーとワラビーブーツは同じラストを採用していますが、ブーツはひもを結ぶ位置が1アイレット分上(足首寄り)に来るため、甲を直接締め付けず足首でホールドします。
結果として、ローカットのワラビーは足の甲が低め~通常程度の人に、ワラビーブーツは甲が通常~やや高めの人に合いやすい靴になっています。
サイズ感はスニーカー-0.5cm程度が標準的
Image Photo by Clarks
サイズ選びに関しては、ワラビーはつま先がスクエア気味で横幅もゆったりした木型のため、一般的なスニーカーより同表記サイズでは大きめの履き心地です。
特に、足幅が細めの方は、スニーカーのサイズから0.5cm程度サイズダウンして選ぶことがおすすめです。
日本展開は ワイズ2Eが基準。多くの人が 普段の UK サイズより 0.5 ダウンでフィットするケースが多いですが。
スエードのアッパーが伸びやすい分、最初は甲が若干タイトなくらいが後々ちょうど良くなります。
ワラビーを使ったスタイリング術
最後に、ワラビーを取り入れたコーディネートのポイントについて解説します。
きれいめとカジュアルの中間を行くデザインにより、幅広いスタイルに合わせやすい点が魅力です。
Image Photo by WEAR
たとえばメンズであれば、色落ちデニムやチノパンなど定番のカジュアルボトムスにベージュのワラビーを合わせれば、王道のヴィンテージ感のある上品なカジュアルコーデが完成します。
ブラックやレザー素材のワラビーなら、ワークパンツやカーゴパンツと合わせても程よく落ち着いた印象に。
ゆったりめのシルエットのストリートスタイルを大人っぽく引き締めてくれます。
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足元にボリュームが出るため、オーバーサイズ気味のトップスやワイドパンツとの相性も抜群です。
Image Photo by WEAR
女性がワラビーを履く場合も、メンズライクな足元をあえてスカートやワンピースに合わせることで、ミックススタイルを楽しめます。
Image Photo by WEAR
ワラビーの程よい厚底ソールはスタイルアップ効果も期待でき、スニーカー感覚で履けるのにローファー的な使い方ができるのも魅力です。
防水仕様のモデルであれば野外フェスやキャンプなどアウトドアシーンでも重宝し、アウトドアでもタウンユースでも◎。
このように、ワラビーはコーディネート次第でカジュアルから綺麗めまで自在に使い回せる万能シューズです。
ひとつ持っておけば日常からトレンドスタイルまで幅広く活躍すします。
【Q&A】クラークス ワラビーの疑問に答える
そして、ここまでの内容やその他をまとめて、Q&A形式にしました。
終わりに|“長く愛せる一足”の魅力をあなたの足元に
今回は以上です。
ワラビーは、その普遍的なデザインと履き心地の良さで、世代やファッションの垣根を越えて多くの人に親しまれてきました。
どんなスタイルにも自然に溶け込む一足として、選ぶ楽しみも履く楽しみも味わえるシューズです。
個人的にはワラビーは大学生の頃、ファッション雑誌の裏表紙広告で見かけたのが切欠でした。
なんだかカッコよくはないんだけれど、不思議な魅力がある。
温かみを感じるスエードと生ゴムのソールが何とも自分にとって斬新で、そして決して安くはない投資をして購入したワラビーの歩きやすさや見た目の魅力に“ハマった”靴でした。
この記事では、ワラビーの歴史や代表的なモデル、選び方やコーディネート術まで幅広くご紹介しましたが、どのモデルにもそれぞれの良さと新しい発見があります。
まずは甲が高い人はワラビーブーツ、低い人はワラビーを試してほしいと思いますが、自分に合った一足と出会うことで、日々の足元がより快適に、そしておしゃれに変わるはずです。
気になるモデルをリストアップして、近くの店舗で実際に試着してみることから始めてみましょう。
履き心地や見た目の違いを比べるだけでも、新たな楽しさが見つかるはずです。
あなたの毎日に寄り添うワラビーを、ぜひ一度体験してみてください。
おしまい!
(少しでもお役に立てられたなら、SNSに拡散していただけると嬉しいです!)