ボノーラ、今は無き伝説の革靴ブランドが放つアルチザンを伝える
この記事で分かること
- ボノーラがなぜ伝説扱いされるのか、その歴史・製法・評価の理由
- 旧ボノーラ・サンクリスピン時代・後期ボノーラで何が違うのか、見分け方と魅力の差を整理
- 中古で狙うならどの時代をどう見るべきか、サイズ感や価値判断の軸

こんにちは、しょる(@SHOLLWORKS)です。
本日は、今は無きイタリアの伝説的な名靴ブランド「ボノーラ(BONORA)」について。
最初に言っておくと、革靴マニアでボノーラの名前を知らない人はいません。
ボノーラはイタリアにて1878年に創業し、フィレンツェの工房にて約200工程をほぼ手仕事で仕上げ、週にわずか数足しか作れないという超少量生産を特徴としていたブランドです。
生み出される靴は超高品質、そしてイタリアらしくも英国的でもある美しい靴であり、正真正銘のアルチザンでした。
その技術と美しさで、かつてのジョン・ロブの最上位モデルも手掛けていた、靴好きの間では“伝説”に近い語られ方をするブランドです。
現在、ボノーラに公式サイトはなく販売網も確認できず、関連法人も清算状態の可能性が高く、ブランドとしては実質的に「歴史の中の存在」になっています。
私も二次流通で知ったボノーラですが、何が評価され、何が惜しまれ、なぜ靴好きが今なおこの名前を口にするのか。
本記事では、ボノーラの歴史的背景から近年の時代ごとの靴の変遷、そして最盛期ボノーラの実物レビューまで紹介します。

ボノーラは2000年代に輝きを失い、やがて潰えてしまったかつての名ブランドです。
仮にボノーラが二次流通に現れて状態が良く、マイサイズの一足を見かけたら、私なら必ず買うブランドです。
ボノーラとは?|1878年創業の伝説となった今は無き靴工房

ボノーラは1878年、イタリアで創業したファクトリーブランドです。
創業地については資料が割れており、フィレンツェ説とボローニャ説がありますが、いずれにせよ2000年頃までフィレンツェに工房があったことが確認できます。
ビスポーク中心×少量の既製靴を手掛けていた

元々、ボノーラはビスポーク中心の工房として、一般市場にはあまり出回らないブランドでした。
既製靴は(私が確認できた範囲では)90年代頃からは確認できており(おそらく80年代にもあったと思います)、イタリアに加えて、東京、ニューヨーク、ロンドンなど、ごく限られた店舗×極少量で展開されていたようです。
ボノーラは既製靴においてもビスポーク顔負けの手作業で製作していたため、購入時に付属するブックレットにも、
マエストロ(名人)たちが皮革の裁断から仕上げのつや出しまで・・・(省略)・・・
そのため製造される靴は一週間に6足が限界なのです。
と、日本語で書かれています(日本市場向けのものだから日本語なのだと思います)。

週に数千足を生産するノーザンプトンの「高級革靴ブランド」があることをふまえると、いかにボノーラが手作業×小規模生産でものづくりを行っていたかが伺えます。
200を超える工程をベンチメイド×ハンドソーン
また、ボノーラは200を超える工程を一人のマエストロ(名人)が手掛ける(=ベンチメイド)体制であることが、同じく同梱されていたブックレットにも記載がありました。
先述のブックレットの中表紙には、
この靴は伝統的職人の手法に従い
全工程が一人のマエストロの手作業によって作られたものです。
という文言と、その下にマエストロのサインがあります。
特に、フィレンツェの工房が存在していた時代のボノーラ(~2000年頃まで)は、
- 既製靴でも手仕事の比率が異様に高い
- キメ細かいのに厚さもある、今ではまず手に入らないであろうレベルのアッパー
- 見た目はスマートなのに、とてつもなく手が込んでいる「作りの重厚感」
- 真骨頂ともいえるシームレスヒールなどの美しい造形
- ハンドソーン・ウェルテッド製法に出し縫いまでほぼ手縫い※の「ほぼ10分仕立て」
※フィレンツェ工房時代の既製靴は一部だけミシン、残りの出し縫いは手作業で行う「ほぼ10分仕立て」とも言える工程でした(後に紹介します)。
と、英国靴のような秩序とイタリアらしいハンドメイドが同居している靴です。

色気に特化したイタリア靴とも異なり、仕事はこれでもかというくらい丁寧です。
かといって、英国靴に近いかというとハンドメイド感やカラー展開が異なるという、ボノーラにしかないポジションが確立されていたと思います。
かつてのジョンロブ既製靴の「最高峰ライン」を手掛ける
そして、ボノーラを語るに切っても切り離せない靴ブランドが「ジョンロブ」です。
ジョンロブは1976年にエルメスの傘下となり、1982年に既製靴コレクションを発表しますが、クロケット&ジョーンズやエドワード・グリーンといったさまざまなファクトリーへ外注を始めます。
その中でも、最高峰と評される「イタリア製のジョンロブ」が存在しますが、これをボノーラがOEM製造していたというのは有名な話です。
(これは、ボノーラ自身がジョンロブと同じ木型を扱っていたり、そもそも「イタリア製ジョンロブ」の中敷きがボノーラのものだったりする個体が存在することで裏付けられています。)
たとえば、ジョンロブを代表する「フィリップ」も、「イタリア製フィリップ」はボノーラが製造し、「英国製フィリップ」はエドワードグリーンなどが製造していました。
底付けも他ファクトリー製造のジョンロブが「グッドイヤー・ウェルテッド製法」であることに対し、ボノーラ製のフィリップやウィリアムは「ハンドソーン・ウェルテッド製法」にウエスト部分だけマッケイを採用していました。
こうすることで、アーチ部分をググっと絞る美しさを狙ったのだと思います。
正確な時系列を把握できるほど多くの足数を持っていませんし、Web上でも食い違いが多発しているので「明確にいつから」というのは言えません。
しかし、少なくとも90年代のジョンロブにはいくつかボノーラ製が存在したことが確認できます。
これらはグッドイヤー・ウェルテッド製法ではなく、ハンドソーン・ウェルテッド製法(ウエスト部分はマッケイ)やノルウィージャン・ウェルテッド製法で底付けされていました。

エルメスがボノーラに委託した理由も諸説ありますが、おそらくボノーラの技術を学ぶために製造を委託した、という線が濃厚だと私は見ています。
というのも、前述のとおりボノーラ自体は生産力が非常に低かったことからも、数の戦力としてよりも、クオリティとエレガンスの象徴的位置付けだったと考える方が自然だからです。
2000年代の資本変動と、実質的倒産の現在

ボノーラにおける長い歴史の大部分は分からないことが多いですが、少なくともブランドの終盤において、目まぐるしく製造元やクオリティが変わっていきました。
- ~2000年頃まで:フィレンツェの工房で製造していたMADE IN ITALYの「旧ボノーラ」(さらに以前の日本で流通していた時代と区分する例もあり)
- 2000年~倒産まで:「サンクリスピン」が実質的な工房として既製靴やオーダーを手掛ける(これも「旧ボノーラ」に含められることも)
- 2003年頃~00年代:親会社の破綻で営業停止、その後モレッティ(Moretti)家の資本で復活し、グッドイヤー・ウェルテッドやマッケイ製法による機械製の靴としてリバイバル
- 現在:実質的に倒産状態、ブランド終了
大まかにプロダクトで割ると上記のようになります。
いわゆる「(超)高品質だったボノーラ」とは、フィレンツェ工房時代や、ルーマニアのサンクリスピンが製造を請け負っていた時代のボノーラを指すことが多いです。

実際にモレッティ家初期のボノーラも決して悪くはなかったのですが、それまでのボノーラの「超絶手仕事」感はなかったため、その落差にブランドアイデンティティを見失った感はありました。

イタリアのPambiancoというファッション業界誌では、2007年にアントニオ・モレッティが率いるCalzolai & Pellettieri di Firenzeという企業がドライビングシューズの生産を担い、ボノーラのブランドも保有していることが確認されています。
しかし、現在の商業データ系サイトでは、Calzolai e Pellettieri di Firenze が従業員0名で掲載されており、ボノーラを保有する企業が”in liquidazione”となり、活動を停止していることも確認できます。
(”in liquidazione”は「清算中」を意味するイタリア語です。)
【実物レビュー】手持ちの「旧ボノーラ」を紹介する

実際に、手持ちの旧ボノーラを紹介します。
一枚革のカーフでできたヴァンプローファーで、色はバーガンディー系のダークブラウン。
「イタリア靴といえば伝統的に茶靴」の文化なのですが、まさにその伝統に忠実なような靴です。

ほとんど履いていないので綺麗ですが、四半世紀以上経ってこの状態を維持しているのも、靴の出来が良いからこそです。
ちなみに、ボノーラはやや小さめ(ウィズもEが多く、他ブランドのEよりもやや細めです)で、私はサイズ9でジャストです。
私の場合は人差し指の長いギリシャ型で、踵~人差し指の先端までが27.5cm、親指までが27cm、足幅の一番長い部分が10cm。
スタンスミスで27.5cm、クラークスのデザートブーツやワラビーでUK8.5(US9)、ドクターマーチンでUK9(ちょっと緩い)、大体の英国靴で8.5Fサイズです。

まず、この靴を見て思うのが、
です。
均質できめ細やかなだけでなく、身が締まっていて肉厚さもあって・・・という、ちょっと意味が分からないレベルです。
今ではほぼ見なくなったレベルの革質ですが、キメ細かいけれど厚さもあるからこそ、四半世紀以上経っても製造時と同じようなハリを感じさせます。

当時のボノーラは既製靴が6、7万円程度で販売されていたようですが、今だと50万円出しても余裕で買えないと思います。

アッパーは一枚の革で作られており、「つまみモカ(一枚革をつまむようにして縫ったモカのこと)」によってUチップローファー的な表情になっています。
非常に細やかで緻密なモカ縫いで、この点もイタリアのハンドメイド靴らしさがあります。
革質だけでなく、革同士の縫い合わせがない分、これだけ綺麗な一枚革を取ることも非常に希少です。

アッパーを走るステッチの細かさたるや。
出し縫い部分の目付けの丁寧さたるや。
この辺りも現在の量産靴とは一線を画す仕事ぶりです。

面白いのが、このボノーラは、つま先だけ出し縫いがミシン(5cmくらい)で縫われていて、あとは手作業で出し縫いが行われています。
判別がかなり難しいのですが、よーーーーーーーーく見ると、つま先部分だけ(機械縫いなので)わずかですがピッチの乱れがあります。
フルハンド(十分仕立て)は目付けに沿って手縫いで出し縫いを行えるため、基本的に目付けに対して出し縫いがズレません(職人次第ですが)し、靴から近い部分で出し縫いを行えます。
一方、九分仕立てはミシンを掛けてから目付けを付けることが多く、どうしても目付けの刻みが浅かったり、靴から離れたところにしか掛けられません。
※これがサンクリスピン時代のボノーラになると、底付けはハンドで、出し縫いは全てミシンのいわゆる「九分仕立て」になります。

この靴は目付けを最初に入れているため、この部分だけミシンを掛けていることもあって、ほんのわずかですがズレています。
まさに「ほぼフルハンド」で、私も数えるほどしか知らない希少なブランドのひとつです。

そして、ボノーラの真骨頂であるシームレスヒール。
「ボノーラといえばシームレスヒール」と言う人もいるくらいのお家芸で、見た目の美しさはあらゆる靴ブランドの中でも随一と言って良いと思います。
シームレスヒールは、
- 大きくきれいな革取りが要る
- 踵芯の入れ方が下手だと形が崩れる
- 吊り込みが甘いと左右差や逃げた丸みが出る
という難しさがありますが、旧ボノーラは芯の入れ方や左右差、吊り込みも抜群に上手いです。

また、縫い合わせ部分を内側にオフセットして、その部分の縫い合わせも超丁寧です。

旧ボノーラの既製靴は、ウエスト部分を強く絞り込むわけでもなければ、多くの装飾を施すわけでもありません。
サンクリスピン時代のボノーラになると、主にソールのウエスト部分にウッドネイル(細く立体的なウエスト部分の補強)が打たれたり、装飾的になってきます。
フィレンツェ工房時代のボノーラは(見たことがある範囲では)かなり簡素かつ丁寧なものが多いです。
時代で異なるボノーラの靴|旧ボノーラ/サンクリスピン製造/後期ボノーラ
ボノーラは小さいながらもイタリアのみならず、日本でも事業を展開していた時期がありました。
フィレンツェやローマへの買い付けやセレクトショップでの取り扱い、さらに国内直営店など複数のチャネルがあったため、日本の二次流通市場でも稀に見かけることがあるブランドです。
実際、今では手に入らないレベルの靴だからこそ愛好家も履かずに保管しているケースが多く、状態が良い物も珍しくないのですが、靴好きにとっては、
- どの時期のボノーラがどうだったか
- 時期による見分け方は大まかにどうなのか
という点が気になると思います。
時代によって製造の主体が変わり、それに伴って靴の性格も変化していますが、大きく分けると、
- 旧ボノーラ:ボノーラ自身の工房で作られた最初期〜2000年前後
- サンクリスピン時代:「サンクリスピン」が製造を担った時期(これも「旧ボノーラ」とされることも)
- 後期ボノーラ:モレッティ家の資本下で再始動した時期
という3つの時期があり、個人的には、
という感じでどちらもおすすめです。

シンプルに靴のクオリティはフィレンツェ工房時代が最高なのですが、サンクリスピン時代の、ウエストを絞ってアーチを持ち上げ、踵が小さい靴のフィッティングを好む人も多いと思います。
サンクリスピンは下請けからスタートしたメーカーであるため、どの時代にどこまでボノーラに関わっているかまでは分かりません。
ただし、製造の主体になった時代はソールに明確な特徴があるため、見分けることが可能です。
旧ボノーラ|手仕事の密度が「異常」だった時代
旧ボノーラは、いわゆるフィレンツェ工房時代のボノーラを指します(広義ではサンクリスピン時代までも「旧ボノーラ」に含めるコレクターの方もいらっしゃいます)。
この時代のボノーラは、生産量よりも手仕事を極端に優先しつくしたいわば「異常な既製靴」です。
もちろん、ラッタンジやヴァーシュといった手仕事率が極端に高い靴ブランドは他にもいくつか存在しますが、ボノーラは、
でした。
このあたりは好みもありますが、良くも悪くもラッタンジやヴァーシュのような「ハンドメイド感あるざっくりさ」というものがほとんど感じられない一方、機械式の量産靴とは明らかに様相も異なる「異常靴」です。
そして、その既製靴はなんと2000年当時、わずか数万円程度で販売されていたのだとか。

正直なところ、あまりにも職人的すぎて価格設定とブランディングが上手くできず、工房を閉じ、やがて倒産してしまうという道を辿ってしまったのではと思わずにいられません。
サンクリスピン時代のボノーラも素晴らしい靴です(そもそもサンクリスピン自体が素晴らしいです)し、かなりラストも異なるので、人によってどちらの時代が合う/合わないはハッキリしています。
とはいえ、手仕事の密度と造りの濃さにおいて、旧ボノーラは頭ひとつ抜けていました。
サンクリスピン時代|品質は高いが、性格が異なる

Image Photo by SAINT CRISPIN’S
サンクリスピン(Saint Crispin’s)は1985年に創業した、ルーマニア・ブラショフの小規模工房で年約1500足を作る家族経営のメーカーです。
中・東欧を代表する革靴ブランドのひとつで、ハンドソーンウェルト、ベヴェルドウェスト、アッパーの仕上げまで含めて、間違いなく最高峰のブランドのひとつだと私は思っています。
サンクリスピンも下請けからスタートしており、(それまでも関わりはあったかもしれませんが)ボノーラのフィレンツェ工房閉鎖~2003年頃の倒産まで製造を担っていたそうです。

サンクリスピンは私も大好きなシューズブランドです。

Image Photo by SAINT CRISPIN’S
サンクリスピン時代のボノーラは、主にソール裏のウエスト部分が
- ウエストの絞り込みが強くアーチが立体的
- ウッドネイル(木釘)が打たれている
ことが特徴です。
サンクリスピン時代のボノーラもハンドソーン・ウェルテッド製法ですが、出し縫いは全てマシンの九分仕立てになっていましたし、全体的にも旧ボノーラのようなビスポークを既製靴に落とし込んだような靴ではなくなりました。

品質はメチャクチャ高かったのですが、旧ボノーラの「やり過ぎなくらいの手間」とは少し違う、超優秀な既製靴という感じです。

Image Photo by SAINT CRISPIN’S
ただし、履き味はサンクリスピン時代の方が上だと思う人がいても不思議ではなくて、これは、
- サンクリスピンやサンクリスピン時代のボノーラはアーチが強く持ち上がり、土踏まずにパッド状の支えが入る感触がある(旧ボノーラはそんなにアーチサポートは強くない)
- 旧ボノーラは足幅が細めのEウィズが多く、普通幅~の人は合わない可能性が高い
といった理由で、旧ボノーラよりサンクリスピン時代の方が実用的に優れていると感じる人もいます。

モノはフィレンツェ時代のボノーラの方が上と言えると思いますが、総合的にどちらが良いかは、結局はその人の足による、というのが正直なところです。
そのくらい、サンクリスピン時代のボノーラも侮れない存在です。
後期ボノーラ|「悪い靴」ではないが、旧ボノーラの代わりではなかった
後期ボノーラは、2003年前後の停止後にモレッティ家の資本下で再始動した時期です。
ただし、再始動したボノーラは供給安定のために分業制が導入され、メインラインの”CLASSICA”はグッドイヤー・ウェルテッド製法、軽快な”SPORT”はマッケイ製法、と分けられて展開していました。
後期ボノーラも手に取ったことはありますが、決して悪い靴ではありませんでした。
ただ、本当に普通の高級靴であって、かつてのボノーラが放っていた異常性が一切ない、ただの正常な靴になってしまいました。
つまり、後期ボノーラは、かつての旧ボノーラのような「一人完結型の超濃密な手仕事」からは明確に方向が変わっています。

結局、ボノーラは異常なほど職人技が詰まった「知る人ぞ知る」靴ブランドだったからこそ、一部の顧客に受け入れられていました。
「普通の高級靴」となってしまったら他にも選択肢は沢山あるうえに、かつてのボノーラを知る人からすると口惜しかったのだと思います。
【Q&A】ボノーラの疑問に答える
そして、ここまでの内容やその他をまとめて、Q&A形式にしました。
終わりに|ボノーラという名の”アルチザン”を伝える

今回は以上です。
残念ながらボノーラは、すでにその役目を終えてしまったブランドであるため、公式サイトもなければ、正規の販路も存在しません。
手に入れるとしたら、中古市場でたまたま出会うか、コレクターの放出を待つかという状況です。
旧ボノーラが一次流通していた時代、私は小学生だったので生で体験していたわけではないのですが、どうやら紹介したような靴を僅か数万円で販売してしまっていたようです。
これは当時の価格水準からしても「異常」で、図らずも「とんでもないコスパの靴」だったのだと思います。
もちろん、買う側からすれば素晴らしいことだと思いますし、仮に私が当時にタイムワープしたならば、間違いなく10足は買っていると思います。
しかし、異常なまでの作り込みと経営は全く別、なんなら相反する傾向にあります。
適切な価格とそれを納得させること、量産性とマーケティングの難しさに直面した時代の流れとの衝突が、ボノーラを「今は無きブランド」にしたのだと思います。
一方、今、こうして旧ボノーラを眺めていると、効率化したプロダクトにマーケティングで憧れを乗せたものでは決して手に入らない、工芸的な素晴らしさも感じます。
もし、二次流通で良いボノーラを見付けたら、現在の靴業界のトレンドとは完全に逆行した職人技の塊のような革靴が見られますし、効率化を「しなかった」から潰えたことにたいする功罪を見られるような気がします。

古き良き革靴時代を象徴するようなブランドのボノーラ。
もし、あなたにとってピッタリの一足を手に入れられたなら、革靴観を変えられるような素晴らしいものになると思います。
おしまい!
(少しでもお役に立てたなら、SNSに拡散していただけると嬉しいです!)