クラークス「ワラビー ゴアテックス」をレビュー|サイズ感や選び方、雨専用機としての活用や修理、コーデについても紹介

こんにちは、しょる(@SHOLLWORKS)です。
本日はクラークスのワラビーゴアテックス(Wallabee GTX)について。


「カジュアルシューズ界の大御所」であるワラビーですが、近年はゴアテックスを搭載したモデルも展開しており、機能的・やや都会的な様相が気になる方も多いと思います。
「ゴアテックスが搭載されてどうなるの?」「普通のワラビーよりも高いけれど、実際どう?いつ履けばいいの?」など、ワラビーを普段愛用している人も、クラークスが気になっている人も、抱える疑問ではないでしょうか。
結論、ワラビーゴアテックスは、
- (激しすぎない)雨や雪の日専用機としての運用をおすすめする(晴れの日はいまいち)
- 機能性やケア面では革はヌバックがゴアテックスの相性におけるベスト
- サイズ感は通常のワラビーよりハーフサイズ大きめ(足が縦に長い方は同サイズ)
- コーデはややケミカルなアウターやギアと合う
です。
むしろ、特定の条件下(=大雨まではいかない雨天)においてのみ輝く「局地戦用兵器」だと思ってください。

本記事は、ファッションのプロにしてワラビー歴20年以上の私が、ワラビーゴアテックスが上記の雨の日用にすべき理由と履き心地、サイズ感、ケア方法までまるっとお話しします。
ぜひ、よろしくお願いします!
先に「ワラビーゴアテックス(Wallabee GTX)」のざっくり結論
- ワラビーゴアテックスは雨の日に強いが、完全防水ではない:「長時間の豪雨や豪雪」「履き口まで水位が来る状況」はレインブーツの出番
- 価格は税込34,100円(カラーや時期で変動)
- サイズの基本:公式目安「スニーカーより0.5〜1cm小さめ」に寄せる/通常ワラビーからはハーフサイズ下げが基本(細足の方はそのままのサイズの場合も)
- 素材は「手入れを増やさず、表が濡れにくいもの」が勝ち:個人的には暗色のヌバック系が最もストレスが少ない
- ソール交換はできる場合もあるが防水性は保証外
※サイズ感・修理可否は個人差や店舗差があるため、購入前に公式案内も必ず確認してください。
なぜ、ワラビーゴアテックスは「雨専用機」として割り切るべきなのか
まず、ワラビーゴアテックスというプロダクトの立ち位置を明確にします。

多くの消費者が誤解していますが、ワラビーゴアテックスと通常のオリジナルワラビーは、見た目とモデル名が似ているだけの「全く別の靴」です。
その理由を構造面から紐解いていきましょう。
構造的には「靴下」と「長靴」くらい異なる
ワラビー最大の魅力は、一枚革が足を包み込むような「袋縫い(モカシン構造)」独特の、柔らかくリラックスした履き心地にあります。
いわば革とクレープソールで包み込まれた、クッション性の高い「靴下」のような構造です。

(上図は一般的なゴアテックスの構造ですが、靴の場合はアウターシェル=アッパーと置き替えていただいてOKです。)
対して、ゴアテックスモデルは、
- 内部に「防水の内袋」が入る:ゴアテックスモデルの内部には、ゴアテックスメンブレンを靴下状にしたブーティ(防水内袋)が入ります。イメージは「革靴の中に、もう一枚の防水ソックスを仕込み、さらに保護するメッシュでサンドウィッチしている状態」です。
- ソールが別物:オリジナルのクレープソールとは別の、ゴアテックスは防滑性のあるビブラムソールなどが採用されることが多いです。クレープソールのややずっしりとした柔らかさではなく、軽量で高耐久な軽快な歩行を提供しています。
という、オリジナルワラビーのように柔らかな一枚革のアッパーというものでもありませんし、クレープソールも採用されていません。

上記は私が所有しているワラビーゴアテックスですが、ライニング(靴の中の黒い部分)がメッシュ生地になっていて、その内部にゴアテックスメンブレンが搭載されています。
多層構造になっている分、必然的にオリジナルワラビーのように履いていくうちに革の馴染みが生まれにくい構造です。

実際に履いてみて思うこととして、柔らかな一枚のアッパーに包まれる履き心地、ソールのまったりとした重量感とクッション性に関しては、ワラビーゴアテックスにはありません。
見た目はワラビーですが、構造的には全くの別物と言って良いでしょう。
晴れも雨もこれ一足で「万能」は勘違い、雨の日専用機としての優秀さ
インフルエンサーたちは「晴れの日も雨の日もこれ一足」と言いますが、私は反対です。
ゴアテックスは湿気を逃がす工夫があるとはいえ、外気までのレイヤーの数が少なかったり、物理的な通気口がある靴の爽快感と比べれば劣ります。
特に日本の高温多湿な夏場、晴天の下で履き続ければ、足が「こもる」感覚は出ます。
よくある勘違いとして、
「ゴアテックスは雨水をはじいて湿気は逃がすから快適で蒸れないんだ!」
というものがありますが、構造的に通常のワラビーの方が靴内部の湿気を外に逃がす力は強いです。
つまり、晴れの日なら防水性においても、放湿性においても、ワラビーゴアテックスを履く機能的な意義はありません。
・・・と、ここまで書くと、私がワラビーゴアテックスをイマイチに思っていると思われるかもしれませんが、実際にワラビーゴアテックスは雨の日(豪雨を除く)の中では優秀なプロダクトだと思います。

レインブーツを出動せざるを得ないほどの豪雨・豪雪はでないシチュエーションにおいて、ある程度お洒落ができる靴として重宝します。
公式にも「完全防水ではない」旨は記載アリ
クラークス公式の注意書きとしても、ワラビーゴアテックスは「完全防水ではない」旨が明記されています。
(当然ながら)履き口まで水が来るような深い水たまりや横殴りの雨、豪雪による積もり積もった雪などのシチュエーションではレインブーツを履きましょう。

通常のワラビーとワラビーゴアテックスの違いまとめ
| 比較項目 | オリジナルワラビー | ワラビーゴアテックス | 判定(著者視点) |
| 防水性 | ×(雨で染みやすい) | ○(防水・透湿仕様。ただし完全防水ではない) | 雨の日はゴアテックスが強い。ただし過信は禁物。 |
|---|---|---|---|
| 蒸れにくさ | ○(構造がシンプルで湿度も逃げやすい) | △(内袋がある以上、晴天の快適さには勝てない) | 夏の晴天でワラビーゴアテックスを履く意味はないかも。 |
| 履き心地 | 柔らかく馴染む | オリジナルより硬めに感じやすい | 快適性はオリジナル、機能的安心感はゴアテックス。 |
| サイズの変化 | 履くほど伸びて緩くなりやすい | 大きくは伸びにくい(内袋があるため) | ゴアテックスは「買った時点のサイズ」から変化しにくい。 |
| 運用の最適解 | 晴れ〜曇りの主役 | 雨の日の切り札 | 下駄箱で待機させるほど格好いい。 |
手持ちのワラビーゴアテックスをレビュー|気になるスペックやコーデ面
実際に、私が所有しているワラビーゴアテックスのレビューをします。
全体的な見た目はこんな感じ

私が所有しているのはワラビーゴアテックスのヌバックモデルです。
詳細は後述しますが、ゴアテックスの機能との相性をふまえると、ヌバックかスエードが望ましいです。

パッと見は通常のワラビーとほとんど区別がつきません。

ソールはビブラムソール。
ここは通常のワラビーと外から見た際の相違点で、耐滑性に優れており、しかも軽量で高耐久です。
もちろん、ワラビーのクレープソールには独自の魅力があって私もクレープソールの方が好みですが、ずっしりと重く、べたつきや“ゴミ拾い”をするので賛否が分かれるところです。

ゴアテックスが搭載されていることを示すタグも付いています。
サイズ感は?著者の場合は通常ワラビーと同サイズ
詳しくは後述するサイズ感ですが、結論、私は通常のワラビーと同じサイズ(UK8.5G)でOKでした。
私の場合は人差し指の長いギリシャ型で、踵~人差し指の先端までが27.5cm、親指までが27cm、足幅の一番長い部分が10cm。
スタンスミスで27.5cm、クラークスのデザートブーツやワラビーでUK8.5(US9)、ドクターマーチンでUK9(ちょっと緩い)、大体の英国靴で8.5Fサイズです。
実際に公式や取扱いショップには「ワラビーゴアテックスは通常のワラビーと比べて若干大きめに作られているからハーフサイズ下げ推奨」と書かれています。
ただし、私の場合は細足(足の全長に比べて足幅が狭い)で縦に長いため、ハーフサイズ落とした8Gになると縦の余りが危ない感じです。

確かに普通幅の方であればハーフサイズ下げが◎だと私も思いますが、やや細足~の方は縦幅要注意です。
コーデ面は?ケミカルなアウターとの相性が◎
また、ワラビーとワラビーゴアテックスはコーデ面でも雰囲気から違いがあると感じます。
ワラビーはコテコテのアメカジやトラッドにも合いますが、ゴアテックスモデルはどちらかというと、ややケミカルなシェル(それこそゴアテックスブルゾンなど)や、ギアパンツなどと相性が良いと思います。

私の場合は、ノルウェージャンレインというアウターブランドとよく合わせることが多いですし、あとはデサントのゴアテックスシェルともコーデしています。
ボトムスもストレッチ入りのデニムを選ぶなどを心掛けています。


ワラビーゴアテックスのサイズ感は?通常版ワラビーとの違いも解説
ワラビーゴアテックスの「サイズ選び」も迷いやすいポイントです。
これも結論、普段履いているスニーカーと同じ感覚で買うと失敗しやすいですし、通常のワラビーとも若干異なるため要注意です。

上述のとおり、私の場合は通常のワラビーと同サイズでOKでしたが、概ねハーフサイズ数値表記が小さいサイズを選ぶのが定番のようです。
完璧なサイズガイドは存在しませんが、以下の内容に沿って自分に合いそうなサイズを見定めてください。
公式の基本ルール|メンズは「スニーカーより0.5〜1cm小さめ」


Image Photo by Clarks
クラークスによる公式サイズガイドの目安は明快で、メンズ・レディースともに一般的なスニーカーサイズより若干小さめ(0.5〜1cm)を推奨しています。
さらにワラビーゴアテックスは、公式商品説明として通常のワラビーより少し大きめで、選ぶ際は通常ワラビーよりハーフサイズ下げが推奨されています。

つまり、一般的なスニーカーと比べて1cm~1.5cm小さめを選ぶということになります。
不安な方は必ず試着して購入してくださいね。
初心者向け、サイズ選びの手順
初心者向けに、サイズの選び方をステップにして整理してみました。
あなたの「いつものスニーカーサイズ」を起点にする
まずは、あなたが一番よく履くスニーカーのサイズを1つ決めます。
ナイキでもニューバランスでも構いませんので、迷う人は「最もジャストで気持ちいい一足」にしてください。
公式ガイドでUKの候補を決める
次に、公式サイズガイドの換算を使い、UKサイズの候補を出します。
以下はメンズの代表例です。
| あなたのスニーカー | 公式のUKサイズ | cm換算 |
| 26.0〜26.5cm | UK7.5 | 25.5cm |
|---|---|---|
| 26.5〜27.0cm | UK8 | 26.0cm |
| 27.0〜27.5cm | UK8.5 | 26.5cm |
| 27.5〜28.0cm | UK9 | 27.0cm |
上の表はあくまで「目安」ですが、ひとつの参考にしてください。
通常ワラビーを持っている人は「そこからハーフサイズ下げ」が最短
ここからがワラビーゴアテックスの本番です。
あなたがすでに通常ワラビーを持っているなら、話は早いです。
「通常ワラビーがUK8なら、ゴアテックスモデルはUK7.5」という選び方が公式の推奨です。
足型とソックスで「例外処理」をかける
ワラビーは紐穴が少なく、フィットの微調整が得意ではありません。
だからこそ、最後は選んだサイズを微調整で「あなたの足」に寄せます。
- 幅広・甲高さん:上のStep 2で出したUK候補の「上」を選ぶのが安全です。ワラビーは足幅に対して全長が短いため、無理に下げるとつま先が痛くなる方が多い傾向にあります。
- 甲低さん:かかとが抜けやすいので、UK候補の「下」を試す価値があります。靴の中で足が泳ぐと疲れます。ただし、足の全長が長い方はつま先が当たらないように注意してください。
- 厚手ソックス運用(冬):ハーフサイズ上げたくなる気持ちは正しいです。ゴアテックスは内袋があるので、大きく伸びてくれません。
- 薄手ソックス運用(通勤):かかとが浮かないサイズを優先。薄手ならタイト寄りで成立しやすいです。
最終フィット判定
- かかとが大きく浮かない(歩いても「パカパカ」が主張しない)
- 指先は当たらない(立っても、踏み込んでも爪先が刺さらない)
- 甲が痺れない(内袋があるので、ここが苦しいと後で地獄になりやすい)
ただし、クラークスは全体的に踵の作りは緩めになっています。
踵が合わなくて履かない、苦手な方も多いので、スリッパで歩く感覚が好きな人に向いているブランドともいえます。
アッパー素材のおすすめは?ゴアテックスとの相性から選ぶべき素材はこれ
ワラビーゴアテックスには、(シーズンにも依りますが)スエード、ヌバック、スムースレザーなどが展開されます。
好みで決めていただいてもOKですが、実際にはアッパーの素材によるゴアテックスとの相性があるため、機能的なおすすめ度合いは変わってきます。
ゴアテックスの快適性は内袋だけで完結しないことを押さえておいてください。
表(アッパー)が水を弾かなくなり、びちゃびちゃに濡れると、蒸れやすさが一気に上がります(いわゆる「ウェットアウト」)。

だからこそ、ゴアテックスを搭載したワラビーは表が濡れにくく、余計な油分ケアを足さずに運用できる素材が相性が良いです。
| 機能的相性の順位 | 素材 | 理由 |
| 1位 | ヌバック | ブラッシングと撥水スプレー中心の「引き算運用」がしやすい。油分で膜を殺しにくい。スエードとの差は本当に微差なので、好きな方を選んでOKレベル。 |
|---|---|---|
| 2位 | スエード | ワラビーらしさは最強。ただし毛足がヌバックよりも長い分、若干ながら濡れたときに「ウェットアウト」しやすい(微差ですが)。 水性の撥水スプレー推奨。 |
| 3位 | スムースレザー | (機能面だけで言えばスムースが最も雨をはじきやすいが、)綺麗に保つためのクリーム運用がゴアテックス側の推奨(油脂系を避ける)と衝突しやすい。 |
ヌバックが強い理由は「余計なことをしなくて済む」から
雨専用機の靴、特にゴアテックスが内蔵されている靴に必要なのは、艶よりもいかにゴアテックスの機能を殺さないかです。
ヌバックは、基本がブラッシングと撥水スプレーで成立しますし、スエードよりも毛足が短いことで(若干ですが)濡れて毛足が寝てしまい、ウェットアウトするリスクが低いです。

つまり「やりすぎ」が起こりにくく、その分内部のゴアテックスメンブレンの通気性を潰しにくいです。
スエードは「濡れた後」の顔がすべて
スエードは最もワラビーらしいですし、ワラビーゴアテックスの中でも中心的なアッパー素材です。
ただし、若干ですがヌバックよりも濡れることで毛足が寝て、表面が水膜で覆われやすいため、内袋が頑張っても体感の蒸れに繋がりやすいです。

スエードを選ぶなら、ブラッシングもよりマメに行うと良いですよ。
スムースレザーは「保湿と透湿」のジレンマ
スムースレザーはヌバックやスエードよりも水を弾くため、一見すると正解に見えます。
しかしゴアテックスのケアでは、撥水剤は水性のスプレータイプが推奨され、ワックスやグリス(油脂系)は透湿性に影響し得るため避ける案内があります。
つまり、ゴアテックスが内蔵されていると普段の表革のケアがしづらく、ツヤやオイルを含んだ革らしいメンテや運用ができないことが最大の欠点です。

「どうせ雨専用だし全く手入れしない」という方はスムースも選択肢に入りますが、革の醍醐味を捨ててしまうことになるため、それなら革靴自体の魅力が半減してしまいます。
ゴアテックスワラビーのケア方法は?洗う工程からケア用品まで

「ゴアテックスだから手入れ不要」というのは誤解です。
むしろ、膜があるからこそ“詰まらせないこと”が重要で、汚れや塩分(汗)が溜まると、快適性は落ちます。

詳しくは上記記事でも触れていますが、ゴアテックスは洗った方が良い素材です。
「ワラビーゴアテックス」という靴に搭載されていることもふまえ、正しい洗い方やケア方法を見ていきましょう。
ワラビーゴアテックスの洗い方からケア方法まで、4ステップで解説
ワラビーゴアテックスの洗い方からケア方法まで、4ステップで解説します。
靴紐と中敷きを外す
まず紐を外し、中敷きも外します。
ワラビーゴアテックスは通常のワラビーと異なり、インソールが簡単に外せる作りになっています。
もし入っていた場合、中の砂や小石も振り落とします。
布かブラシで汚れを落とし、必要なら「ぬるま湯+少量の液体洗剤」
表面の泥や汚れは、布やブラシで落とします。
汚れが落ちない場合は、ぬるま湯に少量の液体洗剤を混ぜて拭き洗いし、その後よくすすぎましょう。
スエードやヌバックは、びしょびしょに「漬ける」と風合いに影響が出るため、あくまで“拭き洗い寄り”が安全です。
自然乾燥で極力直接熱は避ける、でも対流式ブーツドライヤーは可
乾燥は自然乾燥が基本で、直接熱(ストーブの前、ドライヤー熱風、直射日光の焼き)を当てないことも重要です(革も硬化してしまいます)。
一方でゴアテックス公式では、対流式ブーツドライヤーの使用は可能とされています。
要するに「高温で焼くな、穏やかに乾かすならばOK」ということです。
撥水(DWR)を戻すためには水性スプレーが基本、ワックスやグリスは避ける
表面が水を弾かなくなったら、撥水を戻しましょう。
ゴアテックスは水性のスプレータイプが推奨されており、撥水ワックスやグリス(油脂系)は透湿性に影響する可能性があるため避けるとされています。
防水スプレーの目的は、表が濡れて重くなり、蒸れやすくなるのを抑えることで、つまり快適性のための撥水です。
ワラビーゴアテックスのソール交換は「可能」だが、注意点あり
ソールはいつか減りますが、「ワラビーゴアテックスが修理できるのか」という点については、
- 修理店によってはソール交換は可能
- ただし、ソール交換の技術=ゴアテックスの防水性能維持保証ではない
です。
ソール交換後、防水性が「保証外」になり得る
防水ライニングを持つ靴のソール張り替えは、構造上リスクが出ます。
ゴアテックスシューズの修理に関しては、修理店によって「ソール張り替え後のゴアテックス防水性能は保証対象外」と明記するケースがあります。
なぜ、防水性能にリスクがあるのか?
防水は、ゴアテックスメンブレンなどの層だけでなく「縫い目や接合部をテープ等で塞ぐ」ことで成立します。
しかし、オールソールはソール接着・剥離・再接着の工程で、内部の層(膜・接着層・シーム処理)にダメージや剥がれが起きる可能性があり、修理店が「元のシーム処理」まで再現できないと、浸水リスクが上がります。
ゴアテックスは、使用や損傷で防水性能が損なわれたケースは対象外になる旨が明記されているため、修理で構造が変わった場合も保証されない可能性があります。

そもそも、オールソール技術とゴアテックスの内袋という「バケツの穴を塞ぐ」技術は同じではないですし、革靴修理店が最適なテープの用意があるとも限りません。
これらの原因で、オールソール交換によって防水性を損なう可能性があります。
修理を断る店があるのは「誠実」でもある
たとえば東京都・品川にある靴修理店のapegoでは、ゴアテックス素材ワラビーのオールソール交換について「2023年以降は受けていない」旨が記載されています。
これは決して靴修理店としての技術がないからではなく(むしろ素晴らしいオーダーメイドと靴修理技術を提供されています)、リスク管理として誠実な線引きです。
あなたは「雨専用機」を延命したいのか?
というわけで、ここまでの内容もふまえると、ワラビーゴアテックスは存在意義としても防水性能を失うわけにはいかない靴です。
よって、
- 雨専用の性能(防水・安心)を最優先:ソールが限界なら、基本は買い替えが合理的。防水性能を失って晴れの日用にしたところで通常のワラビーよりも蒸れやすいためです。
- 愛着を最優先:防水が落ちる可能性を受け入れて修理する。革自体が馴染みにくいため、長年履いて履きやすくなる方ではないが、それでも好きならば覚悟をするのもありです。
- 費用感が気になる:新品価格(税込34,100円)に対し、修理が半額近くになると、人によっては心理的にしんどいです。
どちらかと言えば、ワラビーゴアテックスは「一生モノ」として愛でる靴ではなく、「前線で使い潰すギア」です。

尤も、雨専用機と割り切れば、一般的に雨の日にそこまで出かけまくって酷使する人は多くないと思います。
さらに、ビブラムソールなど高耐久なソールのモデルが多いため、そうやすやすとソールが減ってすぐにオールソールということにはならないと思います。
【Q&A】ワラビーゴアテックスの疑問に答える
そして、ここまでの内容やその他をまとめて、Q&A形式にしました。
終わりに|雨の日の憂鬱を「優越感」に変える投資
今回は以上です。
ワラビーゴアテックスについてまとめると、
- 「万能靴」ではなく「雨専用機」の靴にすべき
- サイズ選びは公式目安「スニーカーより0.5〜1cm小さめ」から入り、通常ワラビーからはハーフサイズ下げ推奨(ただし、細足の方は通常ワラビーと同じ場合も)
- 素材は「余計なことをしない」運用ができるヌバックかスエードが◎
- ソール交換は可能な場合もあるが、防水性が保証外になり得るためおすすめできない
といった感じです。
もし、化繊アウターで良いものを持っていて、「雨の日のお出かけもお洒落したい」「ワラビーの見た目が好き」という条件が揃えば、購入の検討余地がある一足だと思います。
逆に言えば、それ以外の方、特に、
と思った方は、見送っても良いと思います。

個人的には結構気に入っていますが、あくまで条件が揃った方向けだと思います。
少なくとも、通常のワラビーに対する「上位互換」とかではないため、自分の条件を見極めて選んでくださいね!
おしまい!
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