クラークスの名作「デザートカーン」とは?その魅力と、エンジニアードガーメンツとの限定コラボモデル
「Clarks(クラークス)」は英国発にして、約2世紀にわたり革新的な靴作りをリードしてきたブランド。
その豊かなアーカイブの中でも、「デザートブーツ」「ワラビー」など、時代を超えて愛され続ける数々のアイコンシューズが存在します。


Image Photo by TAKASHIMAYA
そして、今回注目したいのは、Clarks Originalsの隠れた名作とも称される「Desert Khan(デザートカーン)」。
ブランドの象徴である「Desert Boot(デザートブーツ)」のDNAを受け継ぎながら、ローカットならではの独自の魅力を放つこのモデルに、フォーカスを当てようと思います。
さらに、2025年には「Engineered Garments(エンジニアドガーメンツ)」とのコラボレーションによるスペシャルモデルも登場しました。
それではまず、デザートカーンについて紹介していきます。

クラークスのDNAを受け継ぐ「デザートカーン」とは?
デザートカーンもまた、クラークスのブランドの歴史と哲学を色濃く反映した、知る人ぞ知る名作の一つ。
多くの人が思い浮かべる「デザートブーツ」や「ワラビー」とはまた違った魅力を掘り下げて行きましょう。
デザートブーツを継承した洗練されたローカット

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デザートカーンの最も大きな特徴は、クラークス不朽の名作「Desert Boot」のローカットバージョンであるという点です。
「デザートブーツ」は、1950年にネイサン・クラークによってデザインされ、第二次世界大戦中にビルマに駐留していた英国軍将校がカイロのバザールで作らせていたクレープソールのスエードブーツから着想を得たとされています。
「デザートカーン」は、そのオリジナルのデザートブーツが作られたエジプトの市場「カーン・エル・カリリ(Khan el-Khalili bazaar)」にちなんで名付けられています。
デザートカーンは、デザートブーツの基本的なデザインやラスト(木型)を踏襲しつつ、より軽快で日常的に履きやすいスタイルへと昇華させています。
雑誌「Begin」によれば、デザートカーンは1953年に誕生したそうです。
特に1990年代以降は日本からの要望で何度か登場しています。セレクトショップやブランドの別注やコラボを含めると、大体2年に1回は発売されていると思います(体感値でごめんなさい)。
誕生の背景とデザインフィロソフィー
「デザートブーツ」が持つミリタリー由来のラギッドな雰囲気と快適な履き心地はそのままに、「デザートカーン」は足首を大胆にカットすることで、より軽やかな印象を与えます。
この変更により、ブーツ特有の重厚感が和らぎ、スニーカーのような軽やかさと革靴の持つきちんと感を両立させています。
デザートブーツ同様に「足を優しく包み込む」感覚はそのままに、高温多湿な気候にも暑苦しくない装いが可能です。
伝統のスエード、馴染む素材たち
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アッパーはクラークス伝統のチャールズ・F・ステッド社製のスエードレザーが中心で、馴染みやすいレザーです。
デザートブーツ同様に甲が若干低めに設計されていますが、足に馴染みやすいです。甲が低くないという方も、数回履くとスリッパのような包み込まれる、気軽に履いて外に出かけたくなる靴になります。
ソールは伝統的なクレープソールを中心に、近年はリサイクル素材のORTHOLITEなどの素材をクレープソールの上に重ねるなど、軽量性やエコを意識したモデルも登場しています。
「デザートカーン」が名モデルたる理由は、普遍的なコーデ力にある
「デザートカーン」も70年以上にわたり、国境を越えて多くのファッション愛好家から支持される理由は、やはり普遍的なコーデ力でしょう。
中でも、デザートカーンはローカットであることを活かし、デザートブーツでは演出が難しい、
- 春夏にピッタリの軽快感
- 裾幅が短いパンツとのコーデ
が可能な点は大きいと思います。

クラークスオリジナルズ×エンジニアードガーメンツの「デザートカーン」を紹介
そんなデザートカーンに新たな息吹を吹き込んだのが、ニューヨークを拠点とするブランド「エンジニアードガーメンツ(Engineered Garments)」とのコラボレーションモデルです。
2025年5月に発表されたこのコラボレーション第2弾は、ファッション好きならずとも見逃せないスペシャルな一足に仕上がっています。
異素材ミックスで再構築されたコラボレーションモデル
今回のコラボレーションでは、エンジニアードガーメンツならではのユーティリティ感あふれる美学が注入されています。
デザイナーの鈴木大器氏はヴィンテージクロージングに深い造詣を持ち、ミリタリーユニフォームやアメリカンスポーツウェア、アウトドアウェアの広大なアーカイブからインスピレーションを得て、コレクションを制作することで知られています。
エンジニアードガーメンツならではのユーティリティ感と美学の融合
アッパーには、プレミアムスエード、スムースレザー、そしてハラコ素材といった異なるテクスチャーが巧みに組み合わせられており、視覚的にも触覚的にも豊かな表情を生み出しています。
素材の持つ可能性を最大限に引き出し、独自の価値観を表現する同ブランドならではのアプローチです。
個性を際立たせる3つのカラー・マテリアル
展開されるカラー・マテリアルは、リッチなブラウンスエード、洗練されたブラックレザー、そして遊び心あふれるレオパードプリントヘアオンレザーの3タイプです。
ブラウンスエードは温かみのあるクラシックな印象、ブラックレザーはシャープでモダンな雰囲気、そしてレオパードプリントヘアオンレザーはコーディネートの主役にもなる大胆な存在感を放ちます。
それぞれの素材が持つ特性を活かしつつ、エンジニアードガーメンツらしいユニークな視点で「デザートカーン」が再解釈されています。
ディテールへのこだわりが生む特別な存在感
このコラボレーションモデルを特別なものにしているのは、細部にまで徹底されたこだわりです。
ミリタリーテイストを添える取り外し可能なキルティングパーツ
アッパーには、取り外し可能なキルティングパーツが付属しており、ミリタリーテイストをさりげなく演出&エンジニアードガーメンツの得意領域である“ユニフォーム”要素を加えています。
このキルティは、タン(舌革)を摩擦から保護する実用的な役割も果たしつつ、デザイン上のアクセントとしても機能しています。
気分やスタイリングに合わせて着脱できることで、一足で多様な表情を楽しめるのも魅力です。
高い耐久性とグリップ力を誇るVibram®製タンクソール
アウトソールには、従来のクレープソールではなく、高い耐久性と優れたグリップ力で知られるVibram®(ビブラム)社製のタンクソール(一部モデルでは軽量で柔軟性、衝撃吸収性に優れたVibram® MorflexソールやVibram® Vi-Liteソール)が採用されています。
これにより、よりタフで現代的な実用性がプラスされています。
都市環境での歩行はもちろん、ミリタリー的な多少の悪路にも対応できる頼もしさもあります。
コラボレーションを象徴するキーフォブ
両ブランドのロゴがあしらわれたトライアングル型のキーフォブも、このコラボレーションを象徴する特別なディテールの一つです。
細部にまで両者のアイデンティティが込められていることが伺えます。
入手方法と価格
この注目のコラボレーションモデル「Clarks Originals × Engineered Garments Desert Khan」は、価格31,900円(税込)で、2025年5月16日(金)より世界同時発売されました。
取り扱いは、
- 全国のクラークス オリジナルス ストア
- クラークス公式オンラインストア
- Engineeredgarments.com
- Nepenthesの各店舗
- その他一部の取り扱い店舗
となっています。
