GUのリアルレザーシューズは買い?単に“高コスパ”と思っているあなたへ、プロの評判

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これはファッションにおいて重要な事実だと思いますが、コスパも大事だけれど、コスパだけで全てを済ませちゃいけないと思います。

それを念頭に置いた上で、読んでいただけたら幸いです。

  • 3,990円(一部4,990円)という価格で本革使用
  • 大体1万円程度の革靴と互角だが、ディティール面で甘い
  • オススメの1万円革靴&オススメのリアルレザーシリーズの靴もご紹介
価格
3,990円 or 4,990円(サイドゴア&レースアップブーツ)

こんにちは、しょるです。

本日は、2021秋冬シーズンに本格展開を開始した、GUのリアルレザーシューズについて。

発表されたときは「ついに本革!?」と話題をさらいましたし、気になってる方も多いと思います。

確かに、3~4,990円で本革を使用した靴を出せるのは凄い。革はコストがかかる素材ですが、GUのリアルレザーシューズは1万円くらいのビジネスシューズと互角くらいの実力はあります。コスパという点だけで考えるなら、買っても良いと思います。

しかし、「ビジネスシーン使いでは、特にカッコよくはならない」ということはお伝えしなければなりません。革靴は小手先のパッと見では全く誤魔化しがきかない、シビアなジャンルのアイテムだからです。カジュアル使いにはそれなりに良いとは思いますが、あくまで日常使い向け。特に、フォーマル用のストレートチップは避けた方が良い。

「そうか、分かった」

で、ご納得いただける方はこのままブラウザバックしていただいても結構ですが、私はプロで何の根拠もなく意見しているわけではないので、一応詳細の理由も書かせていただきますね。

また、後半部分では代替案として、ビジネス(カジュアル)に使用にも一応耐えられる、1万円前後のビジネスシューズについてもオススメをご紹介させていただきました。

それでは参りましょう!

目次

GUのリアルレザーシリーズの評価/評判は?プロがレビュー!

本革の靴における、本来あるべきメリットとは?

そもそも、本革のアイテムを使う意味って何ですか?

昨今、肉牛の飼育や革の製造工程での環境負荷なども囁かれていますが、ここではあくまで、プロダクトとしての本革を使う意味を問うてみたいと思います。

そもそも、本革使用の目的が「本革を使用している話題性のみ」では、ユーザー目線に立った商品開発とは言えません。革ならではの質感や、合成皮革ではどうしても得られないものを十分発揮できるプロダクトこそ、本革である意味があります。

本革でしか得られない要素としては、例えば

  1. “本物であること”の素材感や高級感
  2. 繊維質素材による通気性
  3. 長年愛用できる素材特性

など。つまり、最低でもこれらが確保されなければ、本革の靴の意味が薄い。

一方、GUがリアルレザーシューズを開発された経緯としては、

リアルレザーの革靴は、顧客の声を反映した商品開発プロジェクト「GU SHOES LAB」において、要望が多かったことから開発に着手。ジーユーでは2015年頃から合皮の「アクティブスマートシューズ」を展開していたが、利用者から「シワが気になる」「安っぽいツヤ感を改善してほしい」「長く履き続けると劣化が気になる」といった声が多く寄せられていたという。こうした顧客の意見を受けて、合皮のようにシワが悪目立ちせず、手入れすることで劣化せずに長持ちするリアルレザーの革靴の開発を2019年頃にスタートした。2021年春夏シーズンからグルカサンダルとダービーシューズを超大型店とオンラインストアで販売しており、秋冬シーズンにはさらにラインナップを拡大した。

FASHION SNAP. com より引用

とのこと。

本当に「シワが気になる点」「安っぽさ」「劣化」に対して真摯なモノ作りがされているのでしょうか?

併せて検証してみましょう。

アッパーの革質:キメは細かくはない、ビジネス使いは厳しい

マーチンの代わりとしてはアリかも

まず第一に、“本物であること”の素材感や高級感について。

合皮とは違った素材感は確かに感じることはできますが、肝心の本革のクオリティは高くない。3,990円の革に使わるものとしては結構良い・・・というか、あまり他に例がないくらいの価格ですが、ビジネスシューズとして捉えた場合は、廉価なモノの域は出ません。

確かに、合皮の「安っぽいツヤ」はありませんが、「安っぽいキメの粗さ」はあります。耐久性重視であえて成牛の革を使うワークブーツなら、これも意匠性としてアリだと思います。しかし、ドレスシューズとして発売しているのなら、残念ながら全く良い靴には見えません。

「3,990円に何言っているんだ!」というご意見は尤もです。とはいえ、ビジネスを想定したモノ作りであるならば、ガラスレザーやコーティングされた合皮の方が数段マシだと思います。

芯がないので、つま先を光らしても崩れる

そして、重要な点としてトウ(つま先)に芯が入ってません。つまり、磨いてつま先を光らせても、すぐに割れてしまいます。紳士靴愛好家ならお分かりいただけるかと思いますが、ただでさえ革質が良くない上、つま先まで光ってないビジネスシューズを良い靴には見せられませんよね。

縫製のピッチ:GUクオリティで雑雑の雑

ここもGUクオリティのコストでやっているので、仕方ない部分はあります。しかし、同じ会社でもGUとユニクロの縫製は大分差があります。

「無敵ワンピ」だってザックザクのがっちゃガチャに縫ってるけど、中条あやみさんが着てるから無敵なんだし。

GU より引用

革靴の場合、特に滑らかな梳毛で織られたテーラードパンツの裾から、ガチャガチャに縫われた靴のピッチは悪目立ちします。GUに限らず、この部分は廉価な価格帯の革靴であればどうしても難しいのですが、特にストレートチップのキャップ部分は目立ちます。

廉価でパッと見の良い服を作るのがGUであり、若年層向けのトレンド感も確保しているところが「ユニクロよりもGU派」を生み出していると思います。それはそれで意味のあるプロダクトですが、クオリティがカッコよさに直結する革靴界では、通用しない部分は否めません。

つまり、トータルで「“本物であること”の素材感や高級感」という点では不合格合皮のビジネスシューズを差し置いての特別な高級感は得られません。

ライニングはメッシュ素材&合皮、通気性は確保

甲部分のライニングはメッシュ素材

次に、繊維質素材による通気性および、長年愛用できる素材特性ついて。

通気性に関しては企業努力が見られ、合格点をあげられます。本革ならでは(近年は合皮も通気性の高い素材はありますが)の通気性と、それを損なわないようにライニング部分に工夫が凝らされていました。

ライニングとは靴の内部を指しますが、内部の足前面部分はメッシュ素材になっており、アッパーとの接着も最低限。そこまでベッタベタに張り合わせていないため、本革ならではの通気性は損なわれていません。

ただ、ライニングに使用されている革は合成皮革で、本革ではありません。リアルレザーシューズという名前で嘘ではないのですが、ライニングだって立派な靴の構成要素なので、うーんという感じ。表記義務はないのですが、HPもライニング素材に言及はされていませんよね。それも、普通に劣化する合皮です。

「繊維質素材による通気性」という点では一定の評価はできます。しかし、「長年愛用できる素材特性」としては、ソールの交換が不可であることや、ライニングの一部に劣化しやすい合皮を使用しているため、疑問符が残ります。

ソールは合成底:ソール裏のデザインが・・・

デザイン性にも関係しますが、ソール裏の素材およびディティールに関して。

ソールは合成底といって、合成ラバーで作られています。こちらも本格的な革靴だと通気性重視で作られたり、ラバーソールならばビブラムやダイナイトといったブランドソールもあります。

この点に関しては、合成底は良いチョイスだと思います。耐滑性や水に強いというメリットがあり、オフィサーシューズ(軍モノの靴)などに採用されたりする素材。安心感があるので、革靴ビギナーにも受け入れられやすい靴だと思います。

意味のないソール裏のステッチ

一方、ソール裏のステッチを象ったデザインは要らないこれはマッケイやグッドイヤーウェルテッド製法といった、本格的な紳士靴で靴を造る際、ソールとアッパーを縫い付けることで見える(ものもある)ステッチを模したもの。

GUのリアルレザーシューズは接着剤ベターでくっつけているセメンテッド製法なので、全く意味がないイミテーションです。“なんちゃって風”に見せて、しかもバレバレ。逆に安っぽく見えませんか?

GU より引用

GUとアンダーカバーのコラボブーツは、「偽物のステッチ」がありません。セメンテッド製法は確かに安価な靴に採用されることの多い製法ですが、(長年の使用には耐えられませんが)それを恥ずべきとは思いません。むしろ、デザイン性にもならないイミテーションが安いことに対し、最も卑屈になっていると思いませんか。

GU より引用

リアルレザーシリーズではありませんが、コバの出し縫いステッチ(写真の黒い靴底と茶色の部分の境界あたりの点線状で縫ってある風の部分)を模したモデルもレディースの靴にあります。

こちらも、写真からでも分かるレベルで意味のないイミテーション。昨今、そこにあるものの意味を知らない人が「高見え」というワードを乱用しているきらいがありますが、見る人が見れば分かります。

デザイン性の検証というのは、「そこにあるものの意味を問う」連続作業でもあります。カッコ悪いから、こういったディティールはやめて欲しいですね。

結論:カジュアル使いならありだが、ビジネス用途でカッコよく見せるレベルではないし、長年の使用も無理がある

結論としては表題の通り、ビジネス使いでは特別感を演出できるレベルのシリーズではありません。

繰り返しますが、残念ながら革靴は、小手先のパッと見た目だけではどうにもならない世界です。

人間の足の形って年月が経ってもほぼ変わらないですし、履きづらく歩きづらい靴は選ばれない。だからこそ、トレンドの変遷も非常に緩やかで、同じモデルがマイナーチェンジを繰り返しつつ何十年と発売される世界です。

スーツや革靴は、カッコよさと品質の高さの相関関係が高い。だからこそ、GUのリアルレザーシューズは革靴の入り口としては悪くはない選択肢ですが、高見えはせいぜい1万円クラス、3万円のビジネスシューズとは戦えないレベルです。

3,990円だから、1万円レベルでも十分凄いんですけれども!

GUやユニクロとなると、その辺りバグってしまいます。

じゃあ、どんな革靴なら安くてそこそこなの?1万円程度で買えるオススメはこちら!

とはいえ、コスパだけであなたがカッコよくなる訳ではありません。可能であれば、もう少し予算を確保して、より高見えを狙った方が良いと思います。

そこで本項では、以下に比較的マシに見える、1万円程度で購入できるオススメの革靴をご紹介させていただきます。代替案を全く示さないのも良くないと思いますので、ぜひ参考にしてください。

まず、

  • グッドイヤー・ウェルテッド製法
  • レザーソール

のものは、選択肢から除外。

いずれも高級な革靴に採用されることの多いものですが、だからこそ、廉価な価格帯の靴に採用すると革や作りの丁寧さに犠牲となる部分が生まれてしまうからです。

1万円前後で採用されている靴もありますが、コストが掛かる分、革や作りがめちゃくちゃなモノだったりします。よって今回は、合成底やスニーカーソール&セメンテッド製法でチョイスしました。

ハルタ(HARUTA)711 プレーントウ

HARUTA 公式HPより引用

まずは、学生時代にお世話になった人も多いハルタ(HARUTA)。学生用のローファーで非常に有名なメーカーですが、前身は1917年、現在のハルタ株式会社も1948年に創業する立派な老舗。大人向けの靴も展開しており、写真の「711」40年以上のロングセラー商品です。

アッパーは本革に樹脂でコーティングされたガラス革で、ソールは合成底。写真の通り踵の造りは甘いですが、6アイレットのプレーントウの重厚感がカッコよく、ソール裏のデザインひおとつとっても、高級感がGUよりも1歩2歩リードしています。

HARUTA 公式HPより引用

定価は14,300円とやや高めですが、各大手ECサイトでは若干安くなっているのでご紹介させていただきました。

ハルタ(HARUTA)711 プレーントウ 革靴 ビジネスシューズ
created by Rinker

 

グリーンレーベルリラクシング レザー プレーン トゥ シューズ V2

UNITED ARROWS 公式HPより引用

こちらは、本当の定価1万円程度(11,000円)。ユナイテッドアローズ グリーンレーベルリラクシングより、定番のプレーントウです。

使われている素材はGUと大差ありませんが、各部分がキチンと良く見せられるようにブラッシュアップされています。アッパーはつま先に芯が入っており磨くと光りますし、ステッチも大味ながら、ダブル(二列)で縫われているのでチープな感じが(あまり)ありません。

UNITED ARROWS 公式HPより引用

ソール裏も余計なデザイン(イミテーションステッチ)がなく好印象。これでいいんですよ。

グリーンレーベルリラクシング レザー プレーン トゥ シューズ V2
created by Rinker

【ちなみに】リアルレザーシリーズの中でオススメを挙げるなら・・・!

検討してみた結果、どうしてもGUのリアルレザーシリーズの中で検討したいあなたへ。圧倒的な低価格なので、気持ちは分からないではありません。

そこで、比較的「高見え」するものを選ばせていただきました。ソール裏のイミテーションステッチは諦めるとして、その他の要素で、なるべく良く見せられるリアルレザーシューズをピックアップしてみました。

オペラパンプス

GU より引用

まずは、オペラパンプス紐も切替えもないので、縫製の粗が目立ちにくくオススメです。

スーツに合わせるのはちょっと無理があるので、あくまでビジカジまで。紐がないので、サイジングはシビアです。

サイドゴアブーツ

GU より引用

サイドゴアブーツも同様の理由。私も購入してみましたが、縫製箇所が少なく比較的に粗が目立ちません。オペラパンプスが春夏なら、サイドゴアブーツは秋冬用でしょうか。

ただし、紐靴ではない上、サイドゴアとレースアップブーツは1cm単位でのサイズ展開しかありません。サイズが合わなかったら潔く諦めてください。

こちらもビジネスというよりはカジュアル~ビジネスカジュアルまで。コバのボリューム感があるので、ジャストフィットのビジネススーツとは相性が難しい。

スエード素材も、比較的に粗が目立たない

GU より引用

また、スエード素材も良いですよ。起毛されている分、誤魔化しが効きます。

特に、こげ茶の色展開はオススメで、安見えを和らげてくれます。靴の磨き方が分からない方も磨く必要がなく、ブラッシングと防水スプレーのみでケアも楽ですし、秋冬シーズンの導入靴としても温かみある素材感&色で良いですね。

ちなみに、スエード(suede)とは、革の裏面をサンドペーパーなどで起毛した革のこと(フランス語です)。元々は国のスウェーデン(Sweden)の手袋に由来しています。

というわけで、今回はGUのリアルレザーシリーズをご紹介させていただきました。

間に合わせ&特にファッション性が求められない場での、ビジネスシューズが必要な方は良いかもしれませんが、カッコよく見せるという点ではあまりオススメはできません。

ただ、3,990~4,990円という予算では比肩する存在がないと思う&スニーカーに近い履き心地も、革靴初心者には良いと思います。

ぜひ、ご自身の価値観と照らし合わせて検討してくださいね!

おしまい!

SHOLL(しょる)
皆さまこんにちは。“SHOLLWORKS”運営者のSHOLL(しょる)と申します。

1987年、山梨県甲府市生まれ。国内デザイナーズブランドを経て、ファッションコングロマリットのメガブランドでデザイナー職を経験。

現在は東京在住、デザイナー含め様々な事業に携わっています。

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