こんにちは、しょる(@SHOLLWORKS)です。本日はリーガルウォーカーについて。
リーガルウォーカーは、コンフォートな履き心地と幅広設計で快適な歩行感を叶えてくれることが特徴です。
高い機能性だけでなく「良い靴」感もあるので、豊かな面持ちでコンフォートな国産靴を履きたい人にピッタリのブランドです。
一方、「見た目がダサい?」とか、「通常のリーガルとの違いが分からない」とか。
そんな声がチラホラと聞こえてくるブランドでもあります。
そこで今回は、リーガルウォーカーの購入を検討している人に向けて、特徴から代表的なモデル、サイズ感を経て、実際どうなのかをプロのファッションデザイナー目線で解説します。
リーガルウォーカーは「良い靴」である一方、スーツと合わせるには要注意なモデルもあることは事実です。
どんなモデルを選ぶべきか/避けるべき組み合わせなども紹介しているので、ぜひ最後までよろしくお願いします。
リーガルウォーカーとは?特徴&通常のリーガルとの違いを解説
リーガルウォーカー(REGAL WALKER)は、言わずと知れたリーガルが展開する1ブランド。
まずは「リーガルウォーカーの特徴」や「通常のリーガルとの違い」について説明します。
快適性を追求したコンフォートシューズ
Image Photo by REGAL
1986年に誕生したリーガルウォーカーの最大の特徴は、何といってもコンフォートシューズである点。
「軽快・ソフト・歩きやすい」をブランドコンセプトに、長時間の歩行でも快適で疲れにくいよう、
- 柔らかなアッパー
- 踵部などの衝撃吸収素材
- クッション性に富んだソール
などが採用されています。
Image Photo by REGAL
靴の底付けは「ステッチダウン製法」で行われています。
Image Photo by MOONSTAR
アッパーの端が外に出てステッチで縫い付けられることで屈曲性が高くなり、軽量なソールと合わせて歩きやすい靴に仕上げられています。
ステッチダウン製法は、クラークスの「デザートブーツ」やカンペールなどの有名なカジュアルシューズブランドでも採用されています。
多くのモデルが「岩手シューズ」など日本で製造されている
Image Photo by REGAL
また、リーガルウォーカーは、有名モデルを中心に多くが日本製(一部、カンボジア製などもあり)です。
中でも、先述のステッチダウン製法を得意とする「岩手シューズ株式会社」は、リーガルウォーカーの一大拠点。
リーガルの靴を50年以上製造し、1986年に誕生したリーガルウォーカーも多くを手掛ける有名工場です。
リーガルとリーガルウォーカーの違いは主に3点
そして、「リーガルウォーカー」と「リーガル」の違いは、名前の他に、
- ブランドコンセプト
- 機能性
- 見た目
といった部分が挙げられます。
ブランドコンセプト
Image Photo by REGAL
- リーガル(1枚目)
「リーガル」は、クラシカルでスタイリッシュな革靴が中心です。ビジネスシーンやファッション性を求めるカジュアルシーンで活用される靴が多く、ビジネスマンをはじめとする幅広い年齢層に向けて提供しています。デザインはトラディショナルで、メンズの場合はスーツやビジカジに合うものが多いです。 - リーガルウォーカー(2枚目)
「リーガルウォーカー」は、「快適性」と「歩きやすさ」に重点を置いています。普段使い、長時間歩行する際に適したシューズを提供しており、柔らかい素材やクッション性の高いソールを採用するなど、履き心地を追求している点が特徴です。ビジネスカジュアル~機能性を求めるオフの日のスタイルに合わせやすい靴です。
機能性
Image Photo by REGAL
- リーガル(1枚目)
価格帯や意匠性によって底付けの製法は分かれますが、総じてがっしりした作りで高い耐久性が特徴です。革は固く、悪天候でも履けるガラスレザーのものが多め。また、高価格帯のリーガルは「グッドイヤー・ウェルテッド製法」など伝統的な底付けによって製造されているラインです。 - リーガルウォーカー(2枚目)
軽量で柔軟なアッパーやソール、ライニングを用いた靴が中心です。見た目や高級感よりも足当たりの優しさや、歩きやすさを最優先に考えた作りになっています。また、ウォーキングに特化したインソールやクッション性の高いソールが採用されているため、足への負担を軽減し、快適な歩行をサポートする工夫が導入されています。
デザインとスタイル
Image Photo by REGAL
- リーガル(1枚目)
重厚でドレッシー、クラシカルな見た目の靴がメイン。革靴らしいツヤ感と高級感があり、定番のスーツに合わせるようなびしっとしたデザインの靴がほとんどです。カジュアルな靴もどこか背筋が伸びるような見た目です。固い革でも平気という方や、足の悩みや歩きやすさに困っていないからコンフォートさは要らないという方向けです。 - リーガルウォーカー(2枚目)
ペコっとした、柔らかくゆるい雰囲気のデザインが中心。革靴のフォーマル度とは無縁なカジュアルな革の質感やソールです。スリッポンやスニーカー、ぽってりとしたプレーントウなどが多く、ビジネスでも内勤の方が履く分ならまだしも、スーツで営業といった方には向いていません。
と、いった感じです。
つまり、ドレッシーな雰囲気を選ぶなら「リーガル」、やさしさやカジュアル感を求めるならば「リーガルウォーカー」という違いです。
実際は「リーガル」の中にもカジュアル色の強いモデルもありますし、「リーガルウォーカー」の中にもスーツと合わせて問題ないモデルもあります。
境界がやや曖昧にはなっているものの、大まかに区分すると上記のようになるという参考にしてください。
ぶっちゃけ、リーガルウォーカーは「ダサい」?
誰でも履き心地の良い靴を履いて歩きたいものの、やはり見た目は気になるもの。
履き心地の評判が高いリーガルウォーカーの購入を検討する際、どうしても「ダサい」かどうかは確かめておきたいですよね。
というわけで、プロの目線から忖度なしでお話しようと思います。
ハッキリ言って“全体的にはまあまあダサい”
ハッキリ言って、リーガルウォーカーは全体的にまあまあ「ダサい」です。
正直、個人的に「絶対買わない」というモデルがあることも事実です。
ただし、「リーガルウォーカー自体が履いていて恥ずかしいブランド」というわけではありませんし、トータルでダサいかどうかも「商品やコーディネートに依る」というのが厳密なところです。
また、一般的にダサいと言われる理由としては、
- 見た目がカジュアルすぎるモデルが多い
- 「ファッションに興味のない中高年がターゲット層」というイメージ
が定着しているからです。
確かに、「履きたいか」と問われれば履きたくないモデルも結構あります。
コンセプトも明確で歩きやすい靴ではあるものの、機能性重視のあまり「ファッション性を重視しない層に支持されるモノづくり=ダサい商品が出てくる」という連鎖は否めません。
そもそも機能性を重視しているブランド
Image Photo by REGAL
リーガルウォーカーが“ダサい”ことは、そもそもカッコよさを目指したブランドではないことが大きいと思います。
つまり、デザイナーがどうとかではなく、
- そもそも機能性重視の人
- ファッション性を重視しない人が支持する靴の見た目
を意識して、作られているからです。
抜け感あるスタイルは作ることができますし、後述でダサく見えないリーガルウォーカーのオススメモデルとその着こなしのヒントも解説しています。
ぜひ、履き心地とお洒落の両立を目指してください。
リーガルウォーカーで「お洒落になる」ポイント
そして、リーガルウォーカーをコーディネートに取り入れて、お洒落になるポイントとしては、
- 無理に「ガチガチのスーツ」と合わせない
- 余計な装飾がない/少ないモデルを選ぶ
の、2点につきます。
リーガルウォーカーは「快適さ」「落さ」を活かし、カジュアルなスタイルやビジネスカジュアルに適したアイテムとして選ぶと、「ダサい」という印象を回避しやすいです。
無理にガチガチのスーツと合わせない
まず、リーガルウォーカーでありがちな失敗例として、
を演出してしまうこと。
簡単に言えば、
Image Photo by KASHIYAMA
こういうスーツに対して、
Image Photo by REGAL
こういった靴を合わせてしまうのは悪手です。
スーツがビシッと&カチッとしているのに対して、靴がぼてっと&柔らかい雰囲気すぎるので「ダサい」になってしまいます。
しかし、
Image Photo by KASHIYAMA
こういうネクタイを締めないような、カジュアルなセットアップに対して、
Image Photo by REGAL
こういったリーガルウォーカーを合わせるのは大アリです。
目安として、上記のようにKASHIYAMAのスーツと合わせるのは厳しいことが多いけれど、KASHIYAMA EASYのようなセットアップと合わせるとダサくない、といった塩梅です。
余計な装飾がない/少ないモデルを選ぶ
Image Photo by REGAL
また、謎の色分けや不要なディテールのない、シンプルなモデルがオススメです。
上記の場合、写真1枚目がおすすめのリーガルウォーカー、2枚目は多くの人が避けた方が良いモデルです。
Amazonより引用
先述のモデルの他にも、上記のようなシャツやパンツも避けるべき服です。
お洒落に自信のない人ほど、センスのない色や模様のついた服や靴をガチャガチャと取り入れてしまいます。
「なんか情報量がある=お洒落なんだろう」で判断してしまう結果として、コーデが破綻してしまう事象が「ダサい」と心得ましょう。
念のために言っておくと、柄物でカッコいい、センスを感じさせるものはあります。
しかし、初心者は特にどの服や靴がお洒落で、どう組み合わせれば調和するかの足し引きは難しいのが実情です。
服はシンプルなものを組み合わせるのが基本。リーガルウォーカーをファッションに取り入れるならば、なおさら意識した方が良いでしょう。
仮に「ダサい」ものでも、売れるならブランドはその商品を作ります。
その点に留意しつつ、次にリーガルウォーカーのオススメモデルを見て行きましょう!
リーガルウォーカーのおすすめモデルを紹介!
というわけで、リーガルウォーカーの履き心地が気になるけれど、ダサいと思われたくない人に向けて。
私しょるがオススメするリーガルウォーカーのモデルを紹介させていただきます。
結構厳しめに判定したので、今回は3モデルだけです。
ただし、これら3モデルは見た目においてもオススメできますし、現に二番目に紹介している146Wは持っています。
JJ23
Image Photo by REGAL
まずは、何といってもリーガルウォーカー最大の定番「JJ23」です。
1998年に発売したこの“ぽってり”としたプレーントウは、矯正靴をルーツとする「オブリークトウ」と呼ばれる足指に負担のかかりにくい木型を採用しています。
足指の開放感と軽さが多くの人から支持を得て、今日に至るまでリーガルウォーカーを代表するモデルであり続けています。
Image Photo by REGAL
柔らかなスムースレザーが足を優しく包んでくれて、柔らかで滑りにくいスポンジソールが地面からの衝撃を和らげてくれます。
ソールはヒール部分だけを修理して繰り返し愛用することも可能です。
また、先述のステッチダウン製法や履き口のスポンジも、歩行時の「痛さ」を回避してくれるディテールです。
とにかく「痛い」で悩みがちな人にオススメ。
発売以来変わらないインソールのブランドタグは「カッコいい」とは言えないかもしれませんが、独特の懐かしさを残します。
Image Photo by PARCO
コーデ面では、とにかく太めのパンツが◎。
靴がぽってり&ノーズも短いので、スキニー~スリムフィットパンツだとバランスを崩してしまいます。
また、トップスもオーバーサイズのTシャツやシャツブルゾン、ダウンベストやダウンなど、カジュアルなジャケットがよく合いますよ。
146W
Image Photo by REGAL
続いては、ローファータイプの「146W」。
このモデルの特徴は、ぽってりし過ぎないフォルムながら、
- 甲革にオイルレザー使用
- 踵部に衝撃吸収素材「PORON(ポロン)」採用
- 複合素材によるカップインソールで踵部のフィット感を向上
といった点。
耐久性と履きやすさ/脱げにくさにもこだわった、まさに楽にローファーを履きたくなるような設計の靴になっています。
ステッチダウン製法&日本製でリーガルウォーカーらしさも感じさせ、ゆったりとしたEEEウィズが足幅が広くて痛いという方にも最適です。
私は甲も低いですし踵も小さいですが、内部のカップインソールやスポンジのお陰でほとんど脱げません。
長距離を歩くには紐靴の方が良いですが、スリッパ感覚で履けます。
Image Photo by REGAL
ぽってりし過ぎていないフォルムだからこそ、レギュラーフィットのジーンズなどと合わせるのも◎です。
写真のようにチェックシャツなども良いですし、パッチポケット型のテーラードジャケットやツイード素材、ブレザーなども相性抜群ですよ。
オイルを入れて手入れをしつつ、アメトラ/アメカジの見た目を機能性も含めて叶えてくれる面白いモデルです。
324W
Image Photo by REGAL
最後にオススメするのが、「324W」というスニーカータイプの靴。
こちらは、
- ディアスキン(鹿革)を採用した柔らかさ
- 「返し縫い」などを用いてステッチを表に出さない“ふっくら感”
- 「N-flex」軽量ソール採用で修理も可能
といった、柔らかさ/軽さを前面に押し出したモデルです。
日本ブランドらしい技術力と機能性が詰まった、まさにリーガルウォーカーで3万円出す意味のあるモデルだと思います。
Image Photo by REGAL
こちらはとにかく見た目のシンプルさ/クリーンさを活かして、セットアップスタイルの足元に最適です。
カラーもオールホワイトやブラックがあり、お好みで選んでOKですよ。
機能性の高いクリーンなパンツやトップスと合わせるスタイル全般的にオススメです。
リーガルウォーカーのサイズ感は?
リーガルウォーカーのサイズ感は、「リーガル」の他のシリーズや他ブランドと比べると少し特徴があります。
以下に、リーガルウォーカーのサイズ感について、リーガルや他のブランドと比較しながら説明します。
リーガルウォーカーのサイズ感について
- 普段のビジネスシューズと同サイズ
リーガルウォーカーは標準的なサイズ感で、普段の革靴サイズと同じものを選ぶと適切なフィット感が得られる場合が多い。スニーカーと同サイズは大きく、-0.5から-1.0cm程度であることが多い。 - どちらかというと甲高・幅広の方向け
甲高や幅広の足の方にとっても、リーガルウォーカーは比較的履きやすい。一方、甲が低い人や足幅が狭い人は、内部のクッションが足を包むことで足を支える構造。
リーガルウォーカーは「快適な履き心地」を重視しており、総じて「足幅」と「甲の高さ」がゆったりしています。
通常のリーガルにおける多くのモデルがEEウィズであるのに対し、リーガルウォーカーがEEEがほとんど。
「甲の高さが普通」というモデルでも、いざ履いてみると結構高めに設計されていることが分かります。
甲が低い人に対しては、靴内部のクッション性で足を包んでフィットさせる設計です。私のように甲が低めの人も、凄くずれたりして痛いという風にはなりません。
とはいえ、基本的にはコンフォートシューズらしく、甲高・幅広な方にとって履きやすい設計になっています。
私の場合は、リーガル/リーガルウォーカーは26.5cmです。人差し指の長いギリシャ型で、踵~人差し指の先端までが27.5cm、親指までが27cm、足幅の一番長い部分が10cm。スタンスミスで27.5cm、クラークスのデザートブーツやワラビーでUK8.5(US9)、ドクターマーチンでUK9(ちょっと緩い)、大体の英国靴で8.5Fサイズです。
その他ブランドとの比較は?
- ホーキンス(HAWKINS)
ABCマートのPBで有名な「ホーキンス」とリーガルウォーカーはサイズ感が違いです。見た面はホーキンスのほうがスポーティなモデルが多く、リーガルウォーカーの方がやや上品で「いい靴」です。 - アシックスウォーキング(ASICS Walking)
アシックスのウォーキングシューズと比較すると、アシックスの方が4Eなど幅広のモデルも展開しています。ただし、多くのモデルがスポーティーな見た目をしているため、「大人のビジネスカジュアルスタイル」としては、リーガルウォーカーの方が適している場合が多いです。 - クラークス (Clarks)
クラークスも履き心地の良さとデザインのバランスが良いブランドで、革が柔らかいモデルが多いカジュアルシューズの王道です。リーガルウォーカーと似た感覚で履けますが、クラークスのほうが少し細身で甲も低めのモデルが多いです。
他の「履きやすい」「歩きやすい」と言われるシューズブランドと比べると、上記のようになります。
こうして比較すると、リーガルウォーカーは「機能性重視」「甲高幅広」「国産のちゃんとしたカジュアルシューズを履きたい人」にピッタリです。
ファストファッションや格安シューズブランドと比べると、ちゃんと作られているので上質な大人の歩きやすい靴としての立ち位置を確立できていると思います。
まとめ|リーガルウォーカーはこんな人のための靴ブランド
今回は以上です。
まとめると、リーガルウォーカーは、
- 靴は機能性重視の人
- 甲高幅広の足
- 国産のちゃんとしたカジュアルシューズを履きたい人
にピッタリです。
一部国産でないモデルもありますし、「国産=良い」というわけではありませんが、先述のオススメモデルはすべてメイド・イン・ジャパンのものから選んでいます。
正直言うと、リーガルウォーカーはカッコよくないモデルも多いです。
しかし、上手く取り入れることで「歩きやすさ」「ファッション性」を両立できるブランドだと思います。
散歩をするときやビジカジスタイルでの出勤、よく歩く日のお出かけにも。
もちろん、足に不安がある人の心強いお供としても。
“ちゃんと作られた”リーガルウォーカーは、オススメの選択肢です。
おしまい!
(少しでもお役に立てられたなら、SNSに拡散していただけると嬉しいです!)