こんにちは。今回は、ユニクロのメンズ&レディース無地Tシャツについて、プロのファッションデザイナーである私しょるが解説します。
無地Tシャツは、シンプルなカジュアルコーデの基本。とはいえ、生地感や丈感、シルエットなど奧が深く、着比べてみると結構印象が変わったりします。
特に初心者の方にとっては、無地Tシャツのパッと見の違いは分かりにくいですよね。インナーですので試着しづらいですし、かといって「安いからとりあえず買っちゃえ!」の結果“しっくり”こなかったりもします。
というわけで今回は、ユニクロ無地Tシャツのラインナップ紹介に加えて、実際の生地感&向いているコーデの方向性も提案させていただきました。
そもそもTシャツって何?「カットソー」と何が違うの?
ユニクロのオンラインストアの場合、分かりやすく「Tシャツ」というカテゴリーに入れられているため迷うこともないのですが、世間では「カットソー」という言葉も良く使われています。
ところが、ブランドによっては「カットソー」というカテゴリーがあるのに「Tシャツ」というカテゴリーは無かったり、違いが分かりにくいですよね。
結論、Tシャツは、カットソーの一部。カットソーとは、「編まれている生地を」カット(切られて)&ソーン(縫われた)という意味で、中でもトップスをカットソーと定義されています。
服の生地は「織られた物」や「編まれた物」などがあります。Tシャツやタンクトップ、ポロシャツ、スウェットなどは、編まれた生地を切って縫われたもの。これらを総称して「カットソー」と呼ばれています。
【2023年版】ユニクロメンズの無地Tシャツ&おすすめコーデをご紹介!
それでは具体的に、ユニクロのラインナップを紹介します。まずは、ユニクロのメンズラインナップにある無地Tシャツをご紹介。
サイズ感や生地の厚さは、上記の公式画像が簡潔に説明してくれています。私からは実際の生地感によるカジュアル感や、具体的なコーデ案もご紹介させていただければと思います。
メンズはもちろん、ユニセックスで着たいレディース体型の方にもオススメですよ!
【ユニクロU】クルーネックTシャツ(半袖)
まずは、ユニクロUのクルーネックTシャツ。ユニクロが公式に「究極のベーシック」と称するほどに、ユニクロらしさを体現している無地Tシャツです。
細くもなく太くもない中庸的なシルエットで素材もコットン100%。さらに多色展開、そして1,000円というリーズナブルな価格。
私も5枚持っていますが「これさえあれば」という無地Tシャツ。あなたが標準体型であれば、まずはこのTシャツを中心に検討すると良いと思います。
生地の厚に関しては、公式に「厚手」とありますが夏に着られないというわけではありません。確かに、今回のTシャツの中では最も厚地ですが、強調したいのが“ガサガサ”しているという点。
ガサガサしている、というのは「肌荒れする」という意味ではなく、カジュアル感が強い表情ということ。
コーデ面では、フォーマル感が高いorあまりにシャープ過ぎる“パリッとした”生地感のアウターやパンツとは合わせづらいといという特徴があります。
Theory 公式HPより引用
例えば、上記写真の場合、一枚目のジャケットの方が、生地感もナチュラルでカジュアル。クルーネックTシャツ(半袖)に合うコーデといえます。
一方、二枚目は都会的でクリーンなイメージが強いので、エアリズムコットンオーバーサイズTシャツ(5分袖)のように、もう少し細かで光沢感のある生地感の無地Tシャツが合います。
クルーネックTシャツ(半袖)を合わせるポイントとしては、コットン感やウール感のある素材や、ナチュラルなシェイプのアウター&ボトムスと合わせること。
【ユニクロU】エアリズムコットンオーバーサイズTシャツ(5分袖)
続いては、エアリズムコットンオーバーサイズTシャツ(5分袖)。発売以来のヒット商品で、定番の仲間入りした無地Tシャツ。
オーバーサイズ&Tシャツの内側がエアリズムということで、清涼感が高く、生地も細やかで光沢感があります。オーバーサイズながら“きれいめ”な印象を与えやすいことが特徴。
同じ「ユニクロUの無地Tシャツ」とはいえ、先述のクルーネックTシャツ(半袖)とは、
- エアリズムコットンオーバーサイズTシャツ(5分袖)の方が、ゆったり目のシルエット
- 非常にクリーンな印象を与え、ドレス感の強いコーデに向いている
- 耐久性はクルーネックTシャツ(半袖)の方が優れている
など、生地感、シルエット、着用感の全てが真逆といっても過言ではありません。
コーデはやや痩せ~標準体型の方が、都会的でクリーン、ケミカル感のあるパンツやアウターと合わせるのに最適。もちろん、感動ジャケットやパンツなども良く合います。
また、ふくよかな体型の方は、後述のオーバーサイズポケツキTシャツ(5分袖)の方がオススメ。エアリズムコットンオーバーサイズTシャツ(5分袖)は“きれいめ”で光沢感も溢れるため、お腹周りが出ていると光沢感が気になってしまうからです。
ちなみに、夏の暑さを和らげるTシャツの色は白や淡色がオススメ。見た目の印象だけでなく、白と黒などの濃色とでは、表面温度が10℃は異なるという研究結果も出ています。
スーピマコットンクルーネックTシャツ(半袖)
続いては、スーピマコットンクルーネックTシャツ(半袖)。ユニクロUのクルーネックTシャツ(半袖)よりもジャストサイズ×生地目が細かく、“ナチュラル感×きれいめ”に特化した無地Tシャツ。
スーピマコットンとは、北米産の超長綿の一種。元々はエジプト綿と北米綿の交配種で、世界の高級綿を代表する一種。
シルエットは、やせ型~標準体型用。“きれいめ”度はエアリズムコットンオーバーサイズTシャツ(5分袖)と同等程度ですが、(生地のケミカル感が少ないため)ノンウォッシュのジーンズなどにも向いています。
(超高品質なTシャツと比べると加工処理の丁寧さに差はありますが)毛羽立ちは少ない方だと思います。他の無地Tシャツと比べても、着用時にしっとり感があります。肌への優しさもこだわりたい人にも◎。
1,500円という価格はやや高めですが、コーデ面でも優秀で、“きれいめ”からカジュアルまで対応してくれます。ケミカル過ぎる服でなければ、合わせやすいことも特徴。
彩度が低め&濃淡カラー展開が揃っているので、ベーシックカラーから落ち着いたコーデの差し色まで選べます。
ドライカラークルーネックT(半袖)
ドライカラークルーネックT(半袖)は、ユニクロの無地Tシャツで最もロングセラーの一枚。素材は(カラーによって多少比率が異なりますが)、綿&ポリエステルの混紡素材で速乾性の高さが特徴。
こちらは、ベーッシクな淡色と、ハッキリとしたダクカラーのラインナップが中心。レディースのジャストフィット×きれいめクルーネックTとしても有用です。
ただし、高級感があるわけではなく、どの色も多少の透け感があります。特に、白やグレーは透け感が強いため、一枚で着るには要注意。
ドライカラークルーネックTのコーデは、化学繊維でできた“シャカシャカ”アウターや、アクティブショートパンツなどといったアイテムと好相性。薄地であること&強すぎない天然繊維感が、アウトドアコーデにも対応可能。
肌触りは、サラっとゴロゴロしています。先述のスーピマコットンクルーネックTシャツ(半袖)が“しっとり”とは対照的です。
また、「ヒートテックでは痒くなる」という方の秋冬用のインナーとしても最適です。クルーネックTの他にVネックTもあるため、シャツの下に着て第一ボタンを開けても肌着として見えません。
オーバーサイズポケツキTシャツ(5分袖)
メンズ最後のラインナップは、オーバーサイズポケツキTシャツ(5分袖)。リラックスシルエット×中厚地のコットン100%の生地感によって、カジュアル色の強い無地Tシャツです。
今回、最もアメカジ的なTシャツで、厚地&透け感がほとんどないため、夏の一枚としての着用にも適しています。
合わせる服も、ノンウォッシュ~色落ちしたジーンズはもちろん、チェック柄のパンツなども◎。靴もブーツ良しスニーカー良し。レディースの場合、ボトムスの印象を和らげるミックスコーデのトップスとしても有用です。
一方、エアリズムコットンオーバーサイズTシャツ(5分袖)とは生地の厚さやフィット感が近いです。
違いとしては、オーバーサイズポケツキTシャツ(5分袖)の方が、
- よりゆったりでリラックスしたシルエット
- 着丈が短く、ハイライズのボトムスと合う
- 生地感がよりナチュラル&カジュアル
といった特徴があります。お腹周りに自信がないという方も、この無地Tシャツ一択といっても過言ではありません。
【2023年】ユニクロレディースの無地Tシャツ&おすすめコーデをご紹介!
続いては、ユニクロのレディース無地Tシャツをご紹介。
メンズ同様、ラインナップ自体は上記写真をご参照ください。特に、着丈の長短が豊富な点は、メンズのラインナップにはない要素です。
私からは各無地Tシャツの概要と生地感、オススメコーデの方向性などをご紹介します!
【ユニクロU】クルーネックT(半袖)
まずは、大定番のクルーネックT(半袖)。こちらは、メンズのクルーネックTシャツ(半袖)のレディース版ともいえる無地Tシャツです。
素材感も全く同じですが、シルエットは比較的タイトになっていることが特徴。レディースにとっては、メンズのクルーネックTシャツ(半袖)がリラックスシルエット、レディースがジャストフィットといって良いでしょう。
展開されているカラーも若干異なり、あらゆるパーソナルカラーを意識した展開がされています。メンズとは異なり、ミックス糸による低彩度のカラーがないのも相違点。
一方、着丈はやや長めで、基本的にはタックインでの着こなしがメインになります。メンズ同様、あまりクリーンでシャープなスカートやパンツとは相性が良くないですが、カジュアル感が多少ある~強いものまで幅広く合わせられます。
また、首部分の太めのリブがカジュアル感を強調しています。首周は開き過ぎず締り過ぎず、多くの方に“そこそこ合う”ように作られている「究極のベーシック」。
1,000円というプライスと多色展開、そして耐久性が高いこともクルーネックT(半袖)の魅力。シルエットの好みに合わせて、メンズ/レディースの双方を検討してみてください。
オーバーサイズT(5分袖)
続いては、オーバーサイズT(5分袖)。個人的にオススメ度が高いレディースの無地Tシャツで、ゆったりシルエット&さり気ない首周りのブランケットステッチ風が魅力ポイントです。
着丈自体はクルーネックTシャツ(半袖)よりもさらに長めですが、オーバーサイズシルエットですので縦への強調感は少な目。身長問わず、あえてオーバーサイズを着たい方や、体型に自信がない方にも向いています。
タックインして着られないこともないのですが、五分袖ですので、袖丈とウエストラインが横一列になるとあまりフェミニンさを感じさせません。どちらかというとタックアウト向けの無地Tシャツです。
ボトムスは骨格タイプに合わせたスカートはもちろん、パンツスタイルにも幅広く対応可能。カジュアル過ぎず、シャープ過ぎない生地感が幅広いコーデを可能にしてくれています。
また、同素材のフレアロングスカートとセットアップ可能。上記写真のように、基本色以外で組み合わせることで「あえてやっている感」が出て“高見え”します。
生地感は細かめですが、“しっとり”と“ゴロゴロ”の中間程度の感触。夏に一枚で着るのにも気持ちの良い肌触り。
ドルマンT(半袖)
ドルマンT(半袖)はその名の通り、ドルマンスリーブ&ややリラックスシルエットが特徴の無地Tシャツ。写真を見ると、脇部分にだけゆとりが大きくとられているのがお分かりいただけると思います。
ドルマンスリーブというと、骨格ナチュラルさんのための袖とイメージする方も多いと思います。しかし、ハリがある素材&シルエットも標準程度ですので、骨格ストレートさんも着られる無地Tシャツ。
そして、肝心のドルマンスリーブも結構控えめです。ユニクロらしいともいえますが、むしろ「ちょっとだけ袖ぐりが下がった標準的なTシャツ」と捉えた方が良いかもしれません。
着丈は長すぎず短すぎず、タックイン/タックアウトどちらも可能。写真も正面から見ると普通のTシャツにしか見えません。
カラー展開はハッキリした色が多め。細かな生地感×中地厚ですが、白は若干透ける素材感×シルエットもアームホール部分以外はそこまでリラックスではないため要注意。また、洗濯後は多少シワになります。
コーデはウォッシュデニム良し、フレアorタイトスカート良し。他のカラーを渋めにすると、纏まりやすくなりますよ。
リブ クロップドT(半袖)
リブ クロップドT(半袖)は、アクティブに見せたい方や、ボディポジティブな方にピッタリ。ユニクロにしては“攻めている”無地Tシャツですよね。
着丈がかなり短く、袖丈も短く、そして身体にジャストフィットします。先述のドルマンT(半袖)とは異なり、かなりインパクトのあるカットソー。
素材も、綿にかなりの量のポリウレタンが混紡されているため、ぐいんぐいん伸びます。ジャストフィットながら動きやすいこともリブ クロップドT(半袖)の特徴。
コーデに関しては、ボリュームのあるパンツやショート丈のアウターなどと合わせるのが良いと思います。Aラインシルエットを強調することが、こちらのTシャツの基本。
また、縦落ち感がハッキリしたリブを採用している点も、カジュアルアイテムとの相性を高めています。デニムのセットアップなどのインナーとしても良いですね。
スラブジャージークロップドT(半袖)
スラブジャージークロップドT(半袖)は、(リブ クロップドT ほどではないものの)よりユニクロらしさを体現しつつ、攻めた着丈の短い無地Tシャツ。
ややリラックスシルエットで袖丈も長く、二の腕が気になる方も挑戦しやすいトップスです。中庸感があった方がユニクロらしいですし、冒険もしやすいと思います。
「スラブ」とは、生地の意匠性のひとつ。コットン繊維を撚り合わせる際にあえて糸に節目を作ることによって、ところどころ独特の“うねっとした”ムラ感に仕上げています。
カラー展開は多くないものの、ナチュラルで優しい色が中心です。近くで見ると生地の表情があって面白い一方、遠目で見るとプレーンな印象の強い無地Tシャツですので、少し情報量が多めのボトムスと合わせると良いですよ。
具体的には、ウォッシュの掛かったジーンズや、ユニクロ×マルニのようなボトムス。あとは、軽めの化学繊維感が強いロングスカートとも良く合います。
今回は以上です。気になる無地Tシャツは見つかりましたでしょうか。
確かに、無地Tシャツは(スーツや革靴などと比べれば)パッと見のコストによる“差”は極めて小さい服であることは間違いありません。
正直、私も「10m離れたところから値段の違いを見分けろ」と言われたら基本無理だと思います。
しかし、ユニクロが多様な生地感&シルエットを展開していることからも、無地Tシャツは一枚であなたの表情を変えてしまう、他の服同様奥が深い服です。
シルエットや着丈、袖丈、生地のカジュアル/ドレス感、カラー。どんな季節でも基本は脱ぐことがないですし、意識して選ぶと良いですよ。
いすれにせよ、あなたの好みのコーデに寄せられる無地Tシャツ選びをしていただけたらと思います。
ではまた次回!
(少しでもお役立てられたなら、TwitterやWEBページに拡散していただけると嬉しいです!)