圧倒的な着心地を提供する最高のスウェット、kosaburouの「30/3×1/16 カシミヤ裏毛PILE SWEAT SHIRT」

「最高のスウェットは何だろう?」と考えたとき、ブランド力や着やすさ、コスパなどさまざまな見方があると思います。
今回ご紹介する、kosaburou(コサブロウ)「30/3×1/16 カシミヤ裏毛PILE SWEAT SHIRT」は、素材の贅沢な使い方と着心地を超ハイレベルで両立したラグジュアリーなスウェットです。
三重県にある老舗縫製工場・近藤ソゥイングが立ち上げたファクトリーブランド“kosaburou”は、主力商品の「100年Tシャツ」の他にもスウェット類が非常に魅力的です。

2025年秋冬シーズンに正式に登場したカシミヤ裏毛シリーズの開発の背景には、「カシミヤの贅沢な肌触りを日常着で楽しんでほしい」という思いがあったそうです。
カシミヤといえば高級セーターの代名詞ですが、その繊細さゆえに日常使いでは耐久性に課題があります。
そこでkosaburouは発想を転換し、表地に安定性と高級感を追求した超長綿コットンを採用し、肌に触れる裏地にカシミヤの中でも太めの糸をパイル状にして組み合わせるというハイブリッド構造のスウェット生地を開発しました。

コットン×カシミヤの裏毛スウェット生地は他に類を見ない画期的な試みで、市場でも極めて珍しい存在です。
今回は私が実物を交えて、どのような作りなのかを紹介していきます。
\ 「kosaburou」はこちら/
「30/3×1/16 カシミヤ裏毛PILE SWEAT SHIRT」圧倒的な着心地の実物レビュー

早速、「30/3×1/16 カシミヤ裏毛PILE SWEAT SHIRT」の実物レビューをしていきます。

定価は66,000円(税込)、181cm/72kgの私はサイズ2(L)をチョイスしました。
最大の特徴は「カシミヤのループバック」を採用している点

このスウェットにおける最大の特徴は、グレーの裏毛部分がすべてカシミヤ100%のループ状に編まれている点。
元々、スウェットの裏側のループは、運動の快適性を上げるためのディテールです。
- 吸水性:ループで表面積が増え、汗を受けて広げやすい設計になっている
- 肌離れ:肌に当たる面が点接触寄りになることで、ベタッと貼りつきにくい
- 保温(空気層):ループの凹凸が空気を含み、冷えを抑える
- 伸縮・動きやすさ:編み構造としてテンションを逃がしやすく、動作に追従しやすい
といった特徴がありますが、タオルがループ状になっているのも汗を吸い取りやすく貼りつかないための工夫です。

通常のスウェットはコットン100%にすることで、吸水性を高めて運動を意識した作りになっています。

一方、「30/3×1/16 カシミヤ裏毛PILE SWEAT SHIRT」は、この裏面がカシミヤ100%になることで、
肌触り
肌に当たる面積の多くがカシミヤになるので、ヌメりがあり柔らかく、チクチクしにくい
暖かさ
ループが空気を抱えつつカシミヤ自体も保温性が高いので、同じ生地厚でも暖かく感じやすい
蒸れ/汗
カシミヤは吸湿性もあるため、秋冬の適度な湿度条件では蒸れにくい
といった特徴を持たせています。
よく混同されがちなのが「吸水性」と「吸湿性」。
吸水性(=汗など液体をグングン吸う)は綿の方が優れていますが、吸湿性(=湿度に応じて空気中の水分を繊維内部に取り込む力)はカシミヤの方が優れています。

つまり、汗をかきすぎないタウンユース環境で、着ることで保温性と肌触り、さらに湿度調整の面においても快適なスウェットに仕上がっています。
度詰め編みの高密度裏毛生地

また、「30/3×1/16 カシミヤ裏毛PILE SWEAT SHIRT」の裏毛は、国内でも希少な度詰め裏毛編み機によって編み立てられることで超高密度になっています。
「度詰め」とは通常よりも目を詰めて編み、生地の密度を極限まで高める手法のこと。
密度を高く編むことで、適度な肉厚感とコシのある風合いに仕上げつつ、生地自体の保温性も向上します。

その一方で、裏面には先述のとおりカシミヤ糸を用いているため、適度な肌離れの良さと軽やかさ、柔らかさを感じさせる裏毛です。
「肉厚だけど重くないし着ていても過度に着ぶくれしない」という着用感で、ダウンコートやオーバーサイズコートのインナーと着合わせるミッドインナーとしても有用です。

カシミヤを裏起毛(ブラッシング)ではなくループ状の裏毛に留めることで、繊維を擦り切らせずにカシミヤの抜け毛や毛玉を抑える効果があります。
併せて、カシミヤとしては太番手の糸を採用することで、コサブロウらしい耐久性にも気を配っています。
マタギの3本針ステッチで耐久性と着心地を追求

Image Photo by kosaburou
さらに、このスウェットは大部分を「マタギ3本針ステッチ」によって丁寧に縫い合わされていることも特徴です。
「マタギ3本針ステッチ」は、縫い合わせた“段差(縫い代)”をまたぐように、3本針の偏平縫い(いわゆるカバリング系の縫い)で上から押さえていく仕様です。
この縫い方のメリットは大きく2つあり、
- 耐久性に優れる
縫い目を追加で押さえることで、力がかかりやすい部分の縫い代が暴れにくくなり、実用面でも補強になりやすい。 - 着心地が良くなる
縫い代を包む/寝かせる方向になるため、肌側のゴロつきや縫い目の当たる部分を減らしやすい。
といった優位性があります。

量産品のスウェットでも3本針自体はそこまで珍しくはないですが、“両振りまたぎ”は縫い代の端を包む/隠す工程が必要で、しかもほとんどの縫い目に行うのはかなりの手間が掛かります。
表地が超長綿100%で上質かつタフ、裏毛がカシミヤという特徴を持つうえに、縫製面においても快適でストレスが少ない一着です。
職人技が息づくディテールと耐久性
素材の良さを最大限に活かすためには、確かな技術による仕立ても欠かせません。
こちらの記事でも書きましたが、kosaburouは「絶対品質宣言」を社是とした商品作りが特徴のブランドです。
一人の職人が裁断から縫製まで一貫して担当し、細部まで縫製が非常に丁寧な点も見逃せません。
手間の掛かる仕様を採用し、一枚一枚に対して厳格な検品を行い、僅かな縫製ミスも見逃さない品質管理など、生地に全く負けていない製造工程も大きな強みです。

製造工程においても品質を追求している点が、デザインとしての美しさだけでなく、着心地や耐久性に寄与しています。
高品質な素材と技術の融合により、ブランド物にないタフさと上質さを持ち合わせた一着に仕上がっています。
\ 「kosaburou」はこちら/
終わりに|「タウンユース×超高品質スウェット」を探す人のための一着
今回は以上です。
「究極のスウェット」を求める人にとって、kosaburouの「30/3×1/16 カシミヤ裏毛PILE SWEAT SHIRT」は、求めている答えの一つだと思います。
コサブロウお家芸でもある安定した超長綿と、耐久性と肌面のやさしさを考えたカシミヤ素材を「裏側ループ」として使用するという“奥ゆかしい贅沢さ”を併せ持ち、さらに縫製も抜かりがないという素晴らしい一着です。
ブランドとしてこれ見よがしな要素は一切ないけれども、内面の豊かさを体現するような、まさにとてつもないスウェットに包まれたい人のための一着です。
価格は66,000円(税込)と全く安くはありません(し、同素材で作られたパーカーは132,000円(税込)と非常に高価です)。
しかし、本当に良いスウェットを着たいのであれば、見逃せない一着だと思います。
真冬だけでなく秋口から春先まで長く活躍し、着る人に圧倒的な満足感を提供してくれます。
大量生産品や大量の広告費が上乗せされた“ブランド物”では再現できないこだわりが詰まった一着を、ぜひ体感してみてください。
おしまい!
(少しでもお役に立てたなら、SNSに拡散していただけると嬉しいです!)
\ 「kosaburou」はこちら/
