プロのファッションデザイナーが、「ユニクロU」2022年春夏のメンズ&レディースを解説
アースカラー×ワークテイストを、上品なデイリーウェアに落とし込んだコレクション
中間色コーデに抵抗感ある人へ、解決策も提案
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こんにちは、しょるです。
ついに、1月28日(金)、ユニクロユー(UNIQLO U)の2022年春夏シーズンが発売されました。
今シーズンも、ワークやミリタリーテイストのアイテムや、コロナ禍によるリラクシングな“ワンマイルウェア”が継続される一方、トレンドのニット素材や、上品な加工がされた生地感のアイテムが増えた印象です。
中間色のシックなカラーとノスタルジー性を前面に出して、カジュアルながらどこか落ち着きのある、大人のウェアに仕上がっているのではないでしょうか。
そして、こちらの記事では、ユニクロユー(UNIQLO U)メンズ&レディース新作を、プロのデザイナーである私しょると、
- どんなアイテムがオススメか
- どういったディティールが特徴か、普通のユニクロとどこが違うのか
- どんなアイテムと合わせればよいか
の3点に絞って、お話させていただければと思います。
それでは早速、見て参りましょう!
↓ユニクロ通常ラインも含めたオススメはこちら!
【2022春夏】 ユニクロユー(UNIQLO U) のポイント!今シーズンは「軽さ」が特徴
今までの上品なワークカジュアルスタイルに、「軽い生地感」をプラス
ユニクロユー(UNIQLO U) の2022年春夏シーズンのテーマは“The Rhythm of Spring”。軽快に奏でる春のスタイルということで、今までの春夏コレクションと比べても、特に軽さを重視したアイテムが目白押しです。
ベースはあくまでデイリーウェアでありつつ、どこか上品さを持ったワーク調のアイテムという展開は従来通り。
ただし、今シーズンならではの特徴として、天然素材(ライク)な質感の表現や、レイヤードを前提とした薄めの製品が多くなっています。
カラーは引き続きアースカラーが中心、ナチュラルやインディゴにも注目
ユニクロUの今期メインカラーに関しては、メンズ・レディース共にサステナブルを意識したグリーン系をメインカラーに、淡く控えめな彩度がほとんど。
また、公式スタイリングのコーディネートも、色数を押さえたユニクロUらしい優しい色調になっています。
ユニクロUが苦手な方は、たとえば全身中間色だと髪の毛や瞳の黒が浮いてしまうと感じられる方や、もっと濃色を取り入れたい!と思いがち。そんな方は、
- オリーブグリーンやインディゴカラーのアイテムを中心に購入する
- 黒のトップスやインラインのボトムスと組み合わせる
- インラインのアイテムと混ぜて、ピンポイント使いにする
などが考えられます。
オリーブグリーンは似合う方が多く、黒とも良く馴染むカラーです。もし、あなたがオリーブグリーンがあまり好きではなくて「髪の毛が黒くて浮く」と感じる場合、顔の近くにあるトップスを濃色(黒やダークネイビー)にして、ボトムスやアウターをユニクロUにすると、浮いていると感じにくくなります。
ユニクロUのトップスで選んでも構いませんし、基本的に扱われている生地素材のランクはインラインと変わらないので、思い切ってインラインを混ぜるのも手です。
そもそも「 ユニクロユー(UNIQLO U) 」とは??通常のユニクロとの違いは??
ファッションが好きな方には説明不要かと思いますが、 ユニクロユー(UNIQLO U) とは一体、どんなユニクロなのかについて解説します。
「 ユニクロユー(UNIQLO U) 」は、クリストフ・ルメール率いるデザインチームによる特別ライン
Uniqlo Uとは、アーティスティックディレクターのクリストフ・ルメールが、上質なワードローブを追求するコレクション。シーズンを追うごとに、究極のデイリーウエアは進化し続けます。
パリ R&D センターについて
ユニクロの R&D センター(リサーチ&デベロップメントセンター)は、その地域のファッション動向やライフスタイル新素材の情報などを調査し、商品やコンセプト・デザインなどを研究開発する拠点です。東京・上海・ニューヨーク・ロサンゼルスとともに R&D センターのひとつであるパリは、Uniqlo U デザインチームの本拠地。名だたるファッションブランドで活躍してきた世界レベルのデザイナーや熟練したパターンメーカーなど各メンバーの専門技術を生かし、未来の LifeWear を創り出しています。
ユニクロ 公式HPより引用
ユニクロUは、クリストフ・ルメールが率いるデザインチームが手掛けた特別コレクション。2015年秋冬シーズンから始まり(当初は「UNIQLO&LEMAIRE」という名前でした)、今回で丸7年目のラインです。
クリストフ・ルメールはパリ出身、エルメスのレディースやラコステといったブランドのデザイナーを歴任したデザイナー。現在は自身のブランド「ルメール」も担当しています。
ユニクロUはルメールが顔となり、特別感あるアイテムをユニクロ価格で展開するラインです。
「 ユニクロユー(UNIQLO U) 」と通常のユニクロとの違い
初心者の方に向けて(とても)ざっくりお話しさせていただくと、
ユニクロUは通常のユニクロと比べて、
- 全体的に上品でクラシックなテイストになっており、落ち着いている
- 中間色(真ん中くらいの濃さの色)のアイテムが多め
- さりげない「デザイン物」で、やや特別感あり
といった違いがあります。
ユニクロUの「特別感」は、超都会的なバリバリした感覚というよりは、あくまでナチュラルでタイムレス、クラシカルな雰囲気が特徴。
通常のユニクロとは違った雰囲気や感覚が、ファッションに重要な「他とは違う感覚」を体感できます。
↓ファッションの定義についてはこちら(やや難)
ユニクロは今もカジュアルが中心となっているメーカーですが、私たちがカジュアルと思うものは、多くが「アメリカン」カジュアルのアイテムです(ジーズ然り、チェックシャツ然り)。
ユニクロUのカジュアルは、“アメカジ”や通常のユニクロらしい雰囲気とはまた違ったカジュアル。
パリ出身&パリの有名ブランドでキャリアを積んできたルメールらしい、いわゆるヨーロッパ的な色彩&クラシカルな感覚と、ユニクロ本来の日常使いできる親しみやすさを掛け合わせた点が魅力。
【2022春夏】プロが選ぶ、ユニクロユー(UNIQLO U)レディースのおすすめ&コーデ!
テーラードジャケット&テーラードパンツ セットアップ可能
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7,990円+3,990円
まずは、テーラードジャケット&テーラードパンツ セットアップ可能。トレンドのスタイル、トレンドのカラーをユニクロ価格で再現できるアイテムです。
生地感も今期のユニクロUを代表するような、柔らかく軽やかな麻のような生地感をポリエステルで再現。カッコいい女性を演出するピシッと感とナチュラル感を両立しています。
それでいてシワにもなりにくく、ケアが楽ちんなのもユニクロユーザーにとっては嬉しいポイント。
身長がやや高めな骨格ストレートさんが似合う一着だと思います。個人的には58 DARK GREENが好きですが、50 LIGHT GREENで淡色コーデもアリ。
コーデ面では、インナーはエアリズムコットンT(ノースリーブ)などのTシャツ類はもちろんOK。骨格ストレートさんなら、ジャケット+ベルテッドコートワンピース(5分袖)も良いですよ。
その他、春先ならばハイツイストコットンボートネックセーター(長袖)もオススメ。
フーデットブルゾン
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6,990円
続いては、フーデットブルゾン。ユニクロのアウターといえばやはり、こういったカジュアル系のブルゾンが最もコストパフォーマンスの高さを活かせると思います。
通常ラインのユニクロであれば、化学繊維で耐水性を確保していたところでしょうが、ユニクロUらしいコットン100%の素材に撥水加工を施している点が特徴。コレクションテーマと機能性を両立しており、見た目も可愛いのがオススメポイント。
なりたい姿に応じて幅広く合ってくれるアイテムで、後述で紹介するイージージーンズで“コットン感”を演出しても良し。あるいは、あなたの骨格タイプに合ったエアリズムコットンワンピースシリーズもOK。
イージージーンズ
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3,990円
3番目に紹介するのが、イージージーンズ。一見クラシカルな雰囲気のテーパードデニムですが、柔らかで軽めなデニム素材&ウエストがゴムになっていることで、室内でもお出かけでも穿きやすい一本になっています。
膝から裾に掛けてはやや細身ですが、ウエスト~ヒップに掛けてはゆとりがあるため、お尻周りにあまり自身が持てないという方にもオススメです。
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カラーは53 GREEN、42 YELLOWといったテーマカラーと、09 BLACK。色落ち&淡色の2色は、きれいめに着こなす場合はトップスも同系色によるトーンオントーンコーデがオススメ。
一方、「色落ち感自体があまり・・・」という方は、09BLACKで締めると、より細くきれいめに見えます。
トップスは、骨格ストレートならVネックベストなど首周りが開いたものを、骨格ウェーブならギャザーシャツなどふわっとしたものが良いですね。骨格問わず穿きやすいトレンドアイテムなので、一本あると何かと便利。
エアリズムコットンワンピース(シリーズ)/ ギャザーワンピース
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2,990円
エアリズムコットンを使用したワンピースが複数種展開されていることも、今シーズンのユニクロUの特徴。
エアリズムコットンロングフレアワンピース(半袖)は長さが2種類で、骨格ナチュラルさんに似合う確率が高いアイテム。また、エアリズムコットンベルテッドワンピース(半袖)(写真右)は、明らかに骨格ストレートさんを意識して作られたアイテム。
ストレートさんはベルテッドコートワンピース(5分袖)もありますが、生地感(と価格)が大分違うので、お好みで判断してくださいね。
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ちなみに、骨格ウェーブさんに向けてはギャザーワンピースがあります。ふんわりとした雰囲気が、長めの首やデコルテ部分が痩せている方にピッタリです。
今シーズンは、ワンピースのラインナップがかなり手厚いですね。
ミディスカート セットアップ可能
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2,990円
ミディスカート セットアップ可能は、あらゆる骨格に対して「そこそこ合う80点」を実現している、万能スカート。
公式のページに書かれている「フレンチテリー」とは、一般的には外側が平滑な生地感で、内側が起毛されているもの。チャンピオンのスウェットなどを思い浮かべていただくと、分かり易いのではないでしょうか。
ちなみに、セットアップの相手はボクシーT(半袖)セットアップ可能です。内起毛素材なので真夏までは考えにくいですが、クリーンに纏まるので、カッコよさと若々しさを程よく配合したい骨格ストレートさんに良い組み合わせ。
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もちろん、セットアップ使い以外でも素敵さを発揮します。オーバーサイズシャツ(骨格ナチュラル)、ギャザーシャツ(骨格ウェーブ)などと相性◎。いずれも軽く、ふんわりとした空気感のコーデにしてくれます。
加えて、ガウチョパンツも同素材です。スカートがしっくりこないけれど、この素材が好きな方はトレンド色の強いこちらもトライしてみては。
【2022春夏】プロが選ぶ、ユニクロユー(UNIQLO U)メンズのおすすめ&コーデ!
ステンカラーコート
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12,900円
まずは、 ステンカラーコート。ユニクロUで定番となった、光を拾って様々な色合いを見せる玉虫色のアウターです。
ポリエステルを中心に、コットンも混紡された薄手の生地で、オーバー過ぎないサイズ感が男女問わず着やすい一着に仕上がっているのではないでしょうか。
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デザインのポイントは、脇下のサイドに配されたスリット(ベンツ)。スーツも背中にサイドベンツが配されているものが多いですが、コートで真横にもってくるものは珍しいですね。
カラーは38 DARK BROWN が絶対にオススメ。ワイドフィットテーパードパンツはもちろんのこと、セルビッジレギュラーフィットジーンズからフレンチリブパンツまでOK。いずれも、きれいめな印象に整えてくれます。
オーバーシャツ ジャケット(デニム)
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6,990円
続いては、毎シーズン展開されているデニムのアウター、オーバーシャツ ジャケット(デニム)。
今期のデニムのトップスは、ポケットの配置によってワークテイストが強くなった一着です。
生地も綿にリネンが混紡され、柔らかい&目付けも軽めな生地を使って春夏向けになっている点が、非常に特徴的だと思います。
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公式のスタイリング(ストライプTシャツ、セルビッジレギュラーフィットジーンズ、ニットスニーカー)が非常に良いと思いました。まさに、カジュアルな中に上品さを求めたい人にピッタリ。
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加えて、デニム素材ではないオーバーシャツ ジャケットも良いですね。こちらも、フレンチリブパンツとの同系色の組み合わせが◎。
オーバーサイズニットTシャツ(五分袖)
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2,990円
トレンドアイテムでもあるニットからは、オーバーサイズニットTシャツ。今期のアイテムの中で、個人的にかなり推している一着です。
特徴としては、ハイツイスト(強撚)されたコットンの糸で編まれた点。縄を思い浮かべていただくと分かり易いと思いますが、糸も撚る回数が多くなる(強撚になる)と引っ張り強度が高くなり、シワ回復力に優れた生地になります。
加えて、表面もザラっとした感じになります。クルーネックTなどの上にレイヤードとして着てもOKで、夏のコーデの物足りなさを感じる人に、ぜひ加えていただきたい一着。レディースもチャレンジしやすいと思います。
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ちなみに、今期のユニクロUのメンズのニットは、いずれもユニセックス使いがしやすい構成になっています。
皆さんの中でも、こちらのニットポロシャツ(半袖)を狙っている方が多いのではと思いますが、こちらもハイツイストコットンで編まれているので、同じような特徴があります。
3Dクルーネックセーター(長袖)
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3,990円
3Dクルーネックセーター(長袖)も、負けず劣らずのオススメアイテム。
ユニクロが近年力を入れているホールガーメントのニットですが、ユニクロUのテーマに沿って、リネンのシャリ感による軽快さを確保しています。
その上、加工によって綿素材の細かな毛羽が処理され、「ぽあぽあした」毛羽が多少立ちにくくなっています。
クリーンな上質感があるため、シャツやステンカラーコートと合わせてきれいめもOK。
また、あえてボトムスをプレーンなスウェットにして、「外し」ても面白いですね。
ニットスニーカー
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3,990円
最後に、非常に売れそうな予感しかしないニットスニーカー。
編み目の細かなニット素材で春夏のカジュアルコーデに幅広く合ってくれる、高級感の再現から上手く逃げた一足・・・というと語弊がありますが、得意分野で勝負できているコストパフォーマンスが高いシューズとも言えます。
カラーは33 KHAKIがおすすめ。スウェット、デニム、スラックスまで合う、汎用性高いアイテムで、初心者の方にもまず買うと良い靴としてオススメできます。
ただし、サイズ展開は1cm毎の展開です。歩きにくいくらい大きいor小さいなら、無理せず諦めてください。
靴のサイズ感は、見た目以上に健康面で非常に重要です。特にサイズが緩い方がまずいのですが、紐なし靴だとみんな緩いものを選びがち。外反母趾や腰痛の遠因になるので注意してくださいね。
終わりに:「ユニクロユー(UNIQLO U)」2022春夏シーズンは結構良い
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今回は、 ユニクロユー(UNIQLO U) の2022春夏シーズンをご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。
ユニクロUは変化の大きなコレクションではありませんが、個人的には、今期は結構良かったと思います。
レディースはアウター類&ワンピースが充実していましたし、メンズのニット素材もとても良かったと思います。
軽くシワ感あるアイテムが多いため、パリっとした感じがお好きな方には向いていませんが、自然体でカッコいいを目指す人にとっては、とてもリーズナブルで素敵なコレクションではないでしょうか。
それでは本日はこの辺で。
あなたの日常に、 ユニクロユー(UNIQLO U) がちょっとだけ違いを与えてくれますように。
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おしまい!