ユニクロ×JW ANDERSONのオックスフォードシャツをレビュー|レーヨン40%混紡の理由とメリット・デメリット

こんにちは、しょる(@SHOLLWORKS)です。
本日は、ユニクロ×JW ANDERSONのオックスフォードシャツを通じた「意匠性」にフォーカスを当てた話です。
こちらのシャツ、ユニクロ×JW ANDERSONのコラボレーションは男女ともに定番となっていますが、いずれもオーバーサイズ×レーヨンを40%も混紡していることが素材面での大きな特徴です。

結論、ユニクロ×JW ANDERSONのオックスフォードシャツが綿60%・レーヨン40%なのは、伝統的なオックスフォードの雰囲気を残しつつ、現代的なオーバーサイズシルエットをきれいに見せる「落ち感」と、クリーンに見える微光沢を加えるためだと考えられます。


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ファッションは「なんか良さそうだから」といった情緒的価値による購入ももちろんOKな世界ですが、素材表記などから「購入後、着るうちにこうなるだろうな」と見立てることも実用面では重要です。
特に今回のオックスフォードシャツに関しては、トレードオフとなるデメリットも存在することは確かなので、ここを読むだけでも買い物の精度が上がります。

というわけで、ユニクロ×JW ANDERSONのオックスフォードシャツが、綿100%の定番オックスフォードシャツと比べて何が良く、何が良くないのかを見ていきましょう。
そもそも、オックスフォードシャツは何が「らしさ」なのか
まず、オックスフォードシャツの典型例から、何が「らしさ」なのかについてお話しします。
オックスフォード生地が愛される理由

通常ラインの「オックスフォードシャツ」
オックスフォードシャツと聞くと、多くの人がイメージするのは
- ほどよい厚みとザラッとした表情
- 洗いざらしでもサマになるラフさ
といった要素だと思います。

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そもそも、オックスフォード生地は、一般に糸を引き揃えて織ることで織り目に少し隙間が生まれ、通気性やふっくら感が出やすいもの。
だからこそ、ビジネス用のブロード(つるっとしたシャツ地)よりカジュアル寄りで、ボタンダウンと相性が良い、という「定番」が長く続いてきました。
そして伝統的に綿100%が多いのは、綿が吸湿性が高く、肌当たりが良く、洗濯を繰り返しても風合いが育つ、という日用品としての強さがあるからです。

オックスの良さは、素材のタフさと、カジュアルな抜け感のバランスにあります。
だから混紡にするときは、そのバランスをどちら側に寄せたいのかがポイントになります。
オーバーサイズになると素材の影響が増える
ただ、近年のシャツは、トレンドやレイヤードスタイルとしての需要、オンラインで購入してもサイズミスと感じにくいことから、オーバーサイズな一枚が求められがちです。
丈が長く身幅も大きいオーバーサイズは体型を選びにくい反面、生地が硬すぎると箱のように張ってしまい、さらにオーバーサイズだからこそ一層インナー使いしづらくなります。

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ここで重要になるのが、ハリだけでなく、重みやしなやかさによって生まれる落ち感(ドレープ)です。

ここはパターンや生地の織り方だけでなく素材でも調整できる部分ですし、むしろ生地から設計が生まれることの方が多いです。
今回のオックスフォードシャツはオーバーサイズ、特に羽織りにもインナーとしても使うような服であるため、繊維の混紡率などがどう影響するかまで考えられていると思います。
JW ANDERSONのオックスフォードシャツに、レーヨンが40%入ってどうなる?


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次に、今回のユニクロ×JW ANDERSONのオックスフォードシャツが、綿60%・レーヨン40%であることの影響について。

レーヨンが40%も含まれていることは「つまりどういうことなのか」という点についてお話しします。
レーヨンは「なめらかな再生セルロース」だから“落ち感”が出やすい

レーヨンを一言でいうと、植物由来のセルロース(繊維のもと)をいったん溶かして再生した「再生セルロース繊維」です。
シルクを目指して作られた「人造絹」として発展した素材で、シルクに似たドレープ感や落ち感を得られやすいため、今回のオックスフォードシャツに混紡されています。
もちろん、シルクではなくレーヨンが採用されている理由として、ユニクロならではの機能性やコストカットも考慮されています。

これを例えばコットンとシルクを混紡してしまうと、多くの場合で価格が跳ね上がりますし、そもそもシルクは大量ロットの商品に使いづらく、さらに虫害のリスクも高まってしまいます。
レーヨンの注意点は「濡れ」と「摩擦」
レーヨンの強みは、しなやかで光沢感が出やすいことで肌当たりが滑らかな点。
一方、弱点も明白で、濡れた状態での強度が落ちやすく、さらに摩擦に弱いという欠点があります。
つまり、洗濯して濡れた状態から、急激な熱と回転で他の衣類との摩擦が起きる乾燥機は製品寿命を大きく縮めるリスクがあります。

基本的にレーヨンが入っている服は乾燥機NGだと思ってください。
また、他の衣類との摩擦を避ける意味でもネットに入れて洗うことをおすすめします。
綿の「安心感」を土台にして、レーヨンで表情を整える

言わずもがな、残り60%を占める綿は、オックスフォードらしい表情と日常着としての安心感を担います。
ここにレーヨンを40%混ぜると、綿100%ほど硬くはならず、しかしレーヨン100%ほど繊細にもならない、その中間的でほどよい都会感を落とし込めます。

レーヨン40%という比率は、混紡としてはそれなりに存在感のある配合です。
オックスフォード特有のふくらみや凹凸感の上からでも、落ち感や滑らかさの変化を体感できるラインを狙いつつ、オックスらしさを完全には捨てない比率を狙っていると思います。
カジュアルコーデをドレスチックに持ってくる


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ユニクロ×JW ANDERSONのオックスフォードシャツは、オックスフォードの土っぽさを抑え、モダンでクリーンな印象へ寄せられています。

ユニクロのコストの中でできる滑らかさや微光沢といった工夫と、カジュアルの定番をドレス寄りの清潔感へ引き上げるための混紡、と捉えると理解しやすいと思います。
私の場合はEZYジーンズとコーデして着ています。

デメリットは?イージーケアより見え方を優先した可能性
一方、ユニクロ×JW ANDERSONのオックスフォードシャツはハッキリとした弱点もあります。
乾燥機不可は素材の性格を示すサイン
先述でも触れましたが、レーヨンは濡れた状態で強度が落ちやすい素材で、摩擦が強い洗い方だと型崩れや毛羽立ちのリスクが増えます。
そのため、商品ページでも「洗濯機は可としつつネット使用」「乾燥機不可」といった条件が付いています。

ユニクロは「リーズナブルで高品質な服を短いスパンできれいに着る」という方も多いと思いますが、まさに良くも悪くもその方向性に触れているシャツだといえます。
洗濯するとシワが強く残る

シワが取れません
そして、実際に購入してみた立場として、洗濯に対する耐シワ性がない点が致命的でした。
この写真のように、洗濯して軽くシワを伸ばし、さらにスチームアイロンを当てても基本的にアイロンが必須な程度にはシワが残ります。
アイロンがけが好きな人、シャツは掛けて当然という価値観の人には良くても、ユニクロでタイパとコスパを求める人にはお世辞にも向いていないシャツです。

レーヨンは洗濯によって生地が“折れやすく”、そのまま形状が固定される性質があります。
そのうえ、オックスフォードは糸が太くて組織も立体的なため、二重の性質でめっちゃシワになります。
置きジワも付きやすい
さらに、レーヨンが混紡されていると、洗濯ジワだけでなく置きジワや畳みジワも付きやすいです。
そのうえ、綿やポリエステルに比べてシワから元に戻ろうとする力が弱く、いったん付いた折れ跡が時間経過で消えにくい性質があります。

ハンガーに吊り下げて収納する方はまだ良いのですが、畳んで保管したり、つい置いてしまう方は避けた方が良い服です。
向く人/向かない人チェックリスト
購入判断をシンプルにするため、ユニクロ×JW ANDERSONのオックスフォードシャツが向く人/向かない人は以下のとおりです。
向いている人
- オーバーサイズのカジュアルシャツを縦にすっきり&都会的に見せたい人
- 3,990円という価格でなるべくカジュアル×高級感の存在感あるシャツを求めている人
- ネット洗い・アイロンがけの手間が許容できる人
- 服はハンガーに吊り下げて保管する人
向かない人
- オックスといえば綿100%のタフなシャツだと思う人
- 長年着用できる一枚を追い求めている人
- アイロンがけなどの手間を掛けたくないタイパ重視の人
- 服を畳んで収納する人や積み重ねて置いてしまう人

どちらが自分の価値観に近いかを鑑みて、購入の判断をしてみてください。
【Q&A】ユニクロ×JW ANDERSONオックスフォードシャツの疑問に答える
そして、ここまでの内容やその他をまとめて、Q&A形式にしました。
終わりに|素材を知ると、シャツ選びはもっと納得できる
今回のユニクロ×JW ANDERSONのオックスフォードシャツは、見た目の印象だけでなく、素材の選択そのものがシルエットや雰囲気に直結している一着だといえます。
伝統的なオックスフォードの安心感を土台にしながら、現代的なオーバーサイズをきれいに見せるための工夫が随所に感じられました。
一方で、その意匠性と引き換えに、イージーケア性や耐久性では割り切りが必要な点もはっきりしています。
万能な定番シャツというより、「どう見せたいか」を優先したプロダクトであることを理解しておくと、購入後のギャップは少なくなるはずです。
最後に、この商品を個人的に薦められるか否かでいえば、個人的には「否」です。
というのも、私はユニクロは着ているときだけでなく、手入れの簡単さも重視すべきブランドと思っているからです。
「見た目がどうしても気に入った、アイロン掛けも得意だし、保管にも気を付ける!」という方でなければ見送るのも一つの選択肢だと思いました。

ファッションは感覚で選ぶ楽しさも大切ですが、素材表記から着用後の姿を想像できるようになると、選択の精度は確実に上がります。
特に今回のような混紡素材は、その意図を知るだけで評価軸が整理しやすくなりますよ!
おしまい!
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