もし、あなたが最高のスーツをお探しなら。
リングヂャケット(RING JACKET)というファクトリーブランドは、その願いを叶えてくれるかもしれません。
RING JACKET 公式HPより引用
こんにちは、しょるです。
本日は、個人的にオススメ度No.1、日本屈指のスーツブランドであるリングヂャケットをご紹介。
私たちは、スーツが生まれたとされる英国やイタリアのブランドに憧れを抱きがちですが、突き詰めると服作りにおいて日本の縫製技術は突出しています。
中でも、複雑な工程を経るスーツはクオリティ面で顕著な差が現れますが、リングヂャケットは(ブランドとして)日本の中でも突出した縫製技術を誇る、高品質なモノづくりを代表するメーカー。
もちろん、注文服のテーラーであれば、素晴らしいファクトリーは他にも存在します。しかし、ある程度の生産規模を持つ既製服において、リングヂャケットに比肩するファクトリーは、世界的にみてもほぼ存在しません。
そんな訳で本日は、プロのファッションデザイナーであり、スーツマニアでもある私がリングヂャケットというメーカーの評判、そしてスーツの代表的なモデルをご紹介。
あなたがもし、「瘦せ型~標準体型」で「ブランドネームに囚われない高品質なスーツが欲しい」なら、絶対見逃せない内容なので、ぜひよろしくお願いします!
リングヂャケットとはどんなメーカー?各レーベルの違いを解説
リングヂャケット(RING JACKET)は1954年、大阪に創業したメーカー。
元々はいわゆるOEMメーカー(今もですが)で、1948年創業、日本初のメンズブランドであった「ヴァンヂャケット」のジャケットを製造していました(現在も存在するブランドですが、今は製造していません)。
ちなみに、打ち間違いではなくリング「ヂ」ャケットです。これはブランド化する際、ヴァンヂャケットの創業者にして「メンズブランドの神様」と言われた、故・石津謙介氏が命名したことに由来。
そして近年、リングヂャケットの実力を知らしめたのが、ビームスやユナイテッドアローズといった、セレクトショップの最高級ラインのスーツを手がけてきた実績です。
10万円前後のプライスでハイブランドを凌駕するスーツを提供していることで、エンドユーザーにもその名が知られるようになりました。
スーツは主に4つのライン、アンダー10万円~40万円のものまで
リングヂャケットのラインは現在、主に4種類。
- ネイビーレーベル(~9万円程度)
- 通常ライン(9~13万円程度)
- マイスターライン(14~26万円程度)
- マイスター206ライン(26万円~)
それぞれブランドネームタグが異なるので、判別は容易です。
リングヂャケットマイスターは前身の「サルトリアリング」時代の2007年にデビュー。そして、リングヂャケットマイスター206(トゥー・オー・シックス)は2016年秋冬シーズンに誕生しました。
一方、廉価版であるネイビーレーベルは、2018年秋冬に誕生しました。
リングヂャケットネイビーレーベル
RING JACKET 公式HPより引用
リングヂャケットネイビーレーベルは、主力ラインで最も新しい&廉価なライン。メーカー側は「ビジネスユースに最適」と位置付けています。
通常レーベルから台場仕立てなどのディテールを廃し、使用するテキスタイルもカノニコなど、ほどほどのものに限るなどが特徴。
正直、あまりオススメしません。20代中盤~で良いスーツが欲しい方向けですが、見た目は通常レーベルと同じモデルがほとんど。廉価といっても7万円台後半なので、もう少し出せば通常レーベルに手が届くからです。
リングヂャケット(通常レーベル)
RING JACKET 公式HPより引用
リングヂャケット(通常レーベル)は長らく主力として据えられていたライン。以前はサルトリアリングという名前で、ブランドタグにも“Handmade”とも書かれていました。
通常レーベルでも、大抵のハイブランドのスーツよりは上の造りになっています。セレクトショップのリングヂャケットがOEMや別注をした際、提供されるのは大体このレーベル。
価格も9万円~13万円程度のレンジで、カノニコやロロピアーナ、ドラゴといった有名メーカーのテキスタイルを使用しています。
リングヂャケットマイスター
RING JACKET 公式HPより引用
リングヂャケットマイスターは現在、オンラインストアや直営店の実質的な主力レーベルとなっている上級ライン。
ブランドタグ部分にも、赤字でMEISTERと記されています。通常ラインも十分「ハンドメイドスーツ」といえるものですが、マイスターラインになると、各部分がかなりブラッシュアップされます。
通常ラインとマイスターラインの違いは主に、
- 各所のいせ量
- ピックステッチの有無
- 副資材(ボタン、毛芯の構造など)
など。全体的にアイロンワークの度合いが異なり、アームホールの形状や襟の“殺し”具合に差があります。
また、ディテール面でも台場仕立ての形状やボタン・毛芯の素材、ボタンホールがハンドメイドになったりと、各所をアップグレード。見た目や着心地、高級感の面でも大分違います。
マイスターラインは、ナポリのサルトリアであれば「フルハンドメイド」として販売されるレベルのスーツです。
耐久性を必要としている部分はミシンで縫われており、ちゃんとしたサイズ感&補正を得られれば、さしずめ「3/4ビスポーク」といった着心地。リングヂャケットマイスターは今回、最もオススメするラインです。
リングヂャケットマイスター206 (トゥー・オー・シックス)
リングヂャケットマイスター206(トゥー・オー・シックス)は2016年秋冬に誕生した、リングヂャケットの最高峰レーベル。
リングヂャケットマイスターとリングヂャケットマイスター206の違いは主に、「被せ襟」という技法が導入され、襟の「殺し」の度合いが異なる点。
基本的にはマイスターラインがベースとなっているため、主な違いはここだけ。しかし、首周りはスーツの重要な箇所であるため、着心地に対する差は確かに生まれます。
もはや既製服と呼んでいいのか分からないレベルの、首への吸い付き感が体験できる206レーベルですが、展開されているモデルは、「271」や「295」といったクラシックなモデルのジャケット。
個人的には、「253」モデルが最も気に入っていますが、大人の男性には素晴らしいレーベルです。
ちなみに、レーベル名はリングヂャケットの工場が大阪・貝塚の206番地にあることに由来しているそう。
【日本最高峰】リングヂャケットのスーツ&メーカーの凄さ
それでは次に、リングヂャケットというブランドの優れた点をお話しします。
①:クオリティ面:10万円台で、あらゆるメゾンブランドのスーツを凌駕する
リングヂャケットの優れた点といえば、何よりもクオリティの高さが挙げられます。「注文服のような既製服」をブランドテーマに掲げていますが、本当に素晴らしい着心地のスーツを世に送り出しています。
着てみると、全体的な面での身体へのフィット感、襟の首周りへの吸いつき、肩のフッと乗る感覚、脇の突き上げ・・・ジャケットに袖を通した瞬間、ブランド物や量販店のスーツとは、「あ、違う。」と、思っていただけると思います。
「この感覚」は、数十万円する一流ビスポークテーラーであれば、体感できないものではありません。しかし、ビジネス面での生産性重視&ブランドイメージが先行して、クオリティが二の次となった既製服が溢れている今、10万円台でこの体感が出来るブランドは、私は他に知りません。
どのくらいかのクオリティかと申し上げておくと、リングヂャケットマイスター(14〜26万円程度)のスーツは、ジョルジオアルマーニやトムフォードといった、50〜70万円くらいするメゾンブランドのスーツよりも上です。
繰り返しますが、(ブランド力の優劣は置いてさておき)クオリティはハッキリと上です。スーツの専業ブランドと比較しても、40万円弱の現行イザイアやサルトリオよりは上で、特に襟付け部分の技術が違います。
リングヂャケットマイスターのクオリティは、今やアットリーニやキートンの既製服と比べてどうかというレベル。価値観の部分の差もありますが、トータルでは既製スーツの最高峰といって間違いありません。
さらに、彼らは個人のテーラーの多くが抱えているウィークポイントである、カッコよく見せられる技術もあります。中身が大変しっかりしつつ、リングヂャケット的なデザイン性やブランド感を確立している点も強み。
近年では、その技術とコストパフォーマンス、そしてブランド感が評価され、日本にとどまらずアジア圏やイタリア、NYのショップでも取り扱いが広まっています。
②:世界中の有名メーカー生地や、自社のオリジナル生地を”こなせる”
リングヂャケットは毎シーズン、世界の有名ミル&マーチャントから生地を仕入れ、スーツを製作し販売しているファクトリーブランド。
具体的にはゼニアやロロピアーナ、ドーメル、アーサーハリソン、ウィリアムハルステッド、フォックスブラザーズ、ピアチェンツァ・・・英国、イタリアを中心に、目付も織り方も異なる、あらゆる生地をこなして自分たちのデザインへと製作してしまう技術力を持ったブランド。
普通、既製服ブランドでここまでの生地を揃えることは非常に難しいし、作れることはもっと難しい。だからこそ、自信を持って「このスーツには、この生地を使っています」といったアピールも可能です。
③:オリジナル生地が過小評価され過ぎている
本記事を執筆するにあたって様々な文献を漁ってみたのですが、リングヂャケットが日本のテキスタイルメーカーに作らせているオリジナル生地が、過小評価され過ぎていると感じました。
10年前から展開している定番の「カームツイスト」や、近年登場した「クラドックモヘア」は、毛素材の品質もさることながら、日本の気候的にも非常にオススメの生地(いずれ別記事で説明します)。
しかも、自社がディレクションしたテキスタイルなので、インポート物よりも比較的廉価で購入できます。高級感、シャリ感、通気性・・・本当に日本での生活に則した、素晴らしいトータルバランスの生地を開発しています。
④:セレクトアイテムのチョイスや、「リングヂャケットナポリ」のOEMも素晴らしい
また、リングヂャケットは、セレクトショップとしてもチョイスが非常に優秀。
例えば、スティレラティーノのコート、フォスター&サンの靴、ドレイクスのネクタイ・・・
いずれも各分野で一流メーカーというだけでなく、一定以上のクオリティ(かつ高コスパ)を誇るラインナップ。自社ブランドのコンセプトと、シンパシーのあるチョイスが光ります。
一方、様々なナポリの超一流ファクトリーに製作を依頼するリングヂャケットナポリラインに関しても、OEMのチョイスが秀逸です。
カシミヤコートの生地はピアチェンツァ、シャツはチリエッロ、パンツはロンドンハウスのスーツも手掛けていたアントニオ・モーラの一族が営むファクトリーに製作依頼するといった具合。
自ブランドのスーツ以外のアイテムも「分かっている」としか言いようのないセレクト&チョイスです。
リングヂャケットの様々なモデルをご紹介!【184/253/269/286】
続いては、リングヂャケットの主要モデルを解説。最初にジャケット、続いてパンツをご紹介します。
184モデル
RING JACKET 公式HPより引用
- 着丈&ラペル幅は、やや短め
- 肩幅&チェストはタイト
- ドロップ:(チェスト-ウエスト)÷2=7
「184」はリングヂャケットの最もベーシックにしてロングセラーモデル。ラペル幅がやや狭く、ボタン位置がやや高めのジャケットで、リングヂャケットを試してみるエントリーとしても最適。
襟幅だけでなく、肩幅、チェスト、ウエストと全体的に細めに作られています。個人的には、20代後半~の比較的若年層の方や、細身でシャープな方に着ていただきたいモデル。
もちろん、リングヂャケットらしさは健在で、ウエスト周囲のくびれたサイドライン、襟から型、袖に掛けてのなだらかなラインが美しい。また、裾にかけてのラインはシャープに描かれており、躍動感があります。
253モデル
RING JACKET 公式HPより引用
- 着丈&ラペル幅は、標準程度
- 肩幅&チェストはやや大きめ
- ドロップ:(チェスト-ウエスト)÷2=8.25
「253」はマイスターラインのスタンダードで、大人の男性のためのモデル。エグゼクティブ感と“リングヂャケット感”を併せ持ち、程よくエレガントで中庸的なバランス。個人的には一番好きなモデルです。
肩幅は他のモデルよりも余裕がありますが、実はウエストは一番タイトなモデル。よって、引き締まった&やや筋肉質な体型向きです。ウエストのボタン位置がやや低めで、Vゾーンがやや深め。裾にかけてのラインもシャープ過ぎないパターンです。
「静」「動」どちらの場面でも映え、繊細な生地からブランドのオリジナル生地まで幅広く対応する万能モデルです。一方、骨から筋肉まで細めという方は、184モデルの方が向いていると思います。
269モデル
RING JACKET 公式HPより引用
- 着丈は最も短く、ラペルは最も大きい
- 肩幅はタイト&チェストはやや大きめ
- ドロップ:(チェスト-ウエスト)÷2=7.5
「269」は着丈が短めでウエストは少しだけゆとりのある、クラシック×エレガントなモデル。253よりも襟幅が広く、ゴージラインの角度はゆるやか。
(繊細なベタ生地というよりは)目付が重かったり、ざっくりとした生地に使われることが多いモデルです。184よりもタイト感が少ないため、根強い「269」ファンもいます。
(リングヂャケットは全体的にウエストの絞りが強いので)あくまでブランド内の比較ですが、お腹周りが多少気になる30代~壮年までの方にも良いですよ。
286モデル
RING JACKET 公式HPより引用
- 着丈は短め、ラペルは大きい
- 肩幅はタイト&チェストはやや大きめ
- ドロップ:(チェスト-ウエスト)÷2=7.5
「286」は、253モデルと並ぶマイスターラインの主力モデル。ラペル幅が広く、他のモデルに比べて大剣幅が広いネクタイが似合うため、クラシックスタイルに徹したい方にオススメ。
最大の特徴はゴージラインで、かなり急な角度がついています。
また、襟の“殺し”処理は253や269よりも大変なジャケット。チェストやウエストのサイズ感は269に準拠したモデル。
パンツは、172/178/182の3モデルがメイン
RING JACKET 公式HPより引用
パンツの主要モデルは、
- 172(ワンタック、スリムストレート)
- 178(ツータック、テーパードパンツ)
- 182(ツータック、ワイドシルエット)
の、3モデルが最近の定番。
178は、ワタリは172よりもゆとりがありますが、裾幅は細くなっているテーパードパンツ。股下の補正も若干短めがオススメ。一方、182は股上が深く、ワタリも裾幅も太め。いわゆるクラシックスタイルのパンツです。
リングヂャケットのスーツは、どこで購入できる?
実店舗では直営店および、伊勢丹やGINZA SIXなどのテナントにショップを構えています。詳しくはこちらでご確認ください。(注意:206レーベルのみ、大阪の淀屋橋&東京の青山店のみ取り扱いがあります)
また、基本的に「リングヂャケットマイスター206」以外は、オンラインでも購入可能。
楽天市場では、公式オンラインストアの他に公式アウトレットストアもあります。
リングヂャケットの気になるサイズ感は?
RING JACKET 公式HPより引用
特にオンラインで購入する際に慎重になるのが、サイズ感だと思います。上の写真は「253」モデルのサイズチャートですが、リングヂャケットはイタリアサイズ表記。
ご自身のチェスト÷2の数値が、(特徴的な体型でなければ)概ねジャストサイズになっています。例えば私の場合、チェスト96cmなので、÷2の48サイズがジャストサイズとなります。
私は181mの69kg、チェスト96cmウエスト80㎝ヒップ96cm。体型的にA7サイズに近いので、ジャケット&パンツのウエストやヒップ回りなど、ちょうどいい感じです。袖を2.5㎝伸ばしてもらうだけで、素晴らしい着心地を実現してくれます。
注意してほしいのが、リングヂャケットはその立体感ゆえ、例えば46サイズ=Mサイズとは一概には言えません。
例えば、上記写真のユニクロの「オーダーメイド感覚」のジャケットの場合、身幅が平置きでの数値となっています。しかし、リングヂャケットは立体的な作りで着用感が平べったくなく“丸い”ため、平置きにしても同サイズのユニクロよりも明らかに身幅が狭くなります。
リングヂャケット「253」のサイズチャートに記載されているジャケット(48サイズ)の上胴は109.5cmですが、だからといって身幅は平置きで半分の約54.75cmにはなりません(実際に測ると52cmくらい)。芯地や縫製が立体的なので“潰れない”のですね。
よって、身幅は平置きで〇〇cmだから・・・というよくあるネット上での判断ではなく、上記の点や、ご自身の体型の特徴も踏まえた上でサイズ選びが重要。
「それでも、判断できないからざっくりとでも良いから言って!」というならば、「44はS~MでYA5サイズくらい(着丈長め)、46はM~MLでYA6~A6サイズの間くらい、48はLでYA7~A7サイズの間(A7寄り)くらい」の感覚だと私は思います。
公式HPでは48=Mサイズと書かれていますが、JIS規格や他のスーツメーカーの数値および着用感と比較した際、ウエストが細い以外、肩幅、着丈、上胴、中胴どこをとっても日本のLサイズ相当だと思います。
リングヂャケットのカッコよさはどう?
ここまで、リングヂャケットの凄さを中心に説明してきましたが、ファッションはスペックだけでなく、見た目や所有感も重要にはなってくる世界。
「実際にカッコいいのか?」という点が疑問に浮かぶと思います。結論から申し上げますと、あなたがお腹がぽっこりしているなどの理由がない限り、リングヂャケットは絶対にオススメ級にカッコいいです。
というより、スーツ(と革靴)に関しては、ブランドネームよりも「作りが良い=品質のスペック」で選ぶ方が、絶対にカッコ良いと断言します。
なぜなら、スーツは身体のフィット感で、カッコよさが決まる世界だからです。
パッと思いつくだけでも、
- 首周りが浮いていないか
- 胸に沿ってラペルが綺麗に返っているか
- チェスト~ウエストのラインがスムーズか
- 肩のつき方や腕のつけ方
- パンツのカーブが脚に沿っているか
といった要素で決まります。これらを満たさないスーツは、どんなブランドだろうがカッコ悪いのです。
上記の記事の通り、今のハイブランドの既成スーツを買っても、あなたの体型に合った沿い方をしてくれるほど立体的な構造はしていません。私はハイブランドのデザインチームにいたので、これは体感的にも、経験的にも断言できます。
20年くらい前までならば、まだ品質が高いといえるスーツのハイブランドも多かったのですが、現代は製造コスト高騰や莫大な広告費、デザイナーへの報酬にコストが集中してしまうので、そこまでプロダクトにコストを掛けられません。
フィット感≒カッコ良さが重要だからこそ、スーツやジャケットを仕立てるテーラーが今でも存在します。身体の立体感に合った一着を着ることが、それほどまでに重要な世界なのですね。
リングヂャケットも既製服が中心のブランドなので、もちろん全員に似合うとはいえません。ただし、注文服と同じような複雑な構造、特にマイスターライン以上は、並の注文服を凌駕する立体感のブランドであることは間違いありません。
ウエストにかけてのシャープさやゴージラインの登りなど、リングヂャケットらしいデザイン性も潜んでいますが、スーツというものや素材に対する変態的な知識・技能集団だからこそ、このカッコよさは実現できます。
個人的に所有している、おすすめのリングヂャケットについて(別記事/執筆中)
以下、順次所持しているリングヂャケットを公開していきます(鋭意執筆中)。
リングヂャケットの「カームツイスト」は日本の気候に最適の万能生地!ウールの特徴も解説
リングヂャケットマイスター×ロロピアーナ4SEASONS(フォーシーズンズ)のスーツ!
(鋭意執筆中)
リングヂャケットマイスター206×ラッシャーミルズのスーツ!
(鋭意執筆中)
終わりに:リングヂャケットは、モノ作りのクオリティ&ブランドを楽しみたい人へおすすめ
今回は以上となりますが、いかがでしたでしょうか。リングヂャケットはクオリティだけではなく、独特なデザイン性もまたクセになる魅力があります。
リングヂャケットは80年代頃からイタリアへ研修に赴き、高品質な副資材の供給ルートを拓きながらデザインを吸収していったそうですが、現在は確実にそれだけではない、日本的かつリングヂャケット的なエッセンスがあります。
ネクタイの独特な柄であったり、イタリアと和の色彩感が入り混じったスーツであり、日本人の体型に適した(前肩仕様など)造りであったり。規模が物凄く大きいという訳ではなりませんが、この辺りはちゃんと「ブランドをやっている」部分。
ファッションに最も必要なものは、マクロ・ミクロのレベルを問わない独自性です。リングヂャケットには、リングヂャケットという世界観があります。
テーラーでもあり、ブランドでもあり、そして他にはない独自性を持っている。単なるコスパの枠組みを超えて、私がこのブランドを「日本最高のスーツブランドである」と推す理由です。
一方、既製服を注文服のような構造で実現しているため、サイズ感が結構シビアです。各所を面で捉えない服に慣れ過ぎた方にとっては、違和感が生まれがち。
決してタイトな造りではないですし、太いとか細いとかとは別次元の話です。そもそも、本当に身体に合ったビスポークは面全体で身体を捉えられるため、「どこかしらが極端な特徴を持っていると合わない」といった事態に陥りやすいのです。
要は、高品質なモノ作りの半面、その立体感ゆえに体型を選びます。
尤も、スーツは本来、いかに身体にあったジャストサイズを着るかの世界。リングヂャケットが既製服で貫いていることは、決して独善的な判断ではありません。
万人に受け入れられる服作りこそ難しいものの、逆に体型作りの目標にもなってくれるブランドでもあります。理想像へ少しでも近付けるフィッティングを技術で叶えているからこそ、私は全力でオススメします。
ひとりでも多くの人のビジネスライフを素敵に彩ったり、勝負服としてのスーツスタイルに。
心からオススメできるリングヂャケットというメーカーのスーツが、あなたの大切な服となれればと思い紹介しました。
おしまい!