こんにちは、しょる(@SHOLLWORKS)です。本日は、グローバルバルワークの展開するライン、「サロンドグローバルワーク(Salon de GW) 」のセットアップスーツについてご紹介します。
リーズナブルなブランドとして有名なグローバルワーク。その1ラインである「サロンドグローバルワーク」は、2021年に誕生した普遍性と時代性を追求したドレスクロージングラインです。
そして、「サロンドグローバルワーク」最大の特徴は、世界的にベストなスーツファクトリーの一つである「リングヂャケット」の監修を受けている点。特に、ジャケットの生命線である首周りのフィット感において、本来この価格では得ることが難しいシルエットを提供しています。
そこで今回は、プロのファッションデザイナー&スーツの構造に精通し、さらにリングヂャケットのスーツを多数所有している私しょるが、「Salon de GW 」のスーツを実際に購入したレビューをお伝えします。
生地感やパターン、ディテールの出来だけでなく、「どんな人向けなのか」「サイズ感はどうなのか」「どこで購入可能か」「ユニクロのスーツとどちらが上?」といった質問についても解説させていただきますね。
「Salon de GW 」のセットアップは安くてなるべく良いスーツを探している方、カットソーなどど合わせるセットアップスタイルにも◎。カスタムの制約はあるものの、サイズが合う方は必見です!
「サロンドグローバルワーク(Salon de GW)」とは?リングヂャケットとは?
グローバルワークのドレスライン
GLOBAL WORK 公式HPより引用
「サロンドグローバルワーク(Salon de GW)」は、グローバルワークが2021年に立ち上げたドレスライン。主にスーツやシャツといったビジネス用の服を、グローバルワーク価格で提供しています。
これだけだと「プチプラなブランドが新しいビジネスラインを出した」だけで終わる話です。しかし、「サロンドグローバルワーク」の商品は、「リングヂャケット(RING JACKET)」という日本のブランドによる監修を経て企画・製造されていることが特徴。
主力商品となるセットアップスーツに関しても、リングヂャケットの襟周りやショルダーラインが非常に上手く再現されています。
リングヂャケットについてはこちら
中には「リングヂャケットとは?」と思う方もいらっしゃるかと思います。かいつまんで言うと、リングヂャケットは世界的にも非常に高い技術を誇る、日本のファクトリーブランドです。
詳しくは上記記事にて解説していますが、リングヂャケットは、量産された既成スーツなら右に出るものはないレベルのクオリティを提供しています。
ブランド的な特徴も感じさせつつ、並のフルオーダースーツよりも優れた既製スーツが魅力です。
リングヂャケットの主力となる上級ライン、「リングヂャケットマイスター」の価格帯は20万円から。スーツのクオリティとしては、アルマーニやトムフォードといった有名ラグジュアリーブランドはもちろん、イザイアやサルトリオよりも上。今や、アットリーニやキトンの既成スーツと比べても引けを取らない出来映えです。
スーツに加え、シャツやネクタイも展開
GLOBAL WORK 公式HPより引用
また、「サロンドグローバルワーク」は、セットアップの他にシャツやネクタイなども販売しています。
いずれも価格を考えれば優秀な服です。シャツは「リングヂャケットナポリ」のようなハンドメイド感をリーズナブルなプライスで再現しており、スーツ同様に安っぽく見えない工夫が凝らされています。
「リーズナブルな予算でなるべく良く見せたい」という方は、ぜひ「サロンドグローバルワーク」のシャツやネクタイも検討してみてください。
【サロンドグローバルワーク】リングヂャケット監修セットアップの評判レビュー
次に、実際に「サロンドグローバルワーク」×リングヂャケットのセットアップスーツを購入してみたレビューを紹介します。
今回購入したセットアップは、ジャケットが11,990円、パンツが7,920円。合計で19,910円(いずれも税込)と、僅かに2万円を切るプライスでした。
色はネイビーの千鳥格子柄、サイズはジャケット・パンツ共にLサイズを選びました。181cm72キロでA7サイズ体型の私の場合、肩回り、胸周り、ウエストなどベストサイズだと思います。
上襟の“のぼり”が「リアル」で素晴らしい
GLOBAL WORK 公式HPより引用
「サロンドグローバルワーク」のジャケットにおける最大の特徴は、なんと言っても上襟の“のぼり”。本家のリングヂャケットには及ばないものの、襟周りが首元に向かって“登って”きます。
いわゆるマシンメイドの既成スーツは、どうしてもここが甘くなる部分。プロの目からすれば、ここだけで「マシンメイド中心の既成スーツだな」と分かってしまう箇所です。10万円、20万円するハイブランドのスーツでも、のぼりが甘いブランドは非常に多いです。
“ちゃんとしたスーツ”ではあり得ない部分
Image Photo by Uniqlo
「サロンドグローバルワーク」のジャケットは、パターンと縫製の工夫だけで「リングヂャケットらしさ」を極力再現しています。結果として変な隙間がほとんど生じず、2万円のセットアップとは思えない首に沿ったパターンになっています。
もちろん、コスト的に二枚襟&“くせとり”も行われておりません。流石にどうしようもない部分と思いますが、価格を考えると非常に優秀なフィット感を提供してくれます。
「前肩」の再現度もGOOD
また、「サロンドグローバルワーク」のジャケットは、袖の付き方においてもリーズナブルなブランドとは思えない特徴があります。
写真はジャケットを上から見たもの。最初の写真が「サロンドグローバルワーク」、2枚目が本家の「リングヂャケットマイスター」です。いずれも、肩に対して袖が前に湾曲するように付いていることが分かります。
これは「前肩」と言って、リングヂャケットが非常に得意とする仕様。人間は肩を前に出す動作が多いため、「前肩」の採用可否はジャケットの着心地に大きく差を生み出します。襟から肩にかけてのなだらかなラインはリングヂャケットに敵いませんが、2万円で前肩仕様を導入すること自体、素晴らしい取り組みと思います。
「AMFステッチ」「汗止め」「D管留め」などディテールに凝っている
また、リングヂャケットに見られる「AMFステッチ」「汗止め」「D管留め」など、効果的なディテールが採用されている点も◎。あると「おっ」と思われる部分を、限られたコストながらキチンと持って来ている辺りが凄いと思いました。
肩パッドを使用しないことで、襟の上りから肩にかけてなだらかなラインを描く点もリングヂャケットと同様。肩から袖へストンと落ちていく点は、イタリア系のスーツそのものです。
生地はウールライクな化繊、高級感はない
「サロンドグローバルワーク」のセットアップスーツに使用されている生地は、
- ポリエステル68%
- レーヨン30%
- ポリウレタン2%
の、オール化学繊維生地。
ウールタッチになってはいるものの、間近で見ると化繊特有の光沢感があるため「とても高級感がある良いウールだ!」という感じはしないです。生地に関しては、ユニクロの「感動〇〇 ウールライク」と同じような印象です。
先述のパターンおよび縫製の工夫から感じられる高級感との対比が面白いですが、ストレッチ性があるためジャージーのような着心地。
個人的には、濃紺濃灰の無地よりも、茶色や千鳥格子柄のような柄物をオススメします。無地だと化学繊維感が強調されてしまうため、柄で“誤魔化す”方がベター。
袖先は本切羽、袖丈は標準的
また、袖ボタンの本切羽が切られていることも見逃せません。例えば、1番下のボタンだけを開けて着用するのも良いですし、お直しに出す必要がない便利さは◎です。
一方、本切羽の場合は袖丈が弄れなくなる(厳密には出来なくはないですが、料金が高くなる上に綺麗に出来ない場合がある)ので人を選びます。
表記サイズに対して袖丈は標準程度。腕が長すぎる/短すぎる!という方は、カジュアルなセットアップとして検討してください。
パンツは一部ゴムウエスト、ビジネス使いも可
パンツに関しても、ビジネススーツとしても使えなくはありません。しかし、
- ウエストがゴム&ドローコード付き
- 股下がやや短め
といった特徴があります。よって、どちらかと言えば
- 内勤の人
- オフィスカジュアル使い
- 無地のカットソーと合わせてきれいめのセットアップスタイル
などに向いていると言えます。
(格式高いダークスーツやお堅いビジネススーツとしてというよりは)普段用のビジネススーツに加え、セットアップスタイルやオフィスカジュアルな使い方がベターです。
また、「普通のスーツ」としてビジネス使いする際は、ドローコードに頼るよりはベルトをした方が良いと思いました。
一応、裾がダブルになっているため、(シングルに直す場合は)4cmほど股下を伸ばすことも可能です。
パンツに関しては、ジャケットに比べればリングヂャケットらしさ(エミネントスラックスらしさ?)は感じられません。
「天狗」を採用したり感心する部分もありますが、“くせとり”が行われているわけではないので、ふくらはぎや膝下のカーブなどは感じられない汎用的なパンツでした。
「サロンドグローバルワーク」のサイズ感は?
「リングヂャケット」を万人向けにしている
サイズ | 着丈 | 肩幅 | 胸囲 | 袖丈 | 袖回り |
---|---|---|---|---|---|
S | 71.5 | 43 | 103 | 59 | 38 |
M | 73.5 | 44 | 107 | 60 | 39 |
L | 75.5 | 46 | 111 | 61 | 40 |
XL | 77.5 | 47 | 115 | 63 | 42 |
実際に購入してみた「サロンドグローバルワーク」のサイズ感としては、リングヂャケットを万人向けにしていると感じました。
具体的には、
- ウエストのサイズ感がシビアでない
- 肩幅が大きく、着丈がやや長め
- 股下はやや短め
といった違いがあります。
最大の差はドロップ(チェストとウエストの差)が小さめで、ジャケットのウエストにもゆとりがあります。
本家のリングヂャケットの場合、お腹が出ている人にはやや厳しいブランドですが、「サロンドグローバルワーク」は標準体型~多少のぽっちゃりさんもいけるサイズ感です。
また、「サロンドグローバルワーク」のジャケットは、袖丈は若干短めですが肩幅と着丈がやや長め。
肩幅や胸の厚みによっても変わりますが、Lサイズで裄丈86cmくらいのシャツでちょうど良いことが多い塩梅。「自分は腕が長めだからジャケットをワンサイズ大きくしよう」とすると、全体的にブカブカで変になります。要注意。
パンツの股下はやや短め
サイズ | 総丈 | 股上 | 股下 | ウエスト | ヒップ | もも回り | 裾回り |
---|---|---|---|---|---|---|---|
S | 94.5 | 23.5 | 71 | 78~83 | 99.5 | 64 | 37 |
M | 96.5 | 24 | 72.5 | 82~86 | 103.5 | 67 | 38 |
L | 98.5 | 24.5 | 74 | 86~90 | 107.5 | 69 | 39 |
XL | 100.5 | 25 | 75.5 | 90~95 | 111.5 | 72 | 40 |
また、パンツの股下長は、ドレススタイルの「ハーフクッション」を基準とするならば、多くの方にとってやや短め。
もちろん、ピッタリならビジネススーツとしてそのまま使うのはOK。また、あえて短めで着崩すのも、ビジカジの範囲なら良いと思います。
裾の折り返し幅自体は余裕がありませんが、購入時からダブルになっています。どうしても長さが気になる方は、いっそシングルにお直しして伸ばすのも手です。
ユニクロのスーツと比べて、サイズ感はどう?
結論、ユニクロのスーツと同じサイズを選べばOKです。「サロンドグローバルワーク」のLサイズの場合、ユニクロカスタムオーダーなら48サイズ、店頭で販売されているものならLサイズで同等くらい。
ちなみに、「サイズ48」というのはイタリアサイズ表記で、ご自身のチェスト÷2の数値が、概ねジャストサイズになっていることが特徴。例えば、私の場合チェストが96cmですので、÷2した「48サイズ」がジャストサイズとなります(タイトなブランドですと50になったりもしますが!)。
ユニクロと同じサイズを選べばOK。リングヂャケットの286/178モデルの48サイズで、上下ともにSalon de GWのL相当。253の48サイズなら、ジャケットのウエストはMとLの間相当です。
終わりに|「サロンドグローバルワーク」の購入店は?ユニクロのスーツと比べてどう?
購入店は「楽天市場」と少数店舗で展開
「サロンドグローバルワーク」の購入店舗に関しては、楽天市場などのオンラインストアかこちらに掲載されている店舗で取扱アリ。なんと、実店舗は東京都にないという衝撃の展開です(私の生まれ故郷である甲府では買えるのに・・・)。
また、グローバルワークの公式オンラインストアである.St(ドットエスティ)でも購入可能です。
ユニクロのスーツとは長所&短所が異なる
「サロンドグローバルワーク」のセットアップは、ユニクロのストレッチウールジャケット/パンツのセットアップと比べると生地のクオリティでは劣り、パターンの工夫で勝ります。また、純粋なビジネス使いと言うよりは、少し崩したスタイルが得意なことも間違いありません。
結論としては、仕事内容で決めれば良いと思います。お堅い仕事でダークスーツ以外NGという仕事であればユニクロ、それ以外なら「サロンドグローバルワーク」がオススメです。
私ならパターンの工夫を優先して、「サロンドグローバルワーク」のセットアップを優先して買うと思います。(ユニクロのストレッチウールも価格を考えれば素晴らしいですが、絶対値としてはそこまで良い生地ではありません。)
まとめ|低予算×なるべく良いセットアップを探しているなら必見
今回のまとめ
・「サロンドグローバルワーク」のセットアップは、パターンやディテールの工夫が素晴らしい
・サイズ感は標準体型〜ややぽっちゃりさんまでOK
・ユニクロのスーツと比べて生地に劣り、襟や肩周りのシルエットに優れる
今回は以上です。
「サロンドグローバルワーク」のセットアップは、総合的にかなり良い服でした。ジャケットの顔となる襟周りや肩周りの造形はリングヂャケットらしく、ただの廉価な商品ではない雰囲気を漂わせています。
もちろん、襟の吸いつきや鎌浅の突き上げ、身体を面で包む着心地は“本家”のリングヂャケットには敵いません。が、価格差10倍なので当然です。その分、サイズ感の適応幅を広げているため、多くの方にとってチャレンジしやすいと思います。
同価格帯のセットアップは巷に溢れていますが、「サロンドグローバルワーク」のセットアップであれば、「あ、この人ファッションを“分かっている”チョイスだな」という印象を与えてくれるのではないでしょうか。
ただのハイブランドとファストファッションのコラボのようなエッセンスだけではなく、シルエットや作りそのものまで近い点は、リングヂャケット大好きな私としても好感度が高かったです。
ビジネスにせよ、カジュアルなセットアップとして活用するにせよ。
2万円前後で可能な限り良いセットアップをお探しの方には、ファーストチョイスになると思いました。
ぜひ、あなたのワードローブの購入候補にしてみてください!
おしまい!
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