ヒートテックの違い&比較|プロが通常、極暖、超極暖と着方、向いている人を解説
こんにちは、しょる(@SHOLLWORKS)です。
本日は、ユニクロのヒートテックの種類について2025年最新情報を踏まえて解説していきたいと思います。
ヒートテックは2003年の発売以来、ユニクロの秋冬の主力となったメガヒット商品。
発売当初は丸首やV首、半袖・長袖といった形状の違いくらいの展開でしたが、今や通常・極暖・超極暖の3種類に加え、ヒートテック機能を盛り込んだTシャツや、毛布にまで広がる非常に豊富なラインナップとなっています。
そこで今回は「ヒートテックの種類やアイテム数が多くて、違いがよく分からん!」という方に向けた記事です。

プロのファッションデザイナーであり素材マニアでもある私が、ヒートテックの種類や違いを解説したいと思います。

【2025年最新】そもそも、ヒートテックとは?なぜ暖かいの?
ヒートテックが暖かく感じる仕組みは、「吸着熱」という現象を複数種の化学繊維の特性によって高めたものです。
決して超絶特殊な魔法素材で作られているわけではなく、吸着熱自体はどんな服でも多かれ少なかれ起こる現象です。
具体的には、生地中のレーヨンやコットン繊維が肌表面の水分を吸収(蒸散)する際に発熱し、その発生した熱をアクリル繊維が空気を含んで保温する。
原理的にはたったこれだけです。
あとはポリエステル繊維で汗を素早く吸って乾かしたり、ポリウレタン繊維で生地を伸縮させ耐久性を高めたりと、4種類ほどの繊維それぞれの役割で特徴を際立たせたりしています。

ユニクロ以外のメーカーが出している発熱インナーも、生地素材の違いはあれど基本的に同様の原理で暖かくなります(つまり、ヒートテックだけが特別というわけではありません)。
ヒートテックの違い&比較|プロが通常/極暖/超極暖の違いや特徴を解説

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次に、ヒートテックの種類について解説します。
基本的には
- 普通のヒートテック
- 極暖ヒートテック(Extra Warm)
- 超極暖ヒートテック(Ultra Warm)
の3段階に分かれます。
それぞれの暖かさの比較は公式にも数値で明示されており、極暖は通常の約1.5倍、超極暖は通常の約2.25倍暖かい※とされています。
※ ユニクロ公式より。衣類の熱抵抗を表すCLO値をもとに算出。

厚みや伸縮性、保温力のバランスが異なるので、用途や好みに合わせて選びましょう。
ヒートテック(通常シリーズ)

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長所
短所
まずは通常シリーズのヒートテックから。
発売当初(改良を重ねながら現在まで継続)から展開されている基本シリーズで、ラインナップ中最も薄手で伸縮性が高く、インナーウェアとして豊富なアイテム展開があるのが特徴です。
一方で、「極暖」「超極暖」と比べると吸着熱による発熱量(=暖かさ)は控えめな点、強力な化繊を主体とした薄手生地のため、敏感肌や乾燥肌の方にとっては肌荒れの原因になりやすい点には注意しましょう。

毎日洗濯して干して・・・を繰り返す忙しい人にとって、速乾性が高い点は助かります。
一方で肌面との接触が気になる人は注意しましょう。

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近年では一部にコットンを混紡した「ヒートテックコットン」シリーズなども展開されていますが、基本的に肌着(下着)用途のアイテムが中心です。
一枚で着るのは難しいデザインがほとんどで、ユニクロUの「ヒートテックコットンタートルネックT(長袖)」のような例外はあるものの、基本的にはあくまで下に隠すインナーと考えてください。

特に初心者の方はヒートテックをTシャツ感覚でそのまま着用しないよう注意です(ジャケットの下に少し見える程度ならギリOKですが、基本は上に何か重ねましょう)。
メンズの展開アイテム
ヒートテッククルーネックT(半袖/9分袖)、VネックT(半袖/9分袖)、タートルネックT(9分袖)、ヒートテックタイツ(前開き)、ヒートテックステテコ、ヒートテックソックス各種など多数
レディースの展開アイテム
ヒートテックUネックT(半袖/8分袖)、ヒートテックキャミソール各種(レース・ブラトップ等)、ヒートテックバレエネックT(8分袖)、ヒートテッククルーネックT(長袖)、タートルネックT(長袖)、ヒートテックレギンス(10分丈)、ヒートテックタイツ、ヒートテックショートパンツ・ボディウォーマー類、ヒートテックソックス各種など多数
ヒートテック「極暖」シリーズ(エクストラウォーム)

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長所
短所
「極暖」シリーズは、通常ヒートテックより生地を厚手に&肌に触れる面をコットン100%にしたバージョンです。
衣類の熱抵抗値(CLO値)をもとに算出された数値では、通常のヒートテックより約1.5倍暖かいそうです。
大きな違いは、通常版で使われていたポリエステルとレーヨンを省き、代わりに肌側を中心にコットンに置き換えて保湿性(肌の乾燥しにくさ)を高めている点です。
肌面が綿になったおかげでチクチク感が少なく優しい着心地なのがメリット。
一方で、空気を含んで熱を溜めるアクリル繊維や伸縮性を確保するポリウレタンを混紡している点は通常版と同様です。

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また生地がしっかり厚みを持っており、Tシャツのように見えるデザインのものが中心で直接1枚で着ても下着っぽくならないモデルも多いため、ある程度スリムなトップスシルエットが好きな方にも好評だと思います。
一方で、速乾性の高いポリエステルを使っていないうえ厚手なので、通常ヒートテックと比べて乾くのが遅いです。
また綿+アクリル混紡ゆえに毛玉が非常にできやすいことも欠点と言えるでしょう。

ちなみに私のお気に入りは極暖ヒートテックコットンレギンス&タイツ。
真冬のボトムス下インナーとしてかなり優秀だと感じます◎
メンズの展開アイテム
極暖ヒートテックコットンクルーネックT(半袖/9分袖)、極暖ヒートテックコットンVネックT(半袖/9分袖)、極暖ワッフルクルーネックT(9分袖)、ヒートテックエクストラウォームクルーネックT(9分袖)、極暖ヒートテックコットンタートルネックT(長袖)、極暖ヒートテックコットンタイツ(前開き) など
レディースの展開アイテム
ヒートテックシームレスリブクルーネックT(長袖)、シームレスリブタートルネックT(長袖)、極暖ヒートテックコットンUネックT(8分袖)、極暖ヒートテックコットンクルーネックT(長袖)、極暖ヒートテックコットンタートルネックT(長袖)、極暖ヒートテックボアタイツ(10分丈)、極暖ヒートテックコットンレギンス(10分丈) など
ヒートテック「超極暖」シリーズ(ウルトラウォーム)

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長所
短所
「超極暖」シリーズは、通常ヒートテックをそのまま極厚地にして裏側を起毛させた“最強暖かい”ヒートテックです。
先述のCLO値による比較では、通常ヒートテックより約2.25倍暖かいとのことで、見た目からして通常版とは違い、手に取ると分厚くふっくらしています。
裏側は細かな起毛があり肌を包み込む感触で、実際に動いてみると伸びはするものの芯のある硬めの生地だと分かります。
展開している種類こそ少なめですが、メンズ・レディースともにクルーネックやタートルネック、ボトムス用レギンス/タイツがラインナップされており、「本気で防寒したい!」というシチュエーション向けのシリーズです。

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一方で、基本的な素材構成は通常ヒートテックに近いため乾燥肌や敏感肌の方にはおすすめできません。
また通常ヒートテックに施されている抗菌防臭加工なども超極暖シリーズにはないので、たくさん汗をかくような場面では要注意です。
暖かさを求めるあまり汗でベタついたりニオイが気になっては本末転倒ですので、この点は留意してください。

まさに「暖かさのためならその他の要素は度外視!」という方向けのヒートテックと言えるでしょう。
メンズの展開アイテム
ヒートテックウルトラウォームクルーネックT(長袖)、ウルトラウォームタートルネックT(長袖)、ウルトラウォームタイツ(前開き)
レディースの展開アイテム
ヒートテックウルトラウォームクルーネックT(長袖)、ウルトラウォームハイネックT(長袖)、ウルトラウォームレギンス(10分丈)
で、結局どのヒートテックが良いの?
結論、人や環境・シチュエーションによってベストなヒートテック選びは異なります。

それぞれのシリーズがどんな方に向いているかを簡単にまとめましたので、選択の参考にしてください。
通常のヒートテックが良い人
- 女性特有の冷えやすい部位(お腹まわり等)をカバーするアイテムまで含めて対応したい人(※レディースには腹巻きやレッグウォーマーなどあり)
- 一人暮らしで洗濯物を干して乾いた順に着ていく生活をしている(速乾の恩恵大)人
- 肌が比較的強い(荒れにくい)人
- ストレッチ性は捨てたくない人(通常が一番伸びる)
- ニオイ対策もちょっと気にしたい人(抗菌防臭機能あり)
- 靴下までヒートテック派な人(ヒートテック靴下は通常シリーズのみ展開)
ヒートテック「極暖」が良い人
- 肌が乾燥しやすい人(肌側が綿で極暖ならまだマシ)
- ヒートテックの上に何かを重ねるより、インナー1枚で完結させたい人
- 毛玉取りの手間が苦にならない人(ケア前提で着る覚悟)
ヒートテック「超極暖」が良い人
- とにかく最大限の暖かさが欲しい!人
- 「Tシャツ見え」するインナーであることを重視している人(厚手で1枚でも着られる)
- その他、「厚くても構わないから寒さから守ってくれ!」という環境にいる人

それぞれの特徴を踏まえて、ご自身の生活環境や体質・価値観に合ったヒートテックを選んでみてくださいね。
【Q&A】ヒートテック(通常・極暖・超極暖)の疑問に答える
そして、ここまでの内容やその他をまとめて、Q&A形式にしました。
終わりに|好きなヒートテックを選ぶも良し、ヒートテックを着ないも良し
今回は、ヒートテックの種類や違いについてお話しさせていただきました。
多くの種類が展開されているヒートテックは決して「メリットだらけ」というわけではありませんが、実際の機能性&寒い季節の心の拠り所となるイメージから、愛用されている方も多いと思います。
個人的には、乾燥しがちな肌&見た目の観点からヒートテック「極暖」が好きです。
乾くのが遅いですが、それでも、肌面がコットンになっているメリットを重視しています。

もちろん、乾燥肌や敏感肌に悩む方は、ヒートテックそのものをやめるという選択肢もあります。
ダウンジャケットを着たり、空気の出入れを調節するなど他の手段も検討してみてください。

ぜひ、ご自身のスタイルや状況に合わせて、最適な選択をしていただけたら嬉しいです!
おしまい!
(少しでもお役に立てたなら、SNSに拡散していただけると嬉しいです!)

