こんにちは。今回は2022年秋冬シーズンのレディーストレンドを、プロのファッションデザイナーが解説します。
私たちはなぜ、トレンドを追い求めるのでしょう?
今よりも先の存在がないからこそ、人は最先端でありたいと思うのかもしれません。今を生きていない(と見られる)ことに対して、自己肯定感を下げるからかもしれません。
あるいは、シンプルに「新しさ」に触れることで、気持ちを新しく、フレッシュに保ちたいだけなのかもしれませんね。
そして、ファッションに歴史があれば、生み出された領域や形態も様々です。
例えば、ドレス領域は保守的でルールに縛られますが、あなたのカジュアルウェアは自由。そして、モードは革新を呼び込んでトレンドやムーヴメントを呼び込むなど、それぞれ本質的なフィロソフィーを異にします。
今回はその中で、トレンドを重視する人へ向けて、2022秋冬のレディースウェアにおけるトレンドを解説してみました。
ちなみに、今回はパリやミラノのランウェイにおけるトレンドではなく、プチプラや丸井などファッションビルに入っているようなブランドを対象に、オススメの服を取り上げつつ解説しています。
なぜかというと、(業界の構造的に)パリやミラノのランウェイトレンドが実際に買えるのは一年後だから。今、あなたの日常を素敵に彩るための服を提案させてください。
それでは本日も、よろしくお願いします!
【2023年最新】レディーストレンド解説!トレンドカラー(流行色)や柄は?
【2023年最新】のトレンドカラーは風、具体的な4属性のカラーパレットをご紹介
JAFCA(一般社団法人 日本流行色協会)によると、2022秋冬シーズンのレディースにおけるトレンドカラーのテーマは“風”。
コロナ禍を経験し、各々が自分を大切にすることが幸せにつながると実感したことにより、軽やかさから風としたとのこと。「自分の歩幅で歩む」ことをコンセプトに、トレンドカラーを選出したそうです。
具体的なトレンドカラー(流行色)は以下の通り。
静(しずか)
JAFCA 公式HPより引用
光(ひかり)
JAFCA 公式HPより引用
宙(そら)
JAFCA 公式HPより引用
穣(みのり)
JAFCA 公式HPより引用
の、4つのコンセプトに基づいたカラー群が、具体的なトレンドカラーたちとのこと。
優しく静かに吹く風を不彷彿とさせる優しく穏やかなグレイッシュなカラー群である「静(しずか)」を中心に、元気づけるオプティミスティック(楽観的)な「光(ひかり)」、ミステリアスで冬らしい「宙(そら)」、生き物の息吹を感じさせる、秋らしい「穣(みのり)」といったバリエーションが展開されています。
チェックや千鳥格子柄に、ラメや金属パーツなど「光るディテール」をプラス
RakutenFashion 公式より引用
柄に関しては、引き続きチェック柄やストライプがトレンドイン。さらに、今シーズンは「キラキラするもの」が足されていることが特徴。
具体的には、従来のグレンチェックやクラブチェックに加えて、ラメ糸や金属パーツ(ボタン等)が取り入れられています。メイクも大粒ラメなどがトレンドインしていますが、服も同様の傾向でキラキラしていることは見逃せません。
例えば、オーバーサイズでクラシカルな雰囲気一辺倒であった千鳥格子柄のテーラードジャケットに、ラメ素材が入ることで都会的でスタイリッシュな雰囲気に。新しいトレンドだと思います。
2022秋冬のレディーストレンド!今、流行りの服【アウター&ジャケット編】
それでは次に、具体的なトレンドアイテムをご紹介します。2022秋冬のレディースのトレンドアイテムに関しては、とにかくショート丈のアウター・ジャケットが目を惹くことが特徴。
先シーズンと比べて最も大きな違いとしては、元々ショート丈のものがトレンドとして強く押し出されていたり、それほどでもなかったジャケットやアウターがショート丈になったりしている点。
アウター&ジャケット編①:MA-1ジャケット
RakutenFashion 公式より引用
数年前、メンズでトレンドインしたMA-1ジャケットが、2022秋冬ではレディースでも流行っています。軽量なナイロン素材で作られた動きやすいMA-1はカジュアルスタイルの万能選手。
パーカーやスウェットとの相性はもちろん、あえて可愛いらしいワンピースのアウターとしても優秀。
アウター&ジャケット編②:ダブルライダースジャケット
RakutenFashion 公式より引用
ダブルライダースジャケットも同じく、ショート丈のアウターとして人気。大人スタイルにも、ガーリースタイルにも映えます。
ポストコロナを見据えたアクティブな大人スタイルにも合いますし、グレンチェックのプリーツスカートなどとも相性抜群。
アウター&ジャケット編③:シャネルジャケット
RakutenFashion 公式より引用
ざっくりとした素材感×ラメといえば、シャネルジャケットを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
シャネルのお家芸アイテムでもある、ざっくりとした生地感のノーカラージャケットは、煌びやかなラメやメタルボタンなどの装飾と相性抜群。
ブランドによってガーリーなスタイルにも、大人の女性にもピッタリ。ラメメイクにもとてもよく合います。
アウター&ジャケット編④:クラブチェックのダブルジャケット
RakutenFashion 公式より引用
続いては、クラブチェックのダブルジャケット。
クラブチェックとは、2色以上で構成される小格子柄のこと。元々はアメリカの「ガン(銃)クラブ」チェック(つまり、狩猟クラブです)に由来しており、赤と黒がベーシックカラーになっています。
2022秋冬シーズンのレディースではトレンドカラーをチェックに乗せて、さらにラメ糸がミックスされていたりすることも。
【2023年最新】のレディーストレンド!今、流行りの服【ニット&トップス編】
続いては、ニット&トップス編。2022秋冬の顕著な傾向としては、Vネックのシェアがグッと大きくなったこと。
また、“ぽあぽあ”したニットなどにも「キラキラ」したメタルボタン等が取り付けられ、よりゴージャスに、ガーリーになった点も特徴です。
ニット&トップス編①: Vネックニット&カットソー
RakutenFashion 公式より引用
ニット&カットソーに関しては、クルーネック全盛が過ぎ、今度はVネックの出番のようです。
カットソーはふんわりとしたシルエットで、ニットは温かみのある素材感で多く展開されていることが2022秋冬シーズンの特徴。ブランドやアイテムによって太幅のリブだったり、リブのないスタイリッシュなモノだったり。
骨格ストレートさんは、総じてVネックが似合う傾向にあります。
ニット&トップス編②:緩めのタートルネック
RakutenFashion 公式より引用
一方、骨格ウェーブさんなどは、ふんわりとしたハイネックやタートルネックなどのカットソー/ニットを選ぶと良いですよ。
こちらも、ふんわりと、ざっくりと、それでいて優しさを感じさせる素材感がトレンド。
一方、薄手でガーリー、ツイードのスカートなどにタックインして合わせるようなものの中にはピッタリ目なサイズ感のものも一定数残っている印象です。お好みで選んでくれてOKですよ。
ニット&トップス編③:モヘア・アルパカ素材のニット
RakutenFashion 公式より引用
モヘアやアルパカ素材のカーディガンは、ガーリーなスタイルが好きな方から、カジュアル系、大人のクラス感を演出したい方まで見逃せません。
モヘアは、アンゴラヤギという動物の毛素材。メンズの夏用スーツにもよく混紡されています。アルパカは一時期、クラレのCMで有名になりました(BTSのキャラクターにもいますよね)。
いずれも毛が”ぽあぽあ”している、ウサギみたいな毛並み感が特徴。こちらも、中にはラメ素材が入っているものや、メタルボタンのものもあります。
【2023年最新】のレディーストレンド!今、流行りの服【ボトムス編】
ボトムス編に関しては、引き続きクラシカルな柄のスカートがトレンドイン。
さらに、ジャンパースカートにも柄が多くなり、バレルパンツが目を惹くシーズンになりました。
ボトムス編①:グレンチェック・千鳥格子柄のスカート
RakutenFashion 公式より引用
グレンチェックや千鳥格子のスカートが人気。ジャンパースカートも去年あたりからグッと増えましたが、今年もトレンドの傾向にありますね。
千鳥格子とは、柄をよく見ると千の鳥、つまり沢山の鳥が羽ばたいているように見えることから名付けられた名前。千鳥はチドリ科の総称(カカシ先生の技はこっちですね)と、「たくさんの鳥」という二つの意味があります。
英語ではハウンズトゥース(犬の歯)と呼ばれているので、国によって呼び名が異なるのも面白いですね。
ボトムス編②:プリーツスカート
RakutenFashion 公式より引用
また、ガーリーなスタイルのアウターやニットが多くなってきたため、必然的にプリーツスカートも需要が高まっています。
ひとえにプリーツスカートといっても素材感が多様で、ウール調でチェック柄のものも多いですし、写真のような煌びやかで軽やかなものも。素材感を切り替えたハイブリッド形式も、昨年あたりから多く見られますよね。
ライダースジャケットやショート丈のダウンジャケットに合わせるも良し、大人の女性はロングスカートでバシッと決めるのもカッコいいですね。
ボトムス編③:バレルパンツ
RakutenFashion 公式より引用
2022秋冬シーズンは、バレルパンツも見逃せません。バレルとはワインなどを入れる樽(たる)のことで、腿あたりが膨らんで裾にかけて円を描くようなラインになっていることが特徴。
ジャージー素材とも相性抜群で、先述のMA-1との相性が◎。また、パキッとした都会スタイルは、大人のオフィスカジュアルにもピッタリです。
【2023年最新】のレディーストレンド!今、流行りの服【シューズ編】
最後に、シューズ編。2022秋冬シーズンでは、コロナ禍が始まってこれまで見られなかったゴージャスな足元が特徴。
ポイントトウのパンプスや、ピットローファー、真冬には丈の長いブーツなどがトレンドになりそうですね。
シューズ編①:ポイントトウのパンプス
RakutenFashion 公式より引用
靴に関しては、ポイントトウのシューズが、かなり多くなりました。今までスクエアカットのものが多かったのがグッと革いましたね。
大人っぽいゴージャスなスタイルや、ガーリーなスタイルが流行になったことで、靴も都会的な印象のものが増えた印象。
きれいめワンピースと共に、デートやお出掛けにも◎。
シューズ編②:ピットローファー
RakutenFashion 公式より引用
ピットローファーもトレンドインしています。ピットローファーとは、ローファーの中でも甲部分に金属や革素材などの飾りが付いたものを指し、1950年代にグッチが発表したものが始まりとされています。
特に、金属パーツがついたものはラメ入り素材のジャケットやニットから、クラシカルなスカートまで好相性。
さらに2022秋冬シーズンは、踵(かかと)のない「サボ」もトレンド傾向にあります。サボとはスウェーデンの木靴に由来するサンダルで、木でできていると屈曲しないため踵がない形状になりました。
上の写真はスナイデル×ハルタコラボのピットローファー。スナイデルとハルタのコラボも3年目に突入しましたが、毎シーズン完売する人気シリーズです。
シューズ編③:ロングブーツ
RakutenFashion 公式より引用
ロングブーツも、久しぶりのトレンドアイテムとなるようです。完全にコロナ禍でのワンマイルウェアに合わせたサンダルから、真逆のトレンドへ向かいました。
大人っぽい都会的なスタイルからナチュラルなツイードスカートまで冬の心強い味方になってくれそうです。
併せて、定番のラウンドトウも良し、トレンドのポイントトウのブーツも検討候補にしてみてください。
【2023年最新】のトレンドを買うのに最適な人気ブランドは?
最後に、2023年に注目の人気ブランド&ショップについてもご紹介させてください。
シーイン(SHEIN)
シーイン(SHEIN)は、2020年頃から日本でもその名を聞かれるようになり、今や売上高がユニクロを超えたとも言われる中国のファッション&雑貨ショップ。10代〜30代中盤くらいをターゲットに世界150の国・地域で展開されています。
とにかくパッと見の可愛さにも関わらず、圧倒的な価格の安さからトレンドアイテムにチャレンジしやすいことが強み。
基本的にはオンラインストアのみで、お得なクーポンなども豊富なことも見逃せません。
ビス(ViS)
新宿ミロード 公式HPより引用
ビス(ViS)はトレンドをキャッチアップしたい“大人女子”のためのブランド。
主に20代中盤~30代の女性に人気のブランドで、シンプル×大人っぽさとガーリーさの絶妙な間を行く服が中心です。
シンプル好き×リーズナブルな価格帯でトレンドアイテムにトライできることが特徴。Amazonや楽天など、オンラインストアでの取り扱いも豊富です。
スナイデル(SNIDEL)
RakutenFashion 公式より引用
スナイデルは、20代〜30代女性の多くにとって憧れの日本ブランド。近年はスナイデルビューティーやスナイデルホームなど、世界観を着実に広げています。
ストリート×フォーマルをコンセプトに、エレガンスを意識した女性らしいファッションがブランドコンセプト。確かに、近年はかなり独特のアイテムが多い印象です。
また、トレンド感も程よく散りばめていることで、多くの女性の心を放さない“良いポジション”にあると思います。
コカ(coca)
RakutenFashion 公式より引用
コカ(coca)は「大人のためのファストファッションストア」がコンセプトのブランド&ストア。特徴としては、シンプルなものをベースに、
- トレンド特集など積極的な提案が組まれている
- スポーティーなアイテムも比較的多め
- レディースを中心に、メンズやキッズも充実
している点。カップルでシミラールックなどもしやすいと思います。価格帯も非常に廉価で、こちらもAmazonや楽天などオンラインストアも充実しています。
オフの日のカジュアルから、きれいめなオフィススタイルまで揃えたい20代~40代女性にピッタリです。
フィフス(fifth)
フィフス(fifth)は、30代から50代くらいまでの「欲しいが揃う」ファストファッション&ショップ。ベーシックなアイテムからトレンドファッションまで数多くを揃え、プチプラの殿堂のような存在になっています。
また、お気に入りのモデルさんから服を探せたり、ランキング要素やクーポン配布などコンテンツも満載。150cm以下の女性向けコンテンツがあるのもGoodですね。
数多くのインフルエンサーからも支持されるショップブランドです。ぜひチェックして取り入れてみてください。
ナチュラルビューティーベーシック(NATURAL BEAUTY BASIC)
RakutenFashion 公式より引用
ナチュラルビューティーベーシック(NATURAL BEAUTY BASIC)は、ナチュラルという柔らかさにビューティーという上質さを掛け合わせたエレガントなファッションブランド。
「シンプルでベーシック、かつ着回しが利く」ことを心掛け、やり過ぎず・やらなさ過ぎずという“ちょうどいい塩梅”を心掛けた服を展開していることが特徴。ワンピースやニット類の取り扱いが充実していると感じます。
同じく姉妹ブランドのプロポーションボディドレッシングも人気ブランドです。いずれも20代~30代の、ちょっといい服でお出かけや通勤がしたい人にピッタリ。
フレイアイディー(FRAY I.D.)
RakutenFashion 公式より引用
フレイアイディー(FRAY I.D.)は、エレガンス×モードによるオンオフ問わない大人っぽさを提供してくれるブランド。
独特の服からはカッコよさ、大人っぽさ、セクシーさなど、様々な要素が入り混じった面白いブランドだと思います。
価格も比較的高めですが、個性的かつ人気ブランドを着てみたい方にはとてもオススメ。
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