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綿(コットン)について:素材や番手、単糸/双糸の解説から繊維長、糸&生地ブランドまで

今回は、綿という素材やオーガニックコットン、綿素材にまつわる用語について。

また、後半部分ではブランド綿綿生地についても解説。シャツやジーンズなどの選ぶ参考にしてください。

目次

綿(コットン)について:素材や番手、単糸/双糸から繊維長の解説

綿(コットン)とは:ワタの種子から採れる繊維

綿(コットン)とは、アオイ科ワタ属の植物、ワタの種子から採れる繊維を指します。人類が綿という繊維を利用していた最古の記録は、紀元前5000年から4000年。文明の発見とともに使用が確認されている繊維のひとつ。

植物性の繊維でセルロースが主成分。伸びにくく丈夫で吸湿性があって清涼、そして肌触りの良さが特徴。下着やシャツなどのインナーを始め、デニムやチノ、ジャケットからコートまで多用途に用いられます。

主な生産国は中国、インド、アメリカ合衆国、パキスタン、ブラジルなど。広大な大地を保有し、亜熱帯から熱帯に属する、降水量を確保できる気候が栽培に適しています。

オーガニックコットンについて

直訳で「有機栽培」コットン。しかし、認定を受けるためには化学肥料や農薬の使用量の抑制だけではなく、

  • 化学薬品の使用による健康被害・環境負荷を最小限に抑えているか
  • 栽培に従事する労働者の健康や安全に配慮されているか
  • 栽培に際し、児童が生産者になることを禁止しているか

などが項目として挙げられます。環境負荷への配慮だけでなく生産者への安全性にも配慮されているなど、それぞれの国が定めた基準を満たすことが必要。

綿花の栽培には、世界の殺虫剤の使用量の16%、農薬使用量は全体の6%を使用しているといわれます。つまり、それだけ殺虫剤や農薬を使用する栽培農家の健康被害への影響も大きいということ。

ちなみに、通常のコットン製品では残留農薬等は非常に少ないため、着用者に健康被害が及ぶという数値は検出されません。

綿花栽培と水資源への環境負荷

綿花の栽培は殺虫剤や農薬だけにとどまらず、水の消費においても極めて環境負荷の高い産業。単一作物の中で最も水を使用するといわれ、1枚のTシャツを作る分の綿花を栽培するために約2,700ℓの水が必要。

かつて、世界で4番目に大きい塩湖(日本の東北地方とほぼ同規模)であったアラル海は、コットン栽培が盛んな地域でした。上記の写真の通り、2014年には1/5まで減少し、水が枯渇していることがよく分かります。

こういった事実も踏まえ、近年のファッション産業では、水使用を抑えたジーンズなどに注目が集まっています。

番手

番手とは、糸の細さを表す単位のこと。繊維によって規定が異なりますが、綿の場合は1ポンドの重さで「840ヤードの長さ=1番手」と定めています。

同様に、1ポンドの重さで「1680ヤードの長さ=2番手」となり、単純計算で1番手の半分の細さ。

(用途にも拠りますが)高品質なドレスシャツには、例えば「100番手双糸」「120番手双糸」の糸などが使用されます。

単糸・双糸・三子撚り(みこより)

単糸(左)と双糸(右)

原毛を撚(よ)って糸にしますが、その撚った糸そのままを単糸、さらに二本の単糸を撚り合わせた糸を双糸といいます。三本の単糸を撚り合わせた三子撚り(みこより)もあります。

双糸は単糸に比べて倍以上の太さになりますが、毛羽立ちが少なくハリの強い、高級感のある生地に仕上がる傾向に。例えば、100番手双糸なら「100/2」、50番手単糸なら「50/1」と表記します。

三子撚りは、縫製用の糸や、布地の場合はデニムやオックスフォードシャツのような、厚地で耐久性を求められるような衣類に使用されます。

超長綿

超長綿とは、コットン繊維(原毛)一本一本の繊維長が35mm以上の物を指し、とりわけ高品質な証とされているもの。

原毛が長ければ長いほど撚って作られた糸は毛羽立ちが少なく、しなやかで光沢感に優れ、高級な綿として使用されます。

ブランド綿について

商品によっては、タグや印字によって「ブランド綿」が使用されていることを積極的にアピールしているものも。

特に、先述の超長綿に関しては、(コーヒーやワインなどと同様に)世界各地でブランディングされています。有名ブランドや品質をウリにしているメーカーが積極的に取り入れて、自社商品のブランディングにも活用しています。

ここではそんなブランド綿について、一部ではあるもののご紹介。

スーピマ綿(スーピマコットン)

スーピマ綿(スーピマコットン)は、「世界三大高級綿」の一つといわれるアメリカ産の品種。エジプトの品種とアメリカの品種を掛け合わせることで誕生しました。

主にカルフォルニアや、アリゾナなどで栽培・収穫されるブランド綿で、ユニクロがトップスや靴下、インナーなどで、このスーピマ綿を使用していることでも有名。

その他、アメリカブランドもよく用いています。写真はブルックスブラザーズのインナーT。

エジプト綿(エジプシャンコットン)

エジプト綿(エジプシャンコットン)も「世界三大高級綿」の一つ。中でも「GIZA 45」「GIZA 70」などが特に有名です。

「白いダイヤモンド」と形容され、オーダーメイドのシャツや、ハイブランドの既成服に用いられることが多い品種。

写真はイタリア・ナポリのフィナモレ。GIZA 45を使用した140番手双糸生地のドレスシャツです。

フィナモレ(Finamore)ドレスシャツ
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新疆綿(しんきょうめん、シンジャンコットン)

新疆綿(しんきょうめん)は、新疆ウイグル自治区にて栽培される品種のコットン。

こちらも「世界三大高級綿」の一つで、中国語の発音に近い呼び方で「シンジャンコットン」とも呼ばれます。中でも「新疆146」などが特に有名。

写真は、ユナイテッドアローズのポロシャツ。こちらもアパレル製品や、比較的太番手のものはタオルやシーツなどにも利用されます。

ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)カノコ ビッグポロシャツ
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ジンバブエコットン

ジンバブエコットンは、その名の通りアフリカのジンバブエにて収穫されるコットン。インフラの未整備を逆手に取った有機栽培と、手摘みによる収穫が特徴。

手摘みの場合、機械で刈り取るよりも綿花が傷つきにくく、高品質な糸や生地を作りやすいという特徴があります。その分、生産量は劣るため、希少価値が高くなる方法です。

デニムに使用されることが多く、ジャパンブルージーンズフルカウント桃太郎ジーンズといったブランドが好んで使用することが多い品種。

フルカウント(FULLCOUNT)ジーンズ ジンバブエコットン
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海島綿(シーアイランドコットン)

海島綿(シーアイランドコットン)は、アメリカ大陸の西インド諸島・カリブ海にて生産される、超長綿の中でも最高品質の一つとされる品種。

英女王エリザベスⅠ世が16世紀に西インド諸島を植民地化・保護し、以来ブランド綿の中でも最高峰のひとつとしての地位を確立しました。他のブランド綿と比べても独特のぬめり感があり、一線を画した表情の奥深さがあります。

写真は海島綿を使用した、ジョンスメドレーのポロシャツ。一部の既製服(主にTシャツやシャツ)や、フルオーダーシャツなどに使用されています。

ジョンスメドレー(JOHN SMEDLEY)海島綿 ニットポロシャツ
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カミチェリアとシャツ生地のブランドについて

カミチェリアとは:イタリア語でシャツ(専業)メーカー(ブランド)を意味する

世界各地にシャツメーカーが存在しますが、特にイタリア・ナポリのカミチェリアは完成度の高さに定評があります。

ルイジ・ボレッリバルバフライといったメーカーが非常に有名。

中には、非常にハンドメイド率の高いカミチェリアも存在しており、“着道楽”の行きつく先になっています。

ルイジボレッリ(LUIGI BORRELLI)セミワイドカラーシャツ ルチアーノ
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また、アパレル商品や綿素材そのものにブランディングがされているのならば、「テキスタイル(生地)メーカー」も同様に有名ブランドが存在します。

先述の産地を基にした綿のブランドを用いて、独自の生地を生み出しています。

というわけで、ここからは(一部ですが)シャツ生地で有名なテキスタイルメーカーをご紹介します。

トーマスメイソン(THOMAS MASON)

まずは、創業1796年、英国・ランカシャーのトーマスメイソン。数あるテキスタイルメーカーの中でも非常に有名で、英国資本のメーカーですが、生地の生産はイタリアにて行っています。

リーズナブルな価格×高品質で、いわゆる「そこそこの生地」を世界中に供給していることが特徴。スーツ生地でいうところの「カノニコ」ポジションのテキスタイルメーカー。

日本ではセレクトショップや、フェアファクス、鎌倉シャツなどで取り扱いがあります。

フェアファクス(FAIR FAX)トーマスメイソン ドレスシャツ
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カンクリーニ(CANCLINI)

1925年創業、イタリアの生地メーカーのカンクリーニ。こちらもソフトな風合いや光沢感のある生地感が得意なメーカーで、通常のポプリン生地に加え、ドレッシーなネルシャツなどを得意とするメーカーです。

イタリアのメーカーが得意とする細かな意匠性やファッション性の高さに定評があり、セレクトショップや大手アパレルブランド、ハイブランドの生地としても幅広く使用されています。

まさしくファッションブランドからオーダーシャツ専門店まで、信頼の厚い生地メーカー。

アルモ(ALUMO)

スイスのテキスタイルメーカー、アルモも高品質なテキスタイルを供給しています。かつては後述のカルロ・リーバ同様に旧型のシャトル機で少量生産を貫いていましたが、現行品はある程度コストパフォーマンス重視に。

とはいえ、現行品も非常に品質が高い部類ではあります。先述のフィナモレなどがよく使用しています。

中でも、色とりどりのストライプ生地がお家芸。また、170番手双糸など、特に細番手の生地を得意とするメーカーでもあります。

カルロ・リーバ(Carlo Riva)

カルロ・リーバ「シャツ生地の宝石」ともいわれる、最高品質の綿生地ブランド。生地は生産時に室内の湿度を80%に保ち、旧型のシャトルを用いてゆっくりと時間を掛けて織られることで、痛みの少ない安定的生地に仕上げています。

170番手双糸の生地を生産しており、フルオーダーのシャツや、日本ではリングヂャケットナポリフライなど、一部の最高峰シャツに使用されている生地。

まさしく綿生地の最高峰のひとつですが、繊細な生地でもあるので使用する環境は限られます。

リングヂャケットナポリ(RING JACKET Napoli)カルロリーバ シャツ
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SHOLL(しょる)
皆さまこんにちは。“SHOLLWORKS”運営者のSHOLL(しょる)と申します。

1987年、山梨県甲府市生まれ。国内デザイナーズブランドを経て、ファッションコングロマリットのブランドでデザイナー職を経験。

現在は東京在住、デザイナー含め様々な事業に携わっています。





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